総論:復路は年齢ではなく「構造」で決まる
多くの人は「60歳になったら」「退職したら」復路だと考えます。
しかし実際には、年齢と復路はほぼ無関係です。
復路に入ったかどうかを決めるのは、次の一点です。
「自分が働かなくても、資産が生活を支え始めたか」
これが成立した瞬間から、その人の人生は構造的に復路に入っています。
逆に言えば、70歳でも資産がなく、労働収入に依存していれば、人生はまだ往路です。
本稿では、
• 往路とは何か
• 復路に入ったと判断できる定量基準
• 年齢別・資産別の現実ライン
• 復路で“減らさずに使う”ための運用前提
を順に整理します。
- 人生の「往路」とは何をしている期間か
- 復路に入ったと判断できる「明確な基準」
- 年齢別に見る、現実的な復路突入ライン
- 復路で「お金を使える人/使えない人」の違い
- 「使いながら減らさない」ための現実的運用前提
人生の「往路」とは何をしている期間か

往路とは単に「若い時期」ではありません。
お金の観点で言えば、往路とは次の状態です。
• 生活費の主源泉が労働収入
• 収入が止まれば、生活も止まる
• 資産は「安心材料」ではなく「未完成の準備段階」
つまり、自分の時間を切り売りしてキャッシュフローを作っている状態です。
この期間にやるべきことは明確で、3つしかありません。
1. 人的資本の最大化
スキル、経験、信用、判断力
2. 生活コスト構造の把握
「最低限」「快適」「贅沢」の3段階を数値化
3. 資本への変換
余剰キャッシュを金融資産・事業・不動産に移す
往路で失敗する人の多くは、
• ①を磨かず
• ②を把握せず
• ③を「いつかやる」で終わらせる
結果、年齢だけが進み、構造は一切変わりません。
復路に入ったと判断できる「明確な基準」

復路に入ったかどうかは、感覚ではなく数式で判断できます。
基本式
保有資産 × 現実的運用利回り ≥ 年間生活費
これが成立した瞬間、その人は復路に入っています。
例
• 年間生活費:600万円
• 現実的運用利回り:4%
必要資産は
600万円 ÷ 0.04 = 1億5,000万円
この1億5,000万円が、
**「使いながら減らさない最低ライン」**です。
重要なのは、
• 楽観的な8%ではなく
• 税引後・インフレ控除後の現実的利回りで考えること
復路とは「資産を減らす覚悟を持つこと」ではなく、
**「減らさずに使える構造を持つこと」**です。
年齢別に見る、現実的な復路突入ライン

では、年齢ごとにどのくらいが現実的なのか。
30代
• 往路ど真ん中
• 復路に入る必要はない
• ただし「復路の設計図」は完成させる時期
目標:
• 純資産:2,000万〜5,000万円
• 目的:将来の複利を“働かせ始める”
40代
• 分岐点
• 往路を続けるか、復路への滑走路に入るか
目標:
• 純資産:5,000万〜1億円
• 副次的収入(配当・事業・不動産)が生活費の30〜50%
ここで構造を作れなければ、
以降は往路が長期化します。
50代
• 構造完成の最終期限
• ここで完成していれば、年齢に関係なく復路
目標:
• 純資産:1億〜2億円
• 労働は「選択制」
60代以降
• 年齢的復路ではなく、構造的復路かどうかが全て
• 資産が足りなければ、延長戦の往路
復路で「お金を使える人/使えない人」の違い

同じ資産額でも、
復路を楽しめる人と、使えない人がいます。
違いは明確です。
使えない人
• 元本を神聖視する
• 数字ではなく感情で不安になる
• 運用を理解していない
使える人
• 生活費と資産運用を切り分けている
• 年単位・世代単位で考える
• 資産は「道具」だと理解している
復路に入ると、お金の役割は変わります。
• 往路:増やすための手段
• 復路:時間・自由・選択肢を買うための手段
この意識転換ができない限り、
資産がいくらあっても復路は始まりません。
「使いながら減らさない」ための現実的運用前提

復路で重要なのは、派手さではなく安定性です。
現実的な前提は次の通り。
• 名目利回り:5〜6%
• 税引後・インフレ控除後:3〜4%
• 年間取り崩し率:3〜4%以内
この範囲であれば、
• 資産寿命は事実上無限
• 市場変動にも耐えられる
ポイントは、
「資産全体を売却して使う」のではなく、
キャッシュフロー化された部分から使うこと。
これができている人は、
市場が荒れても心理的に崩れません。
早く復路に入れるように積立投資を継続していきます。
積立投資は継続していけばいいのですが、ある程度まとまった資金になれば、もっと効率良く運用できるものにシフトしましょう。
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まとめ:復路は「ある日突然」ではなく「設計された結果」
人生の復路は、年齢や退職イベントでは始まりません。
• いつまで稼ぐか
• いくら必要か
• どの利回りで回すか
• どの水準で使うか
これらを事前に数式で設計した人だけが、静かに復路へ入る。
多くの人は、
「まだ早い」「もう少し貯めてから」と言い続け、
気づけば往路のまま人生を終えます。
復路とは、
お金を使える状態になることではなく、
使っても壊れない構造を持つこと。
そこに至るかどうかは、
年齢ではなく、
今日どんな判断を積み重ねるかで決まります。
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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