こんにちは、K2 Collegeの野村です。
今回は、7月30日に日経新聞に掲載されていました「変額保険、三大疾病なら保険料免除 資産形成に特約」について解説しようと思います。保険料払込免除特約って何?という方も含めまして変額保険にご興味のある方は最後まで御覧ください。
- 変額保険に付加できる保険料払込免除特約とは?
- 保険料払込免除特約のデメリット
- (まとめ)保障と運用は分けて考えましょう!
変額保険に付加できる払込免除特約とは?
まずは、変額保険についてですがこちらをご覧ください。
今回は、変額保険で契約者ががん・急性心筋梗塞・脳卒中いわゆる3大疾病に罹るとその後の保険料の払い込みが免除になる(いわゆるP免)というもの。これまで、アクサ生命保険とメットライフ生命保険でそのような特約がありましたが、今回東京海上日動あんしん生命保険(以下、あんしん生命)で8月から特約サービスを開始するそうです。
あんしん生命の特約サービスは、当然ですが保険料が上乗せされます。例えば、30歳男性が保険期間を65歳で満了とし、死亡時の保険金額を1000万円として契約した場合、月払い保険料は19,130円ですが、保険料免除の特約を付けると20,550円となります。
ただ、3大疾病と診断されれば以後の保険料が免除となることは大きい。仮に50歳でがんなど大病にかかると、残りの15年間の保険料は免除され、あんしん生命が自動で積み立ててくれる。大病時に支払いを免除する特約は死亡保険や医療保険では普及していたが、2021年からアクサ生命保険やメットライフ生命保険が導入し始めた。そして、今回あんしん生命が特約サービスを開始したことで他社でも変額保険を扱う保険会社で同様の動きが出てくるかもしれません。
保険料払込免除特約のデメリット
3大疾病と診断されれば、以後の保険料の払込が免除になるというのは一見聞こえがいいですが、果たしてそこまで必要なのでしょうか?実は、この特約を付加することでデメリットもございます。
返戻率が下がる
変額保険は死亡保障+株式や債券で運用する保険なので、もともと保険料の中に死亡保障のコストが含まれているので、保険料全体が運用に回らない。更に、この特約を付加することで毎月数百円であってもその保険料はあくまで「掛け捨て」なので、さらに運用効率が悪くなり結果返戻率も下がります。
支払要件が各社バラバラ
3大疾病と診断されたからといって、すぐに保険料払込免除になるわけではない。
今回のあんしん生命の免除要件に関しては、同業他社と比べハードルが低いと言われている。心疾患や脳血管疾患で5日以上の入院を継続すると保険料を免除となります。一方で、メットライフ生命は20日以上、アクサ生命は5日以上の入院を条件に急性心筋梗塞と脳卒中のみ免除対象にしている。また、がんといっても初期段階のがん(上皮内がん)はP免の対象外であったりします。そのように、免除となる要件は一律ではなく各社バラバラなのがとても分かりづらいので、特約を付加する際にはよく確認する必要があります。
(まとめ)保障と運用は分けて考えましょう!
まとめですが、仮にもし私が変額保険に加入していたとしてP免が付加できるとしても加入しません。
なぜならば、先に述べたとおりですが返戻率が下がり支払要件もバラバラだと言う点です。万が一、保険期間中にそのような事態に陥る可能性よりもそうならない可能性のほうが高いと感じます。
要するに確率論の問題ですが、それであれば「保障」と「運用」はあくまで分けて考える必要があります。例えば、保険料払込免除特約を付加するのではなくその分がん保険の保障を手厚くするなど加入する目的に併せて行くべきだと考えます。
そもそも個人的には、この「変額保険」自体が掛け捨ての生命保険+株・債券での運用というのが「保障」と「運用」が分けられていないので保険として好きではないんですけどw
まとめ
- 変額保険でも保険料払込免除特約は付加できる
- あんしん生命の変額保険でP免サービスが8月からスタート
- 以後の保険料の払込が免除になるというのは一見聞こえがいいですが、デメリットは2つある
- 「保障」と「運用」はあくまで別々に考えよう
今回は「変額保険に保険料払込免除特約って必要なの?」について寄稿しましたがいかがでしたでしょうか?P免ばかりが強調されますが、本来貯蓄性の商品なのにただでさえ掛け捨ての生命保険が上乗せされている「変額保険」。そこにP免特約を付加したら更に返戻率が悪くなります。本来の目的が何なのか?となってしまいます。そこまで死亡保障が必要であれば海外保険で、運用メインであれば海外積立投資で資産形成をしたほうがよっぽど効率的だと思います。
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著者プロフィール
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<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。
その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。
弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。
現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。
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