かんぽ生命 はじめのかんぽ(学資保険〔H24〕)

こんにちは、K2 Collage 松本です。

今回は、かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」を解説します。2014年4月から販売されており、CMではV6の井ノ原快彦(イノッチ)が「かんぽさん」として印象的ですね。他にも能年玲奈さん、高畑充希さんもCMやポスターなどで記憶に残っています。

子どもができた時に、親から「学資保険に入っておきなさい」と紹介されたので契約しています。郵便局だし、子どもの教育資金も貯められて万一の保障もあるので安心しています。

厳密に言うとかんぽ生命という保険会社です。会社規模も大きく、格付けも高いので信頼性はありますが、商品はどれもダメなので必ず見直してください。

  • 動画解説
  • かんぽ生命は大きい会社
  • マイナス利回りの学資保険
  • 満期返戻率は18年で94.8%、実質利回りは-0.48%
  • 契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。

動画解説

かんぽ生命は大きい会社

会社概要

かんぽ生命は郵政民営化に基づき2006年9月1日に「株式会社かんぽ」として設立され、2007年9月30日までの間、生命保険会社として営業するための準備を行い、同年10月1日に生命保険業の開始に伴い商号を「株式会社かんぽ生命保険」に変更し、生命保険業および郵政管理・支援機構の委託を受けて行う簡易生命保険管理業務を行っています。

営業開始:2007年10月1日
事業所:83支店(2021年7月1日時点)
総資産:70兆1,738億円(2020年度)
保有契約高:47兆4,760億円(2020年度)

格付情報

S&P:A(2021年8月31日現在)
R&I:AA-(2021年8月31日現在)

ソルベンシーマージン比率

1,118.1%(2020年度)

身近な会社なので親しみはありますね。

イメージだけで判断するのはダメですが、実際に会社の規模や格付などの評価は高いので健全な会社ですね。ただ販売している商品は良くないし、営業マンもノルマがキツイせいで悪質な営業をしているので、関わらない方がいいです。

マイナス利回りの学資保険

契約概要

商品名:学資保険 はじめのかんぽ
契約者年齢:18歳〜65歳(男性)、16歳〜65歳(女性)
被保険者年齢:0歳〜12歳 ※1
保険金額:50万円〜700万円 ※2
保険期間:17歳、18歳、21歳
払込期間:12歳、17歳、18歳
払込頻度:月払(前納可能)
コース:3種類

※1 払込期間とコースによって異なる
※2 特約とコースによって異なる

保障内容

<主契約>

  • 契約者(親)が死亡や高度障害になったときは、保険料の支払いが免除されますが、満期金は受け取れます。
  • 被保険者(子)が死亡した時は、それまでに払った保険料が死亡保険金として受け取って契約は終了。
  • 何事もなく満期を迎えると満期保険金(保険金額と同じ)を受け取って契約は終了です。

<特約>

無配当災害特約

被保険者が特約の保険期間中に不慮の事故でのケガにより180日以内に死亡したときまたは当社所定の身体障がいになったときに、特約保険金をお支払いします。

無配当傷害医療特約

不慮の事故でのケガにより3年以内に入院した場合や、手術、放射線治療を受けた場合、入院保険金、手術保険金、放射線治療保険金をお支払いします。無配当傷害医療特約には、入院初期保険金のある I 型と入院初期保険金のない II 型があります。

無配当総合医療特約

病気や不慮の事故でのケガにより入院した場合や、手術、放射線治療を受けた場合、入院保険金、手術保険金、放射線治療保険金をお支払いします。無配当総合医療特約には、入院初期保険金のある I 型と入院初期保険金のない II 型があります。

無配当先進医療特約

病気や不慮の事故でのケガにより、厚生労働大臣が定める先進医療に該当する療養を受けたとき、先進医療保険金をお支払いします。この特約は、無配当総合医療特約と併せて基本契約に付加していただく必要があります。また、被保険者が複数の基本契約に加入いただいている場合でも、被保険者1人につき、1つの基本契約にのみ付加できます。

商品解説

祝金や満期金を受け取るタイミングに応じて3つのコースがあります。それぞれ払込期間は子どもが12歳、17歳、18歳になるまで払うという3つのパターンから選択できます。

「大学入学時」の学資準備コース

「小・中・高+大学入学時」の学資準備コース

「大学入学時+在学中」の学資準備コース

よくある一般的な学資保険です。特徴といえば利率が低すぎて実質利回りがマイナスということです。

えっ、マイナスってどういうことですか?

「満期時に受け取れる金額よりも保険料として支払う金額の方が多い」ということです。

次のチャプターで解説します。

満期返戻率は18年で94.8%、実質利回りは-0.48%

それぞれのコースを確認していきましょう。

「大学入学時」の学資金準備コース

契約者年齢:30歳 男性
被保険者年齢:0歳 男の子
保険金額:500万円
保険期間:18歳
払込期間:18歳
払込頻度:月払
コース:「大学入学時」の学資金準備コース
保険料:24,400円


総支払保険料:5,270,400円
保険金受取額:5,000,000円
返戻率:94.8%
実質利回り:-0.48%

「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース

契約者年齢:30歳 男性
被保険者年齢:0歳 男の子
保険金額:500万円
保険期間:18歳
払込期間:18歳
払込頻度:月払
コース:「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
保険料:31,850円


総支払保険料:6,879,600円
保険金受取額:6,500,000円
返戻率:94.4%
実質利回り:-0.71%

「大学入学時+在学中」の学資金準備コース

契約者年齢:30歳 男性
被保険者年齢:0歳 男の子
保険金額:500万円
保険期間:21歳
払込期間:18歳
払込頻度:月払
コース:「大学入学時+在学中」の学資金準備コース
保険料:24,250円


総支払保険料:5,238,000円
保険金受取額:5,000,000円
返戻率:95.4%
実質利回り:-0.42%

という驚愕の結果になります。支払った金額よりも受取額の方が少ないので、全く貯蓄にはなっていないのが分かりますね。インフレで教育費は年々高くなってきているので、しっかりと増やして備える必要があるのに元本割れするのでは何のために契約しているのかよく分かりません。

また今回は特約は一切付けていないものとして計算しています。特約を付加するとさらに返戻率と実質利回りは悪くなります。

満期金や学資祝金が受け取れるので始めたのですが、受取金額よりも保険料総額の方が多く払うことは知りませんでした。

加入されている方は皆さん同じことを言われます。貯蓄系の金融商品を検討する時は「総支払金額」「受取金額」「受取期間」の3つを確認しましょう。

契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。

貯蓄を目的で契約されていると思いますが、増えるどころか減っていく商品なので加入してはいけません。契約者(親)が死亡した時の支払免除があるから仕方ないと思う方もいますが、それなら掛け捨ての定期保険に加入して銀行で貯蓄しておく方がコストも少なくなります。ただ、それは「はじめのかんぽ」を契約するよりはマシ。というだけで増やすことはできないので、しっかりと増える学資積立をして、保障は別で準備しましょう。

死亡保障は掛け捨ての方が良いと言うことですが、それなら「はじめのかんぽ」に加入するメリットはないのでしょうか?

はい、ありません。「はじめのかんぽ」に加入するメリットは1つもないので、スグに見直す必要があります。下記から私に直接相談して頂ければ、保障と教育資金の備え方をアドバイス致します。

※直接相談(無料)

まとめ

  • 加入するのはやめよう
  • 契約している方は見直した方がいいので、お気軽にご相談ください(無料)
  • 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(学資保険はしないで)

教育資金の準備や備え方ついては、下記のページにまとめているので見てください。

※大切なお子さまのために、海外積立(元本確保型プラン)で学資準備


また下記の入門書も効率の良い教育資金の備え方なので一読ください。

【入門書】保険で銀行金利の3600倍の金利をつけるための入門書


※【入門書】子供のためにベストな学資保険に入るための入門書

著者プロフィール

松本崇裕
松本崇裕
大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。

外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランナーとして6年3ヶ月勤務。

また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。

そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。

クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。

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