こんにちは、K2 College 松本です。
今回はジブラルタ生命の米国ドル建介護保障付終身保険を解説します。コスパや保障内容を含めて、日本の保険会社の終身保険はどういうものなのか確認してください。
将来介護状態になったときに子どもに迷惑を掛けたくないと思い加入しました。
介護に対する備えも必要ですが、備え方は保険だけではありません。どのような備え方があるのか、保険で備えることのデメリットもあるので、それらを理解した上で判断した方がいいです。この記事で一緒に確認していきましょう。
- 動画解説
- ジブラルタ生命はCMしてないだけで良い会社
- 米ドル建の介護終身保険
- 解約返戻率は30年で112%、実質利回りは0.74%
- 契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。
動画解説
ジブラルタ生命はCMしてないだけで良い会社
会社概要
ジブラルタ生命は日本に本社を置く外資系生命保険会社で、アメリカ大手の金融機関プルデンシャル・ファイナンシャルのグループ会社です。同じグループ会社で、プルデンシャル生命とPGF生命(銀行や代理店チャネル専業会社)があります。
2000年に経営破綻した協栄生命保険を買収し、その事業を継承するために設立され、特に公立学校の教職員、自衛官などの契約者が多い。破綻生保の中では最も成功した会社です。
営業開始:2001年4月3日
事業所:701営業所(2021年4月1日時点)
総資産:11兆5,437億円(2021年6月末時点)
保有契約高:36兆7,809億円(2021年6月末時点)
格付情報
S&P:A+ (2021年8月23日時点)
R&I:AA- (2021年8月23日時点)
ソルベンシーマージン比率
901.3% (2021年6月末時点)
あまり聞き慣れない会社ですが大丈夫でしょうか?
CMなどをしないのが、プルデンシャルグループの方針なので知らない方も多いと思います。
しかし、格付け、ソルベンシーマージン比率からも十分に信頼に値する会社と言えます。
米ドル建の介護終身保険
契約概要
商品名:米国ドル建介護保障付終身保険(低解約返戻金型)[無配当]
保険期間:終身
契約年齢:15歳〜69歳
払込期間:10年〜30年、55歳〜80歳まで
払込頻度:月払、半年払、年払、前納
介護保障:50%、100%
保険金額:USD 20,000 〜 *1
*1 保険金額USD 50,000以上は高額割引制度が適用
保障内容
死亡や所定の高度障害状態になったときに、保険金を受取ることができます。または所定の介護状態になった時は保険金額の50%または100%を受け取ることができます。
商品解説
ジブラルタ生命の介護保障付終身保険が米ドル建になったものがこの商品です。介護保障50%プランと100%プランがあり、所定の介護状態になるとそれぞれの割合の保険金を受け取ることができます。50%プランで保険料払込期間中の場合は介護保険金を受け取った以降、保険料の払込が免除されます。
終身保険なので一生涯の死亡保障と貯蓄機能がありますが、貯蓄性はとても低いので貯蓄を目的に契約する必要はありません。
たしか利率が2.5%と高かったので契約したのですが、それでも利率が低いのでしょうか?
予定利率のことですね。この商品の予定利率は2.5%で間違いありません。ただしこれは単純な金利ではなく、手数料を含めた利率になります。次のチャプターで具体的なシミュレーションの数字で確認していきましょう。
保険用語については下記のリンクで詳しく解説しています。
※『予定利率』『積立利率』『利回り』とは?
解約返戻率は30年で112%、実質利回りは0.74%
パンフレットに載っている契約例は以下の通りです。
契約年齢:30歳 男性
保険金額:USD 100,000
介護保障:50%
特約:なし
保険期間:終身
払込期間:60歳払済
払込頻度:月払
保険料:USD 157.3
総支払保険料:USD 56,628
<解約返戻金と返戻率>
20年後(50歳):USD 26,580(70%)
30年後(60歳):USD 63,640(112%)
40年後(70歳):USD 74,690(131%)
50年後(80歳):USD 85,360(150%)
<実質利回り>
30年後(60歳):0.74%
40年後(70歳):1.07%
50年後(80歳):1.15%
低解約返戻金型で保険料割引があるので、保険料の払込期間が終わると返戻率112%になります。しかし30年の時間を費やしてたった12%しか増えていないのです。実質利回りだと0.74%と予定利率2.5%と大きく乖離しています。
総支払保険料:USD 59,616
<解約返戻金と返戻率>
20年後(50歳):USD 28,040(70%)
30年後(60歳):USD 66,940(112%)
40年後(70歳):USD 77,860(130%)
50年後(80歳):USD 87,840(147%)
<実質利回り>
30年後(60歳):0.74%
40年後(70歳):1.04%
50年後(80歳):1.09%
介護保障100%プランもほぼ同じ数字になります。
どちらも契約時から介護保障がありますが、若い人が介護状態になる確率はとても低いのでその為にこの保険料を払うのは効率が悪いです。介護が実際に必要になる方の多くは70歳以降ですからそれまでに資産形成でしっかり増やしておき、キャッシュとして備える方が使いみちも自由で役に立ちます。
実際の利回りだと予定利率の半分もないんですね、、、
しかも30年以内に解約すると必ず元本割れします。
日本の米ドル建終身保険は利率が低すぎて、貯蓄にはならないので、保険を検討される場合は、貯蓄と死亡保障の両立が唯一できる海外の終身保険を選択肢にいれてください。海外であれば総支払保険料の何倍もの死亡保障がありながらも実質利回りで4〜6%ほどで運用もできます。
詳しくは下記の入門書をダウンロードして一読ください。
※『海外保険入門書(マニュアル)』はこちら(無料)【NEW】
契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。
終身保険の特徴は、死亡保障と貯蓄の両立が出来ることですが、日本の保険は
・貯蓄性が低すぎる
・死亡保障に対する保険料が高い
という理由でオススメできません。
既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?
契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。
※直接相談(無料)
まとめ
- 加入するのはやめよう
- 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
- 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(終身保険はしないで)
また教育資金準備や貯蓄だけが目的の方は、下記の入門書を一読ください。
※【入門書】公的年金に依存しない自分年金を準備するための入門書
※【入門書】子供のためにベストな学資保険に入るための入門書
著者プロフィール
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大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。
外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランコンサルタントとして6年3ヶ月勤務。
また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。
そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。
クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。
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