米国債の利回り上昇で進む「円安・株安」

こんにちは。K2 College大崎です。

日本時間で昨夜に発表された米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比26万3000人の増加、失業率は3.5%と市場予想を超える堅調な内容となり、FRB(米連邦準備理事会)が利上げペースを早めに緩めるとの期待が薄れました。

雇用統計が出る前にもFRBの高官たちは利上げに積極的な姿勢を示して市場観測をけん制しておりましたが、指標でも労働市場は底堅いということが明らかになりましたね。

ちなみに平均時給も前月比0.3%増、前年同月比では5%増と引き続き伸びを示しております。

  • 米国債利回りは上昇
  • ドル買い円売りが戻ってくる
  • 資金流出が続き、株価は下落する可能性は高い

米国債利回りは上昇

雇用統計の発表を受けて、米国債利回りは終値で2年債は4.314%、10年債は3.885%まで再び上昇しました。

ちなみに、米10年債利回りは週間ベースでは1984年以来最長の連続上昇とのことです。

金融当局者の予想では、年内あと2回(11月と12月)の会合での利上げ幅は合計で1.25%と考えられているのですが、11月の利上げ幅は0.75%と予想している割合は79.6%となり、1週間前の56.5%から大きく増加しました。

労働市場は堅調ですし賃金も伸びておりますから、11月の利上げはこのまま0.75%の大幅利上げとなりそうでしょうか。

ドル買い円売りが戻ってくる

外国為替市場では、債券利回りの上昇を受けてドルが対円で続伸し、一時145円46銭を付けました。

先月22日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を0.75%引き上げた一時145円91銭に次ぐ高値までドル円は上昇しております。

政府日銀が為替介入をして以降、145円台に戻ってからそれ以上の円安ドル高は進んでおりませんが、それは投機筋の資金がポンド売り、ウォン売り、豪ドル売りに向かっていたからかも知れません。

利確した資金でまた円安が進むかも知れませんし、今月いくつか発表される経済指標や11月のFOMCの利上げでさらなる円安ドル高が進む可能も大いにあり得ます。

資金流出が続き、株価は下落する可能性は高い

米株式相場でも債券利回りの上昇を受けて、主要株式指数は軒並み大幅続落。

ダウ工業株30種ではマイナス2.11%、S&P500種ではマイナス2.8%、ナスダック総合指数ではマイナス3.8%と、大幅な下落となりました。

先般のコラムで「戻したら下がる」を繰り返しているということをお伝えしましたが、

今後も中央銀行の利上げ継続や米国債の利回り上昇に伴い、資金流出が続き、株価は下落する可能性は高いです。

また、中央銀行の利上げ継続以降、投資信託から資金流出が増加しており、国際通貨基金(IMF)は流動性が低い資産に投資する投資信託からの資金流出が市場のショックを増幅する恐れがあると警告をしております。

ご覧のとおり、債券利回りの上昇を受けて、今後も円安が進み、株価の下落はすすむ可能性はあります。

そして、日々発表される経済指標で市場は大きく変化します。

「ナンピン買い」を狙っているならば中央銀行の利上げ継続に注視する必要がありますが、一般投資家は積立投資をされている方が多いかと思いますので、気にせず淡々と拠出を続けてください。

再安値を拾うことはできないかも知れませんが、将来の株価からしたら現在の株価は安いです。

まとめ

  • 債券利回りの上昇を受けて、今後も円安が進み、株価の下落はすすむ可能性はある
  • 積立投資家は毎月の拠出を続けるだけ

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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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