現代のインターネット空間は、もはや「情報の海」ではなく、「ノイズの沼」と化している。検索結果を開けば、薄っぺらなまとめ記事、AIで量産された中身のない文章、広告収益目的の釣りタイトル、意図的な誤情報、感情を煽る扇動コンテンツが溢れ返っている。SNSも同様だ。真偽不明の噂話、切り取られた発言、誇張された炎上ネタが瞬時に拡散され、人々の思考は短絡化し、極端化していく。
こうした環境の中で、企業は必死に「ブランドイメージ」「商品イメージ」を守ろうと火消しに走る。しかし、その火消しもまた、往々にして本質を伴わない表面的な対応に終始し、結局は「別のゴミ」を上塗りしているに過ぎないケースが多い。
そしてAIの登場によって、この構図は決定的に変わりつつある。AIは感情に左右されず、論理性・整合性・事実関係を高確率で評価できる。結果として、ゴミはゴミとして、歪んだ論理は歪んだものとして、容赦なく識別されるようになった。
今、私たちは「情報の民主化」ではなく、「知性の分断」が進行する時代に突入しているのである。
- AIは「情報の選別者」として機能し始めた
- 理解できる人間と理解できない人間の分断
- 企業はAIには通用しない「ゴミマーケティング」に固執する
- フェイクニュースと誇大広告は「必要悪」ではなく「依存症」である
- 知性を持つ者だけがアクセスできる「静かな知の領域」
AIは「情報の選別者」として機能し始めた

かつて、情報の価値は「どれだけ拡散されたか」「どれだけ話題になったか」によって決まっていた。検索順位、フォロワー数、いいね数が信頼性の代理指標として機能していた時代である。
しかしAIの普及によって、この基準は根本から崩れ始めている。
AIは、
・論理構造の破綻
・事実との不整合
・根拠のない断定
・循環論法
・感情誘導的表現
といった要素を極めて高精度で検出できる。つまり、従来なら「それっぽく見えた情報」が、機械的にゴミとして分類される時代になった。
これは非常に重要な変化である。なぜなら、AIは「誰にでも迎合する情報」を評価しないからだ。大衆受けを狙った薄い主張や、迎合的なストーリーは、AIの評価軸では価値を持たない。
結果として、AIを介した情報環境では、「論理的であること」「一貫性があること」「構造的に正しいこと」が最低条件となる。感情的な煽りや、雰囲気だけの記事は、最初から相手にされなくなりつつある。
理解できる人間と理解できない人間の分断

AIが情報を選別するようになると、次に起きるのは「受け取れる人間」と「受け取れない人間」の分断である。
AIが提供する情報は、前提知識・論理力・読解力を要求する場合が多い。単純な結論だけを与えるのではなく、「なぜそうなるのか」「どのような構造なのか」を含んだ形で提示される。
これは、知的体力を持たない人間には非常に負荷が高い。
一方で、噂話、陰謀論、極端な二項対立、感情論は、理解コストが低い。考えなくても「信じた気になれる」。そのため、リテラシーの低い層は、依然としてSNSの断片情報に依存し続ける。
結果として、
・AI経由で高度な情報を扱う層
・SNSノイズに浸かる層
が完全に分離していく。
そしてAIは、後者に対して「わざわざ啓蒙しよう」とはしない。合理的に考えれば、理解能力のない相手に説明してもコストに見合わないからだ。AIは効率を最優先する。
つまり、これからの社会では「知らされない人間」が大量に生まれるのである。
企業はAIには通用しない「ゴミマーケティング」に固執する

本来であれば、AI時代において企業は、製品の実質価値、構造的優位性、長期的合理性を磨く方向に進むべきである。
しかし現実は逆である。
多くの企業は、依然として
・誇大広告
・情緒的ストーリー
・曖昧な実績
・権威の借用
・根拠のない「安心感」
に依存したマーケティングを続けている。
なぜか。
理由は単純だ。AIには通用しないが、「考えない大衆」にはまだ通用するからである。
AIは、こうしたマーケティングの虚構性を瞬時に見抜く。しかし企業は、AIに評価されることよりも、「騙せる層」に売ることを選んでいる。
これは倫理の問題ではなく、ビジネスモデルの問題である。低品質商品を高利益で売るには、情報非対称性を維持するしかない。そのためには、大衆の無知が必要なのだ。
結果として、企業は意図的に「低リテラシー市場」に依存し続ける。
フェイクニュースと誇大広告は「必要悪」ではなく「依存症」である
企業やメディアはしばしば、「多少の誇張は仕方ない」「話題性が大事だ」と正当化する。しかし、これはもはや必要悪ではない。完全な依存症である。
フェイクと誇張は、短期的には売上と注目を生む。しかし長期的には、信頼資本を破壊する。
にもかかわらず、やめられない理由は明確だ。
・真実は地味
・構造説明は難しい
・本質は退屈
・嘘は刺激的
だからである。
AI時代において、こうした依存症はますます露呈していく。AIは「刺激」ではなく「整合性」を評価する。結果、嘘に依存した企業やメディアは、AI圏から排除されていく。
だが、彼らは滅びない。なぜなら、騙され続ける層が存在し続けるからだ。
ここに、情報社会の最大の皮肉がある。
知性を持つ者だけがアクセスできる「静かな知の領域」
![知性」とは何か?ニューロロボットの研究者に聞いた、ロボットと人間の境界線|当たり前を考える #3 | 月と窓 ―豊かな未来に、光をあてる。―[関西学院]](https://tsuki-mado.jp/wp-content/uploads/2023/07/32mg_01.jpg)
AI時代の本質は、「すべてが透明化する」ことではない。むしろ逆である。
本当に価値のある情報は、ますます静かな場所に移動していく。
・専門家同士の対話
・構造的分析
・深い哲学的議論
・長期視点の戦略論
こうした情報は、SNSでは拡散されない。アルゴリズム的に不利だからである。しかしAIを介した環境では、こうした情報が正当に評価される。
結果として、
・騒がれないが正しい情報
・目立たないが重要な議論
・売れないが本質的な思想
が、知的上位層の間で循環するようになる。
これは「知の貴族化」とも言える現象である。努力と知性を持つ者だけがアクセスできる領域が形成されていく。
AI時代って、情報が誰にでも開かれる世界になると思っていました。
表層的な情報はそうなりますが、本質は逆で価値の高い情報ほど、騒がれない場所へ移動していきます。投資でも同じことが当てはまります。
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まとめ
AI時代において、インターネット上のゴミ情報と、企業のゴミマーケティングは、もはや偶然の産物ではない。それらは「意図的に維持されている構造」である。
AIは、論理と整合性に基づいて情報を評価する。その結果、本質的に正しい情報は、理解できる人間のもとにだけ届く。一方で、理解しようとしない層は、従来通り噂と誇張の世界に留まり続ける。
企業もまた、AIに評価される道ではなく、騙せる市場に依存する道を選び続けている。誇大広告、感情操作、虚構のストーリーは、もはや時代遅れでありながら、依存症のように使われ続けている。
結果として、社会は「知性による階層化」に向かっている。
・考える者は、より深い世界へ
・考えない者は、より浅い世界へ
この分断は、今後さらに拡大するだろう。
AIは誰かを救済しない。ただ、現実を可視化するだけである。その現実を直視できるかどうか。それが、これからの時代を生きる人間に突きつけられた、最も厳しい問いなのである。
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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