こんにちは。K2 College大崎です。
今回は、日興アセットマネジメントが11月12日に設定する、米国の中小型株市場の値動きに連動する投資成果を目指すTracers S&P1000インデックス(米国中小型株式)について解説します。
- 動画解説
- Tracers S&P1000インデックス概要
- S&P1000指数はS&P500指数を上回って推移している
- 構成銘柄
動画解説
Tracers S&P1000インデックス概要
・米国に上場する中小規模の企業1,000銘柄の株価動向を示す指標である「S&P1000指数(税引後配当込み、円換算ベース)」の動きに連動する投資成果をめざす。
・S&P1000指数は、米国の金融商品取引所 に上場している株式のうち、中型株式400銘柄および小型株式600銘柄を合わせた1,000銘柄で構成。
・S&P1000指数は構成銘柄の浮動株調整後の株式時価総額を加重平均して算出され、年4回構成比率の調整が行なわれるほか、構成銘柄の変更は必要に応じて実施される。
・少額投資非課税制度(NISA)の「成長投資枠」対象ファンド
多くの一般投資家が投資しているS&P500は米国に上場する大企業約500銘柄をカバーしておりますが、S&P1000指数は、中型株約400銘柄と小型株約600銘柄の約1,000銘柄をカバーしております。
S&P1000指数は、米国株式市場を代表する大企業をカバーするS&P500指数に比べて銘柄数は2倍ですが、時価総額は1/10以下となっております。
しかしながら、創業期や発展期にある中小型株式の中には、急速な成長を遂げる企業も存在しますので、今後の成長が期待できるということですね。
S&P1000指数はS&P500指数を上回って推移している
ファンド資料によると、S&P1000指数は長期的にはS&P500指数を上回って推移しております。
しかしながら、リターンは切り取る期間によっても異なりますし、販売したいファンドに有利な期間で比較することが多いので、検討しているファンドがあれば、自分で比較するようにしましょう。
ということで、S&P1000指数とS&P500指数に投資をする 「SPY」、それに加えて米国の全株式市場(約4,000銘柄)を対象に投資をする「VTI」 、約2,000銘柄の小型株に投資をする「IWM」でトータルリターンを比較してみました。
なお、「S&P1000指数」に直接投資できるETFはないので、S&P SmallCap600指数に連動するETF 「IJR」、S&P MidCap400指数に連動するETF「IJH」で比較しています。
「IJR」と「IJH」を合わせた指数が「S&P1000指数」ですので、そちらの数値で比較できるものを掲載しようかとしたのですが、運用期間がきちんと設定されなかったのと、他のETFも掲載したかったので、この比較方法にしました。
ただ、トータルリターンの比較を見ていただくと、他のETFに対して「IJR」と「IJH」が抜きん出ているのが確認できるかと思います。
ここを見てもS&P500指数よりもS&P1000指数の方がトータルリターンは高いということがわかりますね。
なお、それぞれのETFの設定は「SPY」が1993年1月、「VTI」が2001年5月、その他は2000年5月ですので、比較開始期間は2000年5月からとしております。
S&P1000指数とS&P500指数を比較したファンド資料の期間も1999年1月からとなっておりましたので、比較期間はほぼ同じですね。
構成銘柄
「Tracers S&P1000インデックス(米国中小型株式)」の設定は11月12日で運用はこれからですが、2024年8月末時点の構成上位10銘柄と業種別構成比率は以下となっております。
S&P500指数の上位10銘柄と比べると知らない企業が多いのではないでしょうか。
S&P500は米国に上場する大企業で構成されているのに対し、S&P1000は中小企業で構成されておりますから、特に日本人は知らないですよね。
また業種別構成比率においても、S&P1000はS&P500と比べると、「情報技術」が約1/3、「資本財・サービス」が約2倍となっているなど、大きく異なります。
なお、ここ10年、S&P500のリターンが良かったのは、構成比率の約30%を占める情報技術やコミュニケーション・サービスといったセクターの調子が良かったからであり、
また、S&P500の上位10銘柄の比率は34.2%(2024年8月末現在)もありましたので、その集中投資の結果であるということも覚えておくと良いでしょう。
ちなみに、同時期におけるS&P1000の上位10銘柄の比率は4.4%です。
まとめ
- Tracers S&P1000は中小型株1,000銘柄に投資するファンド
- この20年、S&P1000のリターンはS&P500を上回って推移している
- 今後10年は大型株よりも小型株の方がリターンが高くなる(バンガード予想)
著者プロフィール
-
投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
最近の投稿
この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/25865/trackback