投資信託の信託報酬は安いほど良いのですか? 

こんにちは、K2 College大崎です。

モーニングスターの注目トピックに「投資信託の信託報酬」についての記事がありました。

以下に引用しますが、まさにその通りです。

「長期投資には、ファンドの運用コスト(信託報酬率)は低い商品を選ぶことが鉄則」という主張が強調されている。信託報酬とは、ファンドを保有している残高に応じてかかる手数料で、ファンドを保有している限り徴収される手数料だ。

ただ、信託報酬は単純に「安い方が良い」とは言い切れない。

運用する内容(中身)が同じか、ほとんど変わらないのであれば、コストが安い方が良いですが、たとえコストは高くても、そのコストの差以上に高いリターンを得られるのであれば、実質リターンが高い商品を選択するのが経済合理的に正しいでしょう。

しかし、残念ながら、経済合理的に正しくない行動をする方が少なくないのです。

ひとつの要因として、「ファンドの運用コスト(信託報酬率)は低い商品を選ぶことが鉄則」というような言葉を様々な場面で目にしたりするので、それが正しいと思い込んでしまうのではないでしょうか。

その一部分だけで見れば正しいとも言えますが、きちんと文脈まで読まなければ正しい判断はできません。

別の記事で、国内株式ファンドの手数料控除後のリターンを検証しておりましたので、その図表も掲載します。

確認いただくと、対象がアクティブファンドであっても、パッシブファンドであっても、長期保有するほど、コストがリターンに与える影響は小さくなっていきます

そして、アクティブファンドの場合においては、運用3年までは、購入手数料無料の「ノーロード投信」の平均リターンよりも、ノーロード投信以外の平均リターン(購入手数料控除後)の方が高くなっております。

これはひとつの国内株式投資信託の例ですが、コストが単純に安いというだけで商品を選ぶのではなく、コストを加味した上で、リターンが高い商品を選択されるようにした方が宜しいかと思います。

資産を増やしたいならば、実質リターンで考えましょう。

最後に、再度、トピックの記事から引用しておきます。

もっとも、運用会社がいくら努力しているといっても、パフォーマンスが伴っていなければ信託報酬を払い続ける理由にならない。結局は、信託報酬はサービスに対する対価である。サービス内容に満足できない場合は、そのファンドを継続して利用することをやめて、他の優れた実績を残しているファンドに乗り換えることを考えたい。

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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