楽天グループ 米ドル建て債券(満期2年、年10.25%、ディスカウント債) 〜2022.11

本日はニュースにも出ている楽天グループの年12%もの利回りとなる米ドル建て債券を解説します。今回の募集で5億ドル(約700億円)を調達するそうです。

年12%も金利払わないと資金調達できないって、楽天大丈夫ですかね?モバイル事業が大損しているとみんな言ってます。

実は今回に限らずこれまで何度も債券による資金調達をしたり、楽天銀行の株を上場(IPO)させて資金調達しています。それでも足りず、日本円では金利の魅力がない上に、既にたくさん調達してしまったため、海外の投資家向けに米ドル建てで高い金利でも調達することになったようですね。

  • 動画解説
  • 今回(2022.11)の発行条件
  • 今回の債券の資金使途
  • これまでの募集履歴

動画解説

今回(2022.11)の発行条件

まずは今回の債券の発行条件を見てみましょう。

種類:ディスカウント債
表面金利:年10.25%
最終利回り:年12%
発行額:5億ドル(約700億円)
格付け:BB+(S&P)

主幹事:モルガン・スタンレー

米国が大幅利上げしており、現在(2022.11)政策金利が3.75~4%となっているとはいえ、表面金利が10.25%、更に債券単価をディスカウントをするというのは、格付けが+BBとジャンク債ハイイールド債)扱いのため、これだけ高い金利をつけないといけないんです。つまり会社の破綻リスクが高いということですね。

なお日本の格付け会社だとA格(投資適格)なのに、海外(米国)の格付け会社S&PだとBB+のジャンク債というのが実に非客観的だなと感じますよね。日本の格付け機関は日本企業を緩く格付けするんでしょうか。

日本で最も大きなEC(イーコマース)で球団とかも持っているので、もっとしっかりした会社かと思ってました。

一時期スペインのサッカーチーム「バルセロナ」のユニフォームにも載ってましたよね。当時、メッシが着ていました。ただそういう宣伝広告費をたくさん使って良い会社に見せようとはしていたけれど、結局海外のユーザーが増えず、今は日本人だけを対象にビジネスしているようです。社内公用語を英語にしてましたが、そんなんでグローバル企業になれないと気づいたのか、もうやめたようです。

今回の債券の資金使途

今回の債券(700億円)の使徒は・・・

-モバイル事業への資本投資
-債務返済を含む運転資金

と発表されています。やはりモバイル事業が問題のようですね。2022年からこれまで既に基地局の建設に1兆円を使いました。それにより5万局の基地局、人口カバー率98%になっており、2023年中に4G基地局を6万局、人口カバー率を99%以上にすると発表しています。

実は私も日本へ戻る時には以前は楽天モバイルを使っていました。厳密に言うと、Freetelという格安SIMを使っていたので、日本にいない時には月300円、日本に戻ってもほとんど使わないので、月1GB以下となり月900円しか払っていませんでした。そのFreetelを楽天モバイルが買収し、やたらと楽天のプランに乗り換えろというセールスメールが来ていましたが、無視。その内、新プランとして(たしか)300MB以下は0円というプランを発表したので、海外にいる時、0円で済むならということで乗り換え。しかしその後1年経たないうちに、0円廃止を発表。三木谷社長の「ぶっちゃけ、0円でずっと使ってもらっても困る」発言には本当に人間性を疑いましたね。最初から騙す気でいたんでしょう。

なんだか久しぶりに顔見たら人相悪く見えるのは僕だけでしょうか?結果、その他大勢のユーザーと同じように、私もすぐに他社へ乗り換え。乗り換えてみるといかに楽天モバイルの電波が悪かったかがわかります。カバー率98%というのは一応電波はあるけど、弱くて品質悪いって感じです。

0円廃止には私もビックリしました。いつかは料金改定あるんだろうとは思ってましたが、あまりに早かったです。

それだけ状況が急速に悪くなったのでしょう。窮困ぶりがこちら。これまでの借入状況です。

これまでの募集履歴

実はこれまで既に何度も債券を発行しています。こちら楽天グループのIRサイトに出ている一覧です。

2021年には3000億円の普通社債を発行し、今年(2022年)6月には個人向けに1500億円の普通社債(楽天モバイル債)を発行しています。更に虎の子の楽天銀行の新規株式公開(IPO)もするというくらい資金に困っています。現在の(2022.9末時点)の有利子負債(金融事業を含む)は2兆7337億円。もはや誰が投資するんだろうという気がしますが、幹事証券がなんとか見つけてくるんでしょう。自己責任とはいえ、買わされる投資家、かわいそうだなって思います。

逆転劇はあるんでしょうか?

プラチナバンドを民放以外にも分け与えるよう総務省にロビー活動するといいと言われていますね。民放(TV局)の既得権を解放することができるのは元総務大臣で小泉さん以来行動力のあった菅総理くらいでしょうか。どうりで結果を出していたにも関わらず、降ろされるわけです。

まとめ

  • 楽天グループは大変
  • 今のうちに楽天ポイント使い切ろう
  • もちろん債券やIPOへの投資はしないで

今回、ニュースになっていた楽天を取り上げましたが、日本の大企業、大変なところ多いんじゃないでしょうか。楽天グループのサイトTOPにInnovation(イノベーション)という言葉がありますが、一体どこにイノベーションがあったんでしょうか。日本のどの企業が海外の企業以上にイノベーションをしているのでしょうか。日本の消費者だけを対象としている企業に未来はないですよね。どうしても日本企業へ投資したければ、海外売上比率が高く、将来への投資をしている企業へ投資しましょう。

著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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