プルデンシャルが乗合代理店の新会社を設立!〜代理店営業はますます激化〜

こんにちは、K2 Collegeの野村です。

本年も何卒宜しくお願い致します。新年一発目のコラムですが、今回は2023年1月5日に日経新聞の記事に掲載されておりました「プルデンシャルが乗合代理店の新会社 23年4月に開業」について解説していきます。これまでと今後でプルデンシャル生命含めてどのように変わっていくのでしょうか?

  • 「プルデンシャルが乗合代理店の新会社を設立!〜代理店営業はますます激化〜」動画解説
  • プルデンシャル生命とは?
  • コンサルティングセールスで1社専属でのサービスを重視
  • 乗合代理店の新会社という新たな展開へ
  • (まとめ)パイの奪い合い?ライフプランナーはますます厳しい時代

「プルデンシャルが乗合代理店の新会社を設立!〜代理店営業はますます激化〜」動画解説

プルデンシャル生命とは?

会社概要

プルデンシャル生命保険株式会社は、アメリカ最大級の保険・金融サービス機関であるプルデンシャル・フィナンシャルの一員の生命保険会社である。

尚、イギリスの金融グループであるプルーデンシャルと、その傘下にある日本のイーストスプリング・インベストメンツとは関係がない(プルデンシャルはイギリスではPramericaの名称で事業を行う)。

会社設立(日本において):1987年10月1日
資本金:290億円
従業員数:6,728人(2021年度末)
保有契約高:43兆2,580億円(2021年度末)
保有契約件数:445万3,657件(2021年度末)
総資産:5兆7,196億円(2021年度末)

格付情報

S&P:A−(2019年4月現在)
R&I:AA−(2019年3月現在)

ソルベンシーマージン比率

797.0%(2021年度末)

プルデンシャル・ ファイナンシャルは、1979年にソニーとの合弁でソニー・プルデンシャル生命保険を設立しているが、その後合弁は解消され、ソニー・プルデンシャル生命は現在のソニー生命となっており、プルデンシャル生命保険とは繋がりはない。

コンサルティングセールスで1社専属でのサービスを重視

プルデンシャル生命が他社と違う最大の特徴は「コンサルティングセールス」です。いわゆる「オーダーメイド」で生命保険を提供する保険会社として、プルデンシャル生命は日本に進出してきました。

また、自社の営業マンを「ライフプランナー」と称しクライントに相応しい保険を提案してきました。ライフプランナーはすべて異業種からの転職者で構成され、ほぼヘッドハンティングのような形によって採用されている。このため新卒者や、過去に生命保険業界で就労経験がある者はライフプランナーとなることはできない。また多くの保険会社が採用するエリア制や職域制ではなく、契約者と担当ライフプランナーによる徹底した担当者制度を敷いている。

また、同社は営業においてCMや広告などによる宣伝活動をライフプランナーの個人的な活動以外では殆ど行っておらず、代理店販売も行っていないためライフプランナーによる販売が唯一の販売チャネルとなっている。

採用基準や教育研修を経て育成された生命保険業界における真のプロフェッショナルと位置づけられ、このモデルを踏襲した外交員システムを「ライフプランナーモデル(制度)」と呼ぶことがある。他社の類似したライフプランナーモデルと合算しても保険外交員全体の5%程度の人数しかおらず、同社のライフプランナーに限るとその数は更に少なくなるがライフプランナーが持つ知識量・提案内容などは高い評価をされることが多い。

採用基準は高等教育以上の最終学歴を必須条件としており、生命保険業界経験者を採用しないなどの特色を持っている。営業開始当初は男性のみ採用していたが、現在では女性も採用している。

ライフプランナーが時間的に拘束されるのは、月・木の午前に行われる定例ミーティングだけ。あとは出社の必要すらなく、営業ノルマもない。働き方も休み方も自由だが、固定給は通常3年目以降にゼロとなる(フルコミッション)為、サボれば収入がなくなる。上位表彰者の年収が億単位である一方、収入の見込みが立たず数ヶ月で辞めていく有名企業出身者も多い。支社長・営業所長など管理部門の社員以外は、会社との間で契約をしている事業主の様な形態であり、雇用関係とは異なる。

米国プルデンシャル・ファイナンシャルの世界戦略の中でこのライフプランナーモデルは中核となっており、日本のプルデンシャル生命が中心となって韓国・台湾・インド・マレーシア・メキシコ・ブラジル・アルゼンチン・イタリア・ポーランドでも同様のモデルでの営業展開を行っている。

ここまで徹底して1社専属に拘っておりましたが、今回代理店展開するきっかけになったのはどのような経緯があるのでしょうか?

乗合代理店の新会社という新たな展開へ

今回、プルデンシャルが乗合代理店の新会社を23年4月に開業というのは具体的にはどういったことなのでしょうか?

同じ1月5日に日経新聞から出ていた記事「プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン、新会社の設立と事業開始について発表」によると、プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社は、このたび、複数の生命保険をはじめとした様々な商品・サービスを取り扱う全額出資の新会社、ソナミラ株式会社(以下、新会社)を設立し、本日より事業を開始したそうだ(発表日:2023年01月05日)。他社商品を含めた多様な保険商品を、ショップ形態で提供する。早ければ4月中にも、第1弾のショップを首都圏に2、3ヵ所オープンする予定。

子会社の名称は「ソナミラ」(資本金30億円)で、〝備える〟と〝未来〟を組み合わせた。「おカネの健康とカラダの健康」をコンセプトとし、貯蓄性商品や医療保険・介護保険など、さまざまな商品・サービスを取り扱う

ショップ展開であれば、「ほけんの窓口」「ほけん百花」「保険クリニック」など様々なショップがあり、まさにレッドオーシャンではあるが、果たしてこのタイミングでショップ形態に参入するメリットはあるのだろうか?また、既存のライフプランナーとの棲み分けはどのように考えているのだろうか?今後の展開に注目していきたいと思います。

(まとめ)パイの奪い合い?ライフプランナーはますます厳しい時代

これまで代理店ビジネスに参入せず、乗り合いしてこなかった「プルデンシャル生命」。ここにきて、代理店ビジネスに参入してきたというのはそれなりに意味があるのだろうか?

新会社であるソナミラ株式会社の株主がプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社100%となると、結局はプルデンシャル生命の商品を軸に他を販売していくものだと思われる

また、顧客からすれば1社専属のライフプランナーに保険を全て任せるよりはショップに行って、プルデンシャル以外の他社の含めて保険を組み合わせていくほうが当然メリットは大きくなる。そう考えると、ライフプランナーとしてもますます顧客開拓などマーケット展開がしづらくなるのではないかと感じる。

もしくは、生き残れなくなったライフプランナーの再雇用先として「ショップ営業」が出来るということであれば、同社の離職率は変わらなくても顧客が離れずに留まる可能性は少なくともある気はする。

とはいえ、代理店含めて生命保険業界はますます「パイの奪い合い」となりそうである。

まとめ

  • プルデンシャルが乗合代理店の新会社を設立
  • 自社の営業マンを「ライフプランナー」と称しクライントに相応しい保険を提案してきた
  • 子会社の名称は「ソナミラ」(資本金30億円)
  • 結局はプルデンシャル生命の商品を軸に他を販売していくものだと思われる

今回は「プルデンシャルが乗合代理店の新会社を設立!〜代理店営業はますます激化〜」について書きましたがいかがでしたでしょうか?1社専属を貫いてきたプルデンシャル生命もついに代理店ビジネスに参入してきました。代理店展開をどのようにしていくのかこれから注視していきたいところです。しかし、ショップ展開をメインにと聞くとこれまでの代理店ビジネスと何ら変わらないような気もしますし、かえって「ライフプランナー」の生き残りに一層拍車が掛かりそうな気もします。複数社の生保商品を扱うよりも国内外含めて幅広い視点で真の「オーダーメイド」の保険をアドバイスしていきたい方はぜひ弊社のビジネスパートナーになることをオススメします。以下よりお問い合わせください。

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著者プロフィール

野村元輝
野村元輝
<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。

その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。

弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。

現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。

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