iシェアーズ米国国債20年超ETF (TLT) 〜ブラックロック

こんにちは。K2 College大崎です。

世界的な株安が続いておりますが、分散投資はできておりますでしょうか?

そこで今回は「iシェアーズ米国国債20年超ETF (TLT)」について解説します。

  • 動画解説
  • 「TLT」は様々な投資戦略を取ることができる
  • 株式とは逆相関にあり、ポートフォリオ全体のリスクを低減する効果がある
  • 長期国債だからキャピタルゲインも大きくなる

動画解説

「TLT」は様々な投資戦略を取ることができる

米国の長期国債に投資するETF(上場投資信託)で、20年以上の残存期間を持つ米国財務省証券(国債)を投資対象にしています。

<主な特長>

・長期投資
TLTの投資対象は米国財務省が発行する長期国債です。
米国政府は非常に高い信用力を持っており、米国政府が債務不履行(デフォルト)になる可能性は極めて低いと考えられております。

・安定した収益
長期国債は定期的な利払い(クーポン)があるため、投資家は一定の収益を見込むことができます。これにより、株式などのリスク資産のボラティリティ(価格変動)を緩和する効果があります。

・リスク分散
長期国債(債券)に投資しているため、株式やその他のリスク資産とは異なる動きをすることが多いです。特に株式市場が不安定な時期には、安全資産とされる国債への需要が高まり、国債価格が上昇する傾向があります。このため、株式と国債は逆相関の関係にあることが多く、ポートフォリオ全体のリスクを低減する効果があります。

・インフレと金利のヘッジ効果
長期国債はインフレや金利変動に対するヘッジ効果を持つことがあります。
例えば、インフレが低い状況では長期国債の実質利回りが高くなり、金利が低下する局面では、既存の長期国債の価格が上昇するため、キャピタルゲインを狙うこともできます。

このETFには、いろんな特長があるのですね。

そうですね。
このETFをポートフォリオに加えることで、様々な投資戦略が取ることができます。

株式とは逆相関にあり、ポートフォリオ全体のリスクを低減する効果がある

TLTは、株式市場が不安定な時期には安全資産とされる国債への需要が高まり、国債価格が上昇する傾向があるため、ポートフォリオ全体のリスクを低減する効果があると前述しましたが、ここ最近の世界的な株安においても、分散効果が効いております。

S&P500に連動するファンドなどの株式だけで運用している方は騒いでいるようですが、ある程度の割合のTLTがポートフォリオに入っている投資家は、資産の減少はない、もしくは抑えられております。

以下は、S&P500指数とTLT設定(2002/07/22)来の基準価額の比較ですが、

S&P500指数が下落したタイミングでTLTは上昇していることが多く、分散効果が効いていることがわかります。

なお、2022年は株式と債券の分散効果が効かなった理由は、世界の主要中央銀行が急激な利上げを続けたために債券の利回りが上昇し、債券価格が下がったからです。

オルカンで分散投資をしているという投資家もいますが、分散投資はこういうことを言うのですね。

分散投資といっても様々ですからね。
ただ、オルカンは100%株式に投資してますから、今回のような世界的な株安には分散効果は効かないですね。

長期国債だからキャピタルゲインも大きくなる

債券には金利変動に対するヘッジ効果がありましたね。

そもそも「金利」と「債券価格」はシーソーの関係と言われており、以下のような関係となります。

金利が上がると債券価格は下がり、金利が下がると債券価格は上がる

そして、FRBは現在5.25%〜5.5%の政策金利を、9月18日のFOMCで利下げするとみられておりますから、債券価格は上昇すると考えられます。

以下は、FOMCが政策金利を変更する確率について、市場が予測しているツールですが、9月18日のFOMC以降も、利下げは続くと考えられております。

ということは「金利が下がると債券価格は上がる」わけでしたから、債券価格の上昇が期待できますよね。

そして「金利」と「債券価格」のシーソーの関係には、もう1点覚えておいて欲しいことがありまして、

それは、残存期間の短い債券よりも、残存期間の長い債券の方が価格変動の幅が大きいということす。

下図は、残存期間の短い債券(短期債)と長い債券(長期債)を比較した図です。

残存期間が長い債券の方がシーソーの長さが長いですし、金利の上昇に対して債券価格が下落する幅も大きいですよね。

それで何が言いたいかというと、

TLTは20年以上の残存期間を持つ米国財務省証券(国債)を投資対象にしているETFでした。

残存期間が長い債券(長期国債)ですから、
金利の低下に対して債券価格が上昇する幅も大きくなる
ということです。

まさに、これから利下げが続くと考えられているタイミングにおいては、大きなキャピタルゲインが見込めますね。

そうですね。
ただ、インフレが再燃して、また金利が上昇するようなことがあれば、価格が下落するリスクもありますので、覚えておいてくださいね。

まとめ

  • TLTは米国財務省が発行する長期国債
  • インカムゲインを得られ、キャピタルゲインも狙うことができる
  • 長期国債だからキャピタルゲインも大きくなる

世界的な株安が続いておりますが、分散投資はできておりますでしょうか?

投資家それぞれの状況に合わせたアドバイスをいたします。
相談を希望される方は、こちらからご連絡くださいませ。

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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