こんにちは、K2 College 松本です。
今回はマニュライフ生命の個人年金保険「パワーカレンシー介護保障タイプ(据置プラン)」を解説します。
銀行で「介護に備えながら資産運用ができますよ」と勧められて契約しました。
要介護になると直ぐに年金を受け取れるメリットがありますが、終身年金という選択肢しかなく、損益分岐点が遅いです。利率や商品の仕組みについて、この記事でしっかりと確認しましょう。
- 動画解説
- マニュライフ生命はカナダNo.2の生命保険会社
- 介護になると直ぐに年金が受け取れる一時払外貨建個人年金
- 10年で返戻率130%、年金受取の損益分岐点は82歳
- 契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。
動画解説
マニュライフ生命はカナダNo.2の生命保険会社
会社概要
マニュライフ生命は1887年にカナダで誕生したマニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーションのグループ会社で、同社の前身である「マニュファクチャラーズ生命」は1901(明治34)年、日本で最初に事業免許を取得した外資系生命保険会社です。
第二次世界大戦により事業を中断したが、1999年には「第百生命」を引き継ぐ形で再び日本でのビジネスをスタートし、2001年からはマニュライフ生命として、営業職員チャネル(営業拠点数:68)、銀行窓販の金融機関チャネル(提携金融機関:79)、代理店チャネル(代理店数:約1,950)を利用して営業しています。
設立:1999年3月
総資産:2兆1,397億円(2021年3月末時点)
保有契約件数:159万2千件
保有契約高:12兆8,507億円(2021年3月末時点)
格付情報
S&P:A+ (2021年6月末時点)
ソルベンシーマージン比率
825.9% (2021年3月末時点)
あまり聞き慣れない保険会社ですが、親会社はカナダなんですね。
カナダではグレートウェストライフコ、マニュライフ、サンライフが大手保険会社ですが、マニュライフは総資産でNo.2です。
日本ではあまり聞き慣れないと思いますが、イメージよりも大事な格付け、ソルベンシーマージン比率からも十分に信頼に値する会社と言えます。
介護になると直ぐに年金が受け取れる一時払外貨建個人年金
契約概要
商品名:パワー・カレンシー(介護保障タイプ)
正式名称:外貨建定額個人年金保険
通貨:米ドル、豪ドル
積立利率:契約時の利率が適用
契約年齢:55歳〜80歳
据置期間:10年または90歳
年金受取:終身年金
年金支払総額保証割合:100%、110%
払込期間:一時払
最低保険料:USD 40,000、AUD 40,000、500万円
保障内容
死亡したときは、死亡した日の積立金額、解約返戻金額、基本保険金額のいずれか大きい金額を受取ることができます。据置期間中に要介護2以上に認定されると介護年金を受け取れます。
商品解説
一時払の外貨建(米ドル、豪ドル)個人年金保険です。契約したときの積立利率で、10年間または90歳まで据置いてから終身年金で受け取れます。また据置期間中に要介護2以上に認定された場合、すぐに介護年金を一生涯受け取ることができます。年金支払には最低保証があり、一時払保険料に対して100%か110%を選択できます。保証が大きい方が毎年の年金額は少なくなります。
積立金の増え方は、契約時の積立利率に応じて決まります。ただし、市場価格調整と解約控除が掛かる点にはご注意ください。
市場価格調整
計算式にするとチンプンカンプンになると思うので上図は見なくていいです。シンプルに契約時の積立利率と解約時の積立利率を比較して、低くなっていれば解約返戻金が増え、高くなっていれば減る。ということです。
解約控除
契約からの経過年数に応じて解約時に控除される金額です。解約時の積立金額に上記の率を掛けたものが差し引かれます。なので契約してすぐに解約すると元本割れするので注意してください。
その他にも保険関係費用などの手数料もありますが、日本の保険会社ではこの部分は公開されていないので割愛します。
途中で解約するときは注意が必要ですね。。。
そうなんです。次のチャプターで契約例を見ていきましょう。
10年で返戻率130%、年金受取の損益分岐点は82歳
男性60歳の契約例を見てみましょう。
契約例
通貨:米ドル
据置期間:10年
積立利率:3.00%(2022年12月1日〜12月15日)
年金受取:終身年金
一時払保険料:USD 100,000
<解約返戻金と返戻率の推移>
5年後(65歳):USD 108,751(108%)
10年後(70歳):USD 130,023(130%)
<実質利回り>
5年後(65歳):1.69%
10年後(70歳):2.66%
10年後に解約しても市場価格調整の影響で積立利率よりは実質利回りが低くなります。10年以内の場合は解約控除も影響がするので目減りが大きくなります。そして、そもそもの利率が低すぎて10年後で130%では物足りないですね。
次に10年後から終身年金として受け取った場合です。
<年金受取累計額と返戻率の推移>
年金額:USD 8,454
5年後(75歳):USD 42,270(42%)
10年後(80歳):USD 84,540(84%)
15年後(85歳):USD 126,810(126%)
20年後(90歳):USD 169,080(169%)
年金受取の損益分岐点は12年(82歳)になります。それまでに亡くなったとしても、一時払保険料として支払った金額に達するまで遺族が年金受取できるので損はしません。ただ60歳から82歳までの22年間運用してトントンじゃ「意味あるの?」って感じですね。90歳まで生きれば約1.7倍の金額を受け取れますが、トータル30年(据置10年→年金受取20年)掛かっています。
「損はしないけど、得するのも難しい」という感じでしょうか。。。
まさにその通りですね。「海外固定金利商品」であれば、10年後には1.5倍以上の解約返戻金になりますし、「新海外個人年金」であれば3年後から自由に引き出しながら運用もできるので、間違いなくその方が効率良く老後の収入を確保できます。
詳しくは下記の記事も参考にしてください。
『海外固定金利商品』の金利が4.5%に上がりました!
15年で返戻率200%超え『新海外個人年金』
契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。
単純に利回りが低いので、より高い利回りで運用できるところにお金は置いてあげましょう。
既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?
契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。
※直接相談(無料)
まとめ
- 加入するのはやめよう
- 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
- 日本では貯蓄系商品は契約しない
また教育資金準備や貯蓄だけが目的の方は、下記の入門書を一読ください。
※【入門書】公的年金に依存しない自分年金を準備するための入門書
※【入門書】子供のためにベストな学資保険に入るための入門書
著者プロフィール
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大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。
外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランコンサルタントとして6年3ヶ月勤務。
また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。
そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。
クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。
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