海外積立投資は、本来、長期・低コスト・分散を前提に設計されるべき金融行為である。しかし、日本人向けに展開されてきた海外積立の現実は、投資というよりも紹介ビジネスの都合を最優先に設計された販売モデルだった。
その象徴が、
「2年だけ頑張って積み立てれば、あとはやらなくていい」
というフレーズである。
この言葉がどれほど多くの日本人を誤った構造に押し込み、結果として海外積立難民を生み出してきたのか。本稿では、感情論ではなく、仕組みとして何が起きていたのかを分解し、最後に現在進行形で進化している「自社専売モデル」までを整理する。
- 香港IFAと日本側紹介者による「役割分業」の完成形
- 「2年だけ頑張れ」というゴミトークの正体
- Canaccord等を使った「二重・三重コミッション」の罠
- ネットワーク化された海外積立ネズミ講
- Metis、そしてAthena Bestに行き着く「自社専売モデル」
香港IFAと日本側紹介者による「役割分業」の完成形

この問題の出発点は、香港IFA単体ではない。
実態は、香港IFAと日本側紹介者(ネットワーカー)による役割分業である。
• 香港IFA:
名義上のアドバイザー。契約主体、書類、商品説明の“表の顔”。
• 日本側紹介者:
実際の集客、勧誘、口コミ展開の担い手。
問題は、日本側紹介者の多くが金融の専門家ではなかったことだ。彼らの関心は、投資の成否ではなく、
• 初期コミッション
• 自己契約
• 知人・友人の契約
に集中していた。
この役割分業により、「投資判断の責任」は宙に浮き、誰も長期結果に責任を持たない構造が完成する。
「2年だけ頑張れ」というゴミトークの正体

海外積立における最大の罪が、この言葉だ。
「最初の2年だけ頑張って積み立てれば、
あとはやらなくていい」
これは投資助言ではない。
コミッション構造を投資家向けに翻訳しただけのセールストークである。
• 初期1〜2年にコミッションが集中
• その後、紹介者は投資家に関心を持たない
• 投資家は「もう終わった」と誤解する
結果として、
• 初期ユニットだけが残り
• 累積ユニットが育たず
• 長期で見れば増えない
という、構造的に詰んだ契約が量産される。
Canaccord等を使った「二重・三重コミッション」の罠

さらに悪質なのが、ファンド選定による二重取りである。
多くのケースで使われたのが、Canaccord をはじめとする、
信託報酬の中に“残存コミッション”が組み込まれた商品だ。
これにより、
• 積立ラッパーからのコミッション
• ファンドに内包された報酬
が同時に発生する。
投資家は知らない。
しかし販売側にとっては、
「この商品に入れておけば、
契約後もずっと金が落ちてくる」
という、極めて都合の良い設計だった。
ネットワーク化された海外積立ネズミ講

この仕組みは、やがてネットワーク化する。
• 自己契約を作る
• 知人に勧める
• その知人がまた紹介者になる
という連鎖が生まれ、
投資を装った紹介ヒエラルキーが形成された。
特徴は明確だ。
• 上に行くほど何もしない
• 下に行くほど負担が重い
• 投資結果に誰も責任を取らない
ここで売られていたのは、投資商品ではない。
「海外投資をやっている自分」という物語だった。
Metis、そしてAthena Bestに行き着く「自社専売モデル」

この紹介ビジネスが行き着いた先が、内製化と専売化である。
まず登場したのが、プラットフォームを内製化し、
ラッパー・中身・手数料の流れを囲い込むモデル。
それが Metis に象徴される流れだ。
そして次の段階が、
Athena Best のように、別会社を作り、自分たち専用の商品を作り、
自分たちしか売らないモデルである。
これはもはや、
• アドバイスする側
• 商品を作る側
• 売る側
が完全に同一という構造だ。
投資家にとっては、
• 比較できない
• 逃げ場がない
• アドバイザー変更=商品否定
という、最悪に近い環境が完成する。
完全に洗脳で利益を総取りできる仕組みですね。
手数料だけ根こそぎ取られて、投資先も少なく大した成績もでないような所ばかりです。もし契約されている方は、そのような環境から脱出する必要があります。
弊社では国内、海外問わず、クライアントの資産状況やお考えに沿ったアドバイスをしています。アドバイスをご希望でしたら、下記のヒアリングシートに現在の状況やお考えを入力してください。
※投資ヒアリングシートはこちら(無料)
まとめ
海外積立投資が日本で歪んだ理由は、商品ではない。
紹介システムそのものにある。
• 「2年だけ頑張れ」という嘘
• コミッション優先のファンド選定
• ネットワーク化された無責任構造
• 内製化・専売化による総取りモデル
これらが重なり、
海外積立は投資ではなく、紹介ビジネスとして消費された。
その結果が、いま目の前にある
海外積立難民だ。
本来、海外積立は、
• 思考停止を前提にせず
• 一任に逃げず
• 毎年判断する
という条件を満たせば、機能し得る。
だが、それは
「2年だけ頑張れ」モデルの完全否定からしか始まらない。
まずは、この仕組みの正体を正確に理解すること。
それが、再出発の最低条件である
著者プロフィール

-
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
最近の投稿
コラム2026年1月29日AI時代の雇用変容と人員整理 ── 米国・日本企業の現状と数字で見る実態
コラム2026年1月28日なぜ知性も資産もある親ですら、「お受験」という空虚な成功モデルに囚われ続けるのか
コラム2026年1月28日なぜ保険屋は投資を語れないのか──試算表依存が生む構造的欠陥
コラム2026年1月27日東大信仰が生み出す日本型ヒエラルキー社会と、そこから逃れられないサンクコスト構造
この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/35575/trackback




















