こんにちは、K2 College 松本です。
今回はアクサ生命の変額保険ユニットリンクを解説します。アクサ生命と言えばユニットリンクと言うくらい変額保険の中では一番認知度が高く契約されている方も多いと思います。そもそも変額保険とはどういう商品なのか? 実際に増えているのか? などを確認していきましょう。
保険代理店の担当者に「この保険の『世界株式プラス型』が一番増えているのでオススメです!」と勧められて加入しました。
確かに、リターンがでてるので良い投資先の1つですが、盲信してゴリ押しで勧めてくる人には要注意です。
- 動画解説
- アクサ生命は損保系の保険会社で、格付けもしっかりしている
- 変額保険という仕組みがダメだけど投資先としては優秀
- 保障と貯蓄は分けよう!
動画解説
アクサ生命は損保系の保険会社で、格付けもしっかりしている
会社概要
アクサ生命保険株式会社は日本に本社をおく外資系生命保険会社で、フランス発祥の保険企業であるアクサが日本に設立したアクサ生命と、日本団体生命が統合して生まれた生命保険会社です。アクサグループは世界54カ国、約1億500万人の顧客を持つ世界最大級の保険グループです。
設立:1994年7月
総資産:7兆4,709億円(2021年3月31日時点)
保有契約件数:487万件(2021年3月31日時点)
格付情報
S&P:A+ (2021年6月25日時点)
ソルベンシーマージン比率
753.0% (2021年3月末時点)
外資系だったんですね。CMなどで広告をよく見るので身近に感じている会社です。
そうですね。岡田将生さんの印象が強いですね。
イメージだけで決めるのはダメですが、格付け、ソルベンシーマージン比率ともに十分信頼に値する会社です。
変額保険という仕組みがダメだけど投資先としては優秀
契約概要
商品名:ユニット・リンク保険(有期型)
契約年齢:0歳〜70歳
払込頻度:月払、年払
保障内容
<主契約>
- 死亡や高度障害になったときに、基本保険金額(最低保証)または積立金額のいずれか大きい金額を受取ることができます。
- 保険の満了時に生存していたときに、特別勘定資産の運用実績に応じた満期保険金額(保険期間満了日の積立金額)を受け取れます。
<特約>
保険料払込免除特約
商品解説
変額保険とは、預かった保険料の一部を運用し、運用実績によって将来受け取る死亡保険金や解約返戻金が増減する保険の事です。ただし死亡保険金は最低保証があります。ざっくり言うと養老保険と投資信託を合体させた商品と思ってください。
保険料は「一般勘定」と「特別勘定」とわけて運用されます。「一般勘定」は主に国債などで運用しており、運用責任は保険会社にあるので死亡保険金の最低保証があります。「特別勘定」は株式や債券などを組み合わせて運用し、運用成果に応じて死亡保険金や解約返戻金が増減します。特別勘定の損益は全て契約者の責任となります。
つまり保険料の一部は死亡保障のための経費となっており純粋に保険料全てが投資に回るわけではありません。
投資先
選択できる投資先は以下の10種類です。
それぞれの現在(2021年12月末)までの運用成績は以下になります。
一番右側の「設定来」の数字を見てください。運用年数はそれぞれ違いますが、上段が元々の基準値100(運用開始日)からどれだけ増えたかという数字になります。下段が運用年数で割った数字つまり「年間平均利回り」ということです。「オーストラリア債券型」の場合、運用開始日から6年7ヶ月で3.49%増えているので、年換算すると0.51%/年という意味です。
トータルで一番増えているのは「外国株式プラス型」で約4.7倍になっており、年換算すると12.76%です。年間平均利回りで一番高いのは、「世界株式プラス型」で16.44%となっていますが、運用期間がまだ短いのでトータルでは約1.8倍にしかなっていません。ただどちらも年間平均利回りが12%以上なので凄い数字ですね。
担当者もこの実績を特にオススメしていました。
運用実績が良いのは間違いないですが、残念なのは変額保険という箱ですね。
保障と貯蓄は分けよう!
パンフレットに載っているご契約例は以下の通りです。
契約年齢:30歳 男性
基本保険金額:931万円
保険期間:30年満了
払込期間:30年満了
払込頻度:月払
保険料:20,000円
総支払保険料:720万円
<解約返戻金と返戻率の推移> ※6%リターンの場合
10年後(40歳):264万円(110%)
20年後(50歳):735万円(153%)
30年後(60歳):1,589万円(220%)
実質利回りを計算すると下記の通りです。
<実質利回り>
10年後(40歳):1.73%
20年後(50歳):3.90%
30年後(60歳):4.71%
投資先のリターンを享受できるのが遅すぎです。同じように毎月20,000円を30年間積立して年間6%で運用できたら、2,009万円になります。それだけコストが掛かっているということです。死亡保障は子どもが自立するまの期間だけあればいいので、保険料の安い収入保障保険で備えて、貯蓄は別で行いましょう。
結構な手数料が掛かっているのですね。。。
はい。特に死亡保障が不要な人にとっては全くもって余計なコストになります。
死亡保障が必要な人は収入保障保険に加入するか、貯蓄と死亡保障の両立が唯一できる海外の終身保険を選択肢にいれてください。詳しくは下記の入門書をダウンロードして一読ください。
※【入門書】家族のために死亡保障を準備するための入門書
【まとめ】加入しないでください。
変額保険は生命保険と投資信託が合体したものですが、日本のコスパの悪い生命保険にコストを払うのが勿体ないです。確かに「世界株式プラス型」や「外国株式プラス型」の運用成果は年間12%以上と素晴らしいのですが、それに投資するためにわざわざユニットリンクを契約する必要はないでしょう。
また変額保険は運用成果によって解約返戻金が変動する投資性の強い商品なので、一概に他の商品と比べることができません。ただこの手の商品は投資先次第なのに、10種類しか投資先がない上に、ハイイールド債、ハイテク株、インフラ株、水関連株などのテーマ株もないから、長期で運用してくプラットフォームとして欠陥があります。
そしてアドバイザーがいなくて、投資先を自分で決められますか?
販売してる保険募集人も、投資とか運用なんてほとんど理解してないまま販売をしているのが現状です。
さらに、多くの方が貯蓄を目的に変額保険を契約されると思いますが、生命保険と投資信託を合体させた商品だと、死亡保障コストが掛かってしまうので「殖やす」という目標達成を遅くしてしまうだけです。死亡保障の付いていない金融商品で積立をしましょう。
既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?
契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。
※直接相談(無料)
まとめ
- 加入するのはやめよう
- 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
- 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(終身保険や変額保険はしないで)
また教育資金準備や貯蓄だけが目的の方は、下記の入門書も一読ください。
※【入門書】公的年金に依存しない自分年金を準備するための入門書
※【入門書】子供のためにベストな学資保険に入るための入門書
著者プロフィール
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大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。
外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランコンサルタントとして6年3ヶ月勤務。
また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。
そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。
クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。
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