こんにちは。K2 College大崎です。
その投資スキームがポンジスキームと噂されていたエクシア合同会社(EXIA)が「その活動の全てを終える」ようです。
代表社員の菊地翔氏が会社ホームページでその旨を述べておりました。
- 動画解説
- エクシアの投資スキームとは
- エクシアは本当に利益を上げていたのか?
- 出資金はどれくらい返還されるのだろうか?
動画解説
エクシアの投資スキームとは
エクシアはどのような投資スキームだったのでしょうか?
投資家は、エクシアと合同会社の社員権の取得契約を結び、出資金を払い込みます。
そして、エクシアから分配金や出資金の払い戻しを受け取るというスキームでした。
多数の者から資金調達をする場合、原則、金融商品取引業の登録が必要となりますが、合同会社が自らの資金調達のため、社員権を自ら募集又は私募する行為は、金融商品取引業の登録を受けずに行うことができ、このスキームを利用していたということですね。
しかしながら、2022年9月に金融商品取引法の内閣府令が改正(10月3日施行)され、その取得勧誘に使用人(従業員)を含む、業務執行社員以外の者が関与するときは、当該使用人(従業員)等が行う取得勧誘が業として行うものと認められる場合、金融商品取引業の登録が必要となりました。
なお、会社のホームページでは、投資家から集めた資金はEXIA Private Limited(シンガポール法人)などの子会社へ貸付し、その資金をもとに外国為替証拠金取引(FX)などで運用、子会社から利息として受け取ると説明されておりました。
しかしながら、EXIA Private Limited(2017年1月設立)の2017年と2018年の決算書を見てみると、2年連続の赤字(Total deficit)を計上しており、債務超過になっていることが確認できます。
エクシアは「ポンジスキーム」だったのでしょうか?
エクシアのスキームが「ポンジスキーム」だったかどうかはわかりません。
ただ、お金の流れがわかる会社資料が出てこないので、そう疑ってしまう方が多いようです。
「ポンジスキーム」については、こちらの記事で解説しておりますので参考にしてください。
エクシアは本当に利益を上げていたのか?
運用主体のはずのシンガポール法人がそのような状態なのに、エクシアは2017年〜2020年でそれぞれ43.89%、44.04%、35.33%、38.30%の利回りを叩き出しているようですね。
実際のところはわかりませんが、東京商工リサーチによると、エクシアの純資産は2017年度は9億8,304万円だったものが、2018年度は28億1,083万円、2019年度は88億8,849万円と急拡大しておりました。
通常であれば、これがシンガポール法人から受け取った利息となると思いますが、シンガポール法人の状態は先述したとおりですから、この利益は一体どこから来たのかと考えてしまいます。
また、エクシアは2020年10月にOKWAVE(オウケイウェイヴ)から暗号資産交換業のLastRoots(エクシア・デジタル・アセット)の株式を2億2,600万円譲り受けており、
エクシアはこの時期、EXIA Private Limitedへの貸し付けスキームから、エクシア・デジタル・アセットやエクシア・アセット・マネジメントなど国内外の事業者への出資と不動産事業や国内外の事業への融資にシフトしたようです。
しかしながら、エクシア・デジタル・アセットは4期連続の赤字、エクシア・アセット・マネジメントも2021年にはマイナス1億円を超える債務超過に陥るような状態となっておりますから、エクシアが公表している利益はどこから来ているのかは不明です。
出資金はどれくらい返還されるのだろうか?
エクシアのスキームは、投資家がエクシアと合同会社の社員権の取得契約を結んで出資金を払い込み、エクシアから分配金や出資金の払い戻しを受け取るというものだと先述しましたが、
2021年10月くらいから出資金の払い戻しが増加し、2022年4月には「今月の評価額返還上限額到達のお知らせ」と題したIRを発表し、払い戻しが出来ないことを発表しております。
どうして払い戻しが出来なくなったのでしょうか?
実際のところはわかりませんが、エクシアによると「事業計画に沿った資金管理」以上に出資金の払い戻しが増加したからとのことです。
公表されている利回りで運用できていれば、出資金の払い戻しに応じるのは難しくないようにも思えますが、それほど払い戻し請求が多かったのでしょうね。
代表社員の菊地翔氏も会社ホームページでこのようにコメントしております。
出資の払戻しに柔軟に対応できる設計は、諸刃の剣ともいうべきもので、払戻請求が多過ぎればエクシアは当然停止に追い込まれてしまう性質と不可分です。
なお、出資金の勧誘方法が暴露されておりましたが、それによると投資家から集められた出資金から毎月運用成績の15%が幹部に支払われ、そのうち5〜10%程度が紹介者に支払われるスキームだったようです。
運用益から支払われているのであれば問題ないかと思いますが、ナンバー2の関戸氏が自身の2020年3月の給与明細を2億7,103万7,786円と公開しておりましたが、かなりの高収入を得ていたようですね。
このような高額な給与が問題視されており、ポンジスキームによる詐欺なのではないかという疑いが持たれ、2022年4月以降、エクシア合同会社を相手取った「損害賠償請求」や「出資金返還」などの民事訴訟が立て続けに提起されております。
現在、訴訟数は73件(判決は40件)にもなるようです。
エクシアに対してはかなり支払い命令が出ておりますが、2023年11月には菊地氏に対しても初の賠償命令が出たようです。
なお、裁判関連については、こちらから確認できます。
そして、2022年9月には金融商品取引法の内閣府令が改正(10月3日施行)されて、以前のスキームが利用することができなくなりましたが、これで投資家から出資金を集めることができなくなったわけです。
また、エクシアはEXIA Private Limitedへの貸し付けスキームから、エクシア・デジタル・アセットやエクシア・アセット・マネジメントなど国内外の事業者への出資と不動産事業や国内外の事業への融資にシフトしたとお伝えしましたが、
エクシア・デジタル・アセットは関東財務局から業務停止命令を受け(2022年11月30日)、「業務継続に必要な運転資金が不足する事態となっている」ようで、取締役を含む社員が退去するようになったとのこと。
累計で723億円(2022年11月時点)まで集めた出資金は、どれくらい返還されるのでしょうか?
まとめ
- 投資家は出資金を払い込み、エクシアから分配金や出資金の払い戻しを受け取るスキーム
- シンガポール法人での運用実績は確認できない
- 出資金返還の支払い命令が出ているが、どれくらい返還されるかは不明
投資家それぞれの状況に合わせたアドバイスをいたします。
資産運用相談を希望される方は、こちらからご連絡くださいませ。
著者プロフィール
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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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