もしイラン戦争が起きたら市場はどう動くのか ― 原油・円・株・金・ビットコインの現実的シナリオ ―

総論:地政学ショックは「金融市場の順番」で起きる

戦争や地政学リスクが発生すると、金融市場はランダムに動くわけではない。 実際には ある程度決まった順番 で資産価格が動く。

典型的な流れは次の通りである。

地政学ショック発生 ↓ ① 原油急騰 ↓ ② 株式市場急落 ↓ ③ 安全資産上昇 ↓ ④ 為替変動 ↓ ⑤ 景気懸念

これは歴史的に何度も繰り返されてきた。

例えば

1979年 イラン革命 1990年 湾岸戦争 2003年 イラク戦争 2022年 ウクライナ戦争

いずれも 同じ順番 で市場が動いた。

もしイランとイスラエル、あるいはイランと米国の軍事衝突が起きれば、金融市場はほぼ同じパターンで反応する可能性が高い。

以下では主要資産ごとに、現実的に起きうるシナリオを整理する。

  • ① 原油価格:最初に動き、最も大きく動く資産
  • ② 世界株式市場:短期的に大きく下げる
  • ③ 円相場:円安が進む可能性
  • ④ 金価格:安全資産の代表
  • ⑤ ビットコイン:新しい「危機資産」

① 原油価格:最初に動き、最も大きく動く資産

原油価格、イラン情勢で緊迫 WTIが64ドル台 ホルムズ海峡に不安

戦争リスクが発生した場合、最初に動くのは 原油価格 である。

特にイランの場合、市場が恐れるのは ホルムズ海峡リスク だ。

ホルムズ海峡の重要性

世界石油輸送 約20%が通過

日本の原油輸入 約80%が通過

つまりここが止まれば 世界のエネルギー供給が止まる。

実際に市場が織り込むシナリオは次の通り。

想定シナリオ

軽度衝突 原油 90ドル → 110ドル

地域戦争 原油 90ドル → 130ドル

ホルムズ海峡封鎖 原油 90ドル → 180ドル

歴史的に見ても、戦争時には原油は 50%〜100%上昇 することが多い。

これは金融商品というより 物理供給ショック だからである。

② 世界株式市場:短期的に大きく下げる

世界株式市場の時価総額が今年約2千兆円増加 – ファイナンシャルニュースジャパン

原油の次に動くのが 株式市場 である。

戦争は

・経済不確実性 ・インフレ ・金利上昇

を引き起こすため、株式市場はまず売られる。

過去のショックを振り返ると次の通り。

主な戦争時の株価

1990年 湾岸戦争 米株 −17%

2001年 9.11 米株 −12%

2020年 コロナショック 米株 −35%

2022年 ウクライナ戦争 米株 −25%

つまり短期的には

−15%〜−30%

の調整は十分あり得る。

特に下げやすいのは次のセクターである。

影響を受けやすい業種

航空 小売 ITグロース 消費関連 半導体

理由は

エネルギーコスト 金利上昇 景気悪化

の三重苦になるからである。

③ 円相場:円安が進む可能性

ドル円相場「いずれ200円」説も飛び出す円売りトレンド、円安「5つの根拠」の真偽 | 政策・マーケットラボ | ダイヤモンド・オンライン

通常、戦争などの危機では 円高 になると言われてきた。 しかし現在の日本では事情が変わっている。

理由は エネルギー輸入構造 である。

日本は

原油輸入 約90%

天然ガス ほぼ輸入

という国である。

そのため

原油高 ↓ 輸入増加 ↓ ドル需要増 ↓ 円安

という流れになりやすい。

現実的な為替シナリオは次の通り。

現在 150円

軽度戦争 160円

中東全面戦争 170円

エネルギーショック 180円

つまり戦争は

円高ではなく円安

を引き起こす可能性がある。

④ 金価格:安全資産の代表

金」価格高騰 過去最高額の2万3370円に 盛んな取引の一方、仏具店にも影響 大分 | TOSオンライン

戦争が起きると、必ず買われる資産がある。

それが 金 である。

金は

国家信用 中央銀行 通貨

のいずれにも依存しない資産だからである。

歴史的に見ても

戦争 金融危機 通貨危機

の時には必ず上昇している。

過去の動き

2008年 金融危機 金 約2倍

2020年 コロナ 最高値更新

2022年 戦争 急騰

現在の金価格を仮に

2000ドル

とすると、戦争時には

軽度衝突 2200ドル

地域戦争 2500ドル

中東全面戦争 3000ドル

というシナリオも十分あり得る。

⑤ ビットコイン:新しい「危機資産」

ビットコイン「倍々ゲーム」続くか 25年20万ドル予想も - 日本経済新聞

近年の市場で特徴的なのは、戦争や通貨危機の時に ビットコインが動くこと である。

理由は次の3つ。

国家に依存しない 供給量が固定 送金が自由

つまり

デジタル版の金

のような役割を持つ可能性がある。

実際に

2022年 戦争 ビットコイン急騰

2023年 銀行危機 ビットコイン急騰

という動きが起きている。

ただしビットコインは金よりもボラティリティが高い。

想定シナリオ

現在 60,000ドル

軽度戦争 80,000ドル

金融危機 120,000ドル

ただし株と一緒に下がる局面もあり、完全な安全資産とはまだ言えない。

ボラティリティが大きいからこそ仕込むメリットもありますね。

まだまだ伸び代はあるので、下がってるタイミングで買付したり、王道の積立でドルコスト平均法を活用しましょう。
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まとめ:戦争は資産価格を大きく動かす

イラン戦争が起きた場合、金融市場の動きはおおよそ次のようになる。

資産ごとの動き

原油 +30〜100%

株式 −15〜30%

円 160〜180円

金 +20〜50%

ビットコイン +30〜100%

そして日本にとって最も重要なのは 原油と円 である。

なぜなら日本は

エネルギー輸入国 資源が少ない国 為替に依存する国

だからだ。

つまり中東戦争は、日本にとって単なるニュースではない。 それは

物価 生活 資産 金融市場

すべてに影響する経済イベントなのである。

もし興味があれば、次にかなり重要なテーマとして

「イラン戦争で最も暴落する可能性がある資産(NISA投資家が集中しているもの)」

を解説できる。 これは今の日本の投資ブームとかなり関係している。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マン、AIが記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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