こんにちは、K2 College河合です。
2018年のソフトバンク(7兆円)以来の大規模上場となる東京メトロIPOについて解説したいと思います。東京の地下鉄を運営する会社は二つ(都営、営団)あり、そのうち昔営団地下鉄と呼ばれていた方が上場します。今更、社会インフラとなっている企業が上場する目的や投資家として投資する意味があるのか、見てきましょう。
正直、儲かる気がしません。
とはいえ、仮条件は想定価格を上回っているので、もう一度検証してみましょう。
- 東京メトロIPOの背景
- 東京メトロの成長戦略
- 仮条件(1100-1200円)と配当利回り(3.3-3.6%)
東京メトロIPOの背景
東京メトロ(Tokyo Metro)の上場に向けた背景には、いくつかの要因が存在します。
1. 経営効率の向上と財務改善:東京メトロの上場は、企業としての経営効率の向上と財務基盤の強化を目的としています。上場によって資金調達が容易になり、今後の設備投資やサービス向上のための資金を集めやすくなることが期待されています。
2. 公共交通機関の民営化の流れ:日本国内では、1987年に国鉄の分割民営化が行われ、JR各社が上場してきました。これに続いて、東京メトロも同様に民間資本の活用を図ることで、効率的な運営を目指していると考えられます。東京メトロは、現在、東西線、銀座線、丸ノ内線、南北線など9路線を運営し、総路線距離は195キロメートル。駅は全路線で180あり、1日当たりの平均輸送人員数は652万人。株主構成は財務大臣が53.42%、東京都が46.58%。
3. 都心の交通インフラ需要の高まり:東京は、人口が集中し、ビジネスや観光の拠点でもあります。そのため、公共交通機関の需要は高く、安定した収益が見込まれます。上場によって、さらなる投資や拡張が可能となり、競争力を強化する狙いがあります。
4. 政府の政策:政府は、国有企業の民営化を推進しており、これにより財政の負担軽減や資本市場の活性化を目指しています。東京メトロの上場もその一環として位置づけられることがあります。
5. 株主構成の見直し:現在、東京メトロの株主は国と東京都が大部分を占めています。上場することで、より広く民間投資家からの出資を受け入れる体制を整えることができ、株主構成の多様化を図ることが期待されています。
東京メトロの上場は、これらの要因を背景に、長期的な事業の発展や経営の自由度向上を狙った重要なステップとされています。
民営化し上場することで、これまでよりは利益重視で頑張る企業になるようですね。
利用者(消費者)は絶対にいるわけですから、絶対儲かることはわかっていますよね。あとはそれは既に上場時の株価に反映されているので、その後どれほどの成長が期待できるか?ですね。
東京メトロの成長戦略
首都圏を運行する私鉄大手の時価総額は、京成電鉄が7100億円、小田急電鉄は6000億円規模。東京メトロは東西線や銀座線、丸ノ内線、南北線など9路線を運営し、総路線距離は195キロメートル。駅は全路線で180あり、1日当たりの平均輸送人員数は652万人(24年3月期)と小田急の同186万人などを大きく上回っています。
東京メトロの前期(24年3月期)の営業利益764億円のうち本業の運輸業部門が8割超を占めますが、京成電鉄が約7割、小田急が約5割であるのに対して、鉄道事業への依存度が高いです。不動産事業などの比重が低いため、これを増やしていくことで、今後の利益成長が期待できます。
京成や小田急はベッドタウンを走っているのに対し、東京メトロは都心のみなので、不動産投資のリスク、少子化リスクも低そうですよね。
都心の不動産も利上げ前の借入急増、、コロナ後のインフレでかなり高値になっているので、これから投資するのであれば、気をつけないといけませんよね。また不動産投資するというなら、かなり長期の成長戦略と考えておかないといけません。
仮条件(1100-1200円)と配当利回り(3.3-3.6%)
新規株式公開(IPO)に伴う売り出し価格の仮条件が1100-1200円に決まりました。先月、東京証券取引所から上場承認を受けた際に示した想定価格の1100円を下限とし、これを上回る価格帯としたことで、投資家からの一定の需要の強さが示されています。
配当期待で買う投資家の方が多いでしょう。東京メトロは今期(25年3月期)の1株当たり配当金を40円と計画しており、仮条件から計算した東京メトロの配当利回りは3.3ー3.6%となります。そうすると足元の小田急の1.9%や京成電鉄の0.9%を大きく上回るほか、JR九州の2.2%などと比べても高いですね。
その配当利回りや株価収益率(PER)を他の鉄道会社と比べても東京メトロの株価は安いです。1600円程度までは割安感で上昇してもおかしくありません。
それならとりあえず応募して投資しておいても良さそうですね。
はい、大型案件なので、株の割り当てもありそうですし、応募しておいてください。
まとめ
- 東京メトロ株は割安
- 高い配当利回り
- 長期投資は疑問
長期的に見たら成長もなく、国の借金(国債)も多い日本は円安リスクが大きくあります。日本株への投資はそうしたリスクの上に成り立っているので、ほどほどにしてドル建ての米国株への投資、海外ファンドへの投資を考えていきましょう。
著者プロフィール
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<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
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