なぜ「eMAXIS Slim」シリーズは運用コストが安いのか

こんにちは。K2 College大崎です。

昨日の日本経済新聞に「投信の資金流入額、三菱UFJ国際が首位奪還」との記事が出ておりました。

  • 動画解説
  • 強い「eMAXIS Slim」シリーズ
  • 「eMAXIS Slim」シリーズの運用コストが安い理由
  • コストにこだわるならば、なぜ拘わらないのか

動画解説

強い「eMAXIS Slim」シリーズ

国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETFを除く)の資金動向を運用会社別に集計したところ、6月は三菱UFJ国際投信の資金流入額が1734億円となり、5月の3位後退からトップに返り咲いたとのことです。

4月の資金流入額トップも三菱UFJ国際投信で、それまでも12カ月連続とのことでしたから強いですね。

資金流入額トップをずっと続けているとは凄いですね。

確かに凄いですね。

しかしながら、その分、ファンド本数も多く出してます。
ファンド1本あたりで見ると、ゴールドマンや楽天の方が生産性は高いということになりますね。

どうして三菱UFJ国際の投資信託はこれほど資金流入額が多いのでしょう。

理由はいろいろあるかと思いますが、運用コストが安いからでしょう。

コストが安いからという理由で紹介しているインフルエンサーは多いですし、人気が出て売りやすいから販売員も紹介する。この相乗効果で資金流入が続いているかと思います。

三菱UFJ国際の投資信託は、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトで「eMAXIS Slim」シリーズという投資信託を発売しておりますが、その商品ラインナップは13ファンドまでに拡大し、純資産総額は今月5兆円を突破したようです。

以下は「eMAXIS Slim」シリーズの商品ラインナップですが、「米国株式(S&P500)」「全世界株式(オール・カントリー)」の純資産総額がダントツですね。

これらもよく紹介されているのを目にしますね。

「eMAXIS Slim」シリーズの運用コストが安い理由

どうして「eMAXIS Slim」シリーズは運用コストが安いのでしょうか。

まず前提ですが、投資信託は、購入時に「購入時手数料」を販売会社へ、運用期間中は「運用管理費用(信託報酬)」などの運用コストを運用会社等に支払わないといけません。

しかし、最近では購入時手数料が無料という投資信託も増えてきており、他の商品と差がつくのは「運用管理費用(信託報酬)」となります。

その「信託報酬率」が「eMAXIS Slim」シリーズは安いのです。

例えば、S&P500に連動するインデックスファンドで説明すると、一般的に日本で販売しているS&P500インデックスファンドは、海外の運用会社のETFを売買しているものがほとんどです。

そのため、海外の運用会社やETFの売買にも手数料を支払わないといけません。

それが「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の場合、直接、米国市場で企業の株を売買して運用しているために海外の運用会社やETFに費用を支払う必要がなく、その分コストを抑えることが可能になりますから、信託報酬率を低く抑えることができているのです。

コストにこだわるならば、なぜ拘わらないのか

ただ、それでも「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の信託報酬率は年率0.09372%ですが、ETFの「FXAIX」であれば0.015%、「VOO」であれば0.03%です。

そして、これらのETFは個人投資家でも購入できます。

それならば、個人投資家はどうして「VOO」などで運用しないのでしょうか。

最近は「VOO」で運用する方も増えてはいるようですが、単純に知らないからでしょうね。

インフルエンサーが知らないから紹介できない。
販売会社も信託報酬率が安くて利益にならないから販売しない。

ちなみに、楽天証券も「楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド)」という全米約4,000社に投資するファンドを出しており、こちらのファンドも人気があるファンドですが、その信託報酬率は0.162%です。

それに対して、本家本元の「VTI」は0.03%。
5倍以上の差がありますから、わたくしは「VTI」に投資します。

それに投資信託はETFと異なり、購入・売却注文が成立する約定日は翌日になってしまい、いくらで売買できたかわかりませんし。

まとめ

  • 同じ指数に連動するインデックスファンドで運用するならば運用コストは安い方が良い
  • 「eMAXIS Slim」シリーズは運用コストが安いから資金流入額が多い
  • 大切なのはコスト?「どれだけ儲かるか」でしょう

みんなが投資しているからという理由でファンドを選んでおりませんでしょうか?

投資しているファンドが自分に合っているか確認したい方は、こちらからご相談ください。

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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