メットライフ生命 USドル建終身保険ドルアドバンス

こんにちは、K2 College 松本です。

今回はメットライフ生命のUSドル建終身保険ドルアドバンスを解説します。2022年の10月に発売された米ドル建の終身保険ですが、特殊な保障内容にすることで、払込終了後の返戻率が高く設定されています。主に貯蓄(教育資金、老後資金など)をメインに契約されている方が多いと思います。改めて日本の保険会社の米ドル建終身保険はどういうものなのか確認して頂けたらと思います。

返戻率が他社と比べて高かったので加入しようと思っています。

確かに返戻率は、日本の米ドル建終身保険の中では郡を抜いてトップです。その代わり保障内容が心許ない部分があるので、そこを理解した上でどのように教育資金や老後資金の備えをするべきか確認してください。

  • 動画解説
  • メットライフ生命は外資系で1番歴史があり良い会社
  • 返戻率が日本ではトップの米ドル建終身保険
  • 解約返戻率は30年で146%、実質利回りは2.37%
  • 契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。

動画解説

メットライフ生命は外資系で1番歴史があり良い会社

会社概要

日本国内におけるアメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー(以下、アリコ)の営業は、長らくアリコが日本支社(通称・アリコジャパン)を設けて直接行っていました。2011年4月にアリコがメットライフ傘下になったことを受けて通称を「メットライフアリコ」に変更。

2012年4月、新たに日本法人となるメットライフアリコ生命保険を設立し、従来のアリコ日本支社が締結した保険契約をすべて日本法人に移しています。2014年7月に商号をメットライフ生命保険に、ブランド名を「メットライフ生命」に変更。

外資系生命保険会社の第1号であり、日本で48年の歴史を有する。販売経路としては、約4,300名のコンサルタント社員、約6,000店の保険代理店、テレビや新聞広告等を媒介とする通信販売、115の銀行や信用金庫等を通じた金融機関による販売の4つにチャネルが分かれている。

営業開始:1973年2月1日
事業所:103営業所(2021年3月31日時点)
総資産:34兆2,317億円(2021年3月31日時点)
保有契約高:13兆1,896億円(2021年3月31日時点)

格付情報

S&P:AA- (2021年3月26日時点)

ソルベンシーマージン比率

959.7% (2021年6月末時点)

「メットライフ」より「アリコ」という呼称がしっくりきますね。

アリコでの歴史が長いので仕方ありませんね。CMなどの宣伝もしっかりする会社なので、『ピーナッツ』キャラクター(スヌーピー、チャーリーブラウンなど)の印象も強いですね。

ただ、イメージよりも大事な格付けソルベンシーマージン比率からも十分に信頼に値する会社と言えます。

返戻率が日本ではトップの米ドル建終身保険

契約概要

商品名:USドル建終身保険 ドルアドバンス
正式名称:災害保障期間付利率変動型終身保険(低解約返戻金型 米ドル建)
契約年齢:15歳〜80歳
払込期間:10〜20年払済(1年単位)、55〜80歳払済(5歳刻み)
払込頻度:月払、半年払、年払

保障内容

死亡、災害死亡、高度障害になったときに、保険金を受取ることができます。

商品解説

低解約返戻金型の米ドル建終身保険です。終身保険なので一生涯の死亡保障貯蓄機能がありますが保険料払込期間中の普通死亡では、それまでに支払った保険料分を死亡保険金として受け取るだけになります。また貯蓄性も低いので、貯蓄を目的で契約する必要はありません。ただ日本の米ドル建終身保険の中では郡を抜いてトップの返戻率です。払込期間を10年と短く設定することで学資準備を目的に契約されている人もいるでしょう。

日本でトップの返戻率なら加入してもいいと思うのですが、、、

返戻率は他社と比べて高くても実際の利回りだと低いのです。また貯蓄の方法は保険だけではありません。そして一生涯の死亡保障を用意する場合は、死亡保障に対して総支払保険料がいくらになるのかを確認してください。次のチャプターで具体的なシミュレーションの数字を見ていきましょう。

保険用語については下記のリンクで詳しく解説しています。知らない方は併せて読んで頂くと理解が深まります。
『予定利率』『積立利率』『利回り』とは?

解約返戻率は30年で146%、実質利回りは2.37%

HPに載っている2つの契約例を見ていきましょう。

契約例1 教育資金準備プラン

契約年齢:30歳 男性
死亡保障:USD 50,000
保険期間:終身
払込期間:10年
払込頻度:月払
保険料:USD 210.15

総支払保険料:USD 25,218

<解約返戻金と返戻率の推移> *基準利率3%の場合
10年後(40歳):USD 26,687(105.8%
11年後(41歳):USD 27,365(108.5%
14年後(44歳):USD 29,483(116.9%

17年後(47歳):USD 31,784(126.0%

<実質利回り>
10年後(40歳):1.03%
17年後(47歳):2.02%

基準利率3%で推移するとこのようになりますが、実質利回りを計算すると基準利率より低いのがわかります。そして保険料払込期間中は災害死亡でしか5万ドルの死亡保障がありませんから、死亡保障が必要な人は別で備えておく必要があります。

学資保険より返戻率が高いので貯蓄には良いかと思いました。

学資保険よりは良いのですが、それでも返戻率が低すぎます。
教育資金準備としてよく利用される『海外積立(元本確保型プラン)』でしたら、15年の積立で返戻率140%が最低保証されます。よりリターンがあればそれ以上の返戻率になります。同じドル建てならそちらを選択された方がいいでしょう。

気になる方は下記の直接相談から「海外積立(元本確保型プラン)資料希望」とご連絡ください。
※直接相談(無料)

契約例2 セカンドライフ資金準備プラン

契約年齢:30歳 男性
死亡保障:USD 100,000
保険期間:終身
払込期間:60歳払済
払込頻度:月払
保険料:USD 152.10

総支払保険料:USD 54,756

<解約返戻金と返戻率の推移> *基準利率3%の場合
30年後(60歳):USD 80,301(146.6%
35年後(65歳):USD 91,408(166.9%
40年後(70歳):USD 104,671(191.1%

<実質利回り>
30年後(60歳):2.37%
35年後(65歳):2.42%

40年後(70歳):2.48%

こちらも長期で支払いますが、実質利回りは基準利率以下です。
そして、総支払保険料にも注目してください。30年間で5.4万ドルを支払い、払込が終わると10万ドルの死亡保障が手に入るのですが、死亡保障に対して半分以上も保険料を支払わないといけません。それでいて、保険料払込期間中は災害死亡でしか10万ドルを受け取れません。

保障内容は心許ないですが、銀行の金利より高いから良いかと思いました。

確かに銀行の金利よりは良いのですが、そこと比べても仕方がありません。一生涯の死亡保障を用意するという点でもコスパ悪いですし、貯蓄や資産形成という目線で考えると魅力はありません。一応米ドル建なのでインフレには対応できますが、利率の低さが大きな弱点です。

同じ米ドル建終身保険であれば、貯蓄と死亡保障の両立ができる海外の終身保険を選択肢にいれてください。海外であれば総支払保険料の3〜7倍もの死亡保障がありながらも実質利回り4〜6%ほどで運用もできます。
詳しくは下記の入門書をダウンロードして一読ください。
※『海外保険入門書(マニュアル)』はこちら(無料)【NEW】

契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。

終身保険の特徴は死亡保障と貯蓄の両立が出来ることですが、ドルアドバンスの場合は
・貯蓄性が低すぎる
・保険料払込期間中の保障内容が弱い

・死亡保障に対する保険料が高い
という理由でオススメできません。

既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?

契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。

※直接相談(無料)

まとめ

  • 加入するのはやめよう
  • 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
  • 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(終身保険はしないで)

著者プロフィール

松本崇裕
松本崇裕
大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。

外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランコンサルタントとして6年3ヶ月勤務。

また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。

そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。

クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。

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