こんにちは、K2 College編集部です。
LVMH(Louis Vuitton Moët Hennessy)は、フランスを拠点とする世界最大の高級品コングロマリットであり、数十年にわたって多くの著名なブランドを買収してきました。今回は主にその買収の歴史をまとめます。
そんなに多くのブランドを買収しているんですね。
はい、元々不動産会社を経営していたベルナール・アルノーが買収を重ね、世界的な高級品企業へと成長させました。
- 初期の成り立ち
- 主な買収
- LVMHの成長戦略
初期の成り立ち
LVMHは、1987年にルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)とモエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)、そしてヘネシー(Hennessy)の合併により誕生しました。この合併は、当時のCEOであるアンリ・ラカミエとアラン・シュヴァリエの主導によるもので、目的は高級品市場での競争力を高めることでした。
ベルナール・アルノーの影響
1988年、ベルナール・アルノーがLVMHの株式の43.5%を取得し、同社の実質的な支配者となりました。彼の指導の下、LVMHは積極的な買収戦略を展開し、世界的な高級品企業へと成長しました。アルノーのビジョンは、「伝統と現代性を融合させたブランドのコングロマリット」を築くことでした。
どのようにして様々なブランド企業を買収してきたんでしょうか?
知名度は高いが、一時的な経営のまずさから苦境に陥っているブランドを安値で買収、資産価値を高める、といった手法でその価値を高めていきました。高級ブランド、富裕層向けビジネスに特化することで、時間をかけてブランドの再生に取り組めるメリットがあります。
主な買収
LVMHは、以下のような多数の有名ブランドを買収してきました:
- クリスチャン・ディオール(Christian Dior): 1984年、ベルナール・アルノーはクリスチャン・ディオールの親会社であるブッサック・サンフルール社を買収しました。これにより、アルノーはディオールをLVMHグループの中核ブランドの一つとしました。
- ジバンシィ(Givenchy): 1988年にLVMHはジバンシィを買収。これは、LVMHのファッション部門の強化に大きく貢献しました。
- ケンゾー(Kenzo): 1993年、LVMHは日本のファッションブランドであるケンゾーを買収し、アジア市場への影響力を拡大しました。
- セリーヌ(Celine): 1996年、LVMHはセリーヌを買収し、フランスのラグジュアリーブランドのラインアップを強化しました。
- フェンディ(Fendi): 2001年、LVMHはイタリアの高級ブランド、フェンディの大株主となり、その後完全子会社化しました。
- ブルガリ(Bulgari): 2011年、LVMHはイタリアの高級ジュエリーブランド、ブルガリを約43億ユーロで買収しました。これにより、LVMHのジュエリー部門が大幅に強化されました。
- ベルルッティ(Berluti): 2013年に完全買収し、メンズファッション市場における存在感を高めました。
- ロエベ(Loewe): 1996年、スペインの高級ブランド、ロエベを買収しました。
- ティファニー(Tiffany & Co.): 2021年、LVMHは米国の高級ジュエリーブランド、ティファニーを約158億ドルで買収しました。これは、LVMH史上最大の買収となり、ジュエリー部門のさらなる拡充に寄与しました。
こんなに有名なブランド企業が傘下にあるんですね。
はい、ブランド毎にビジネスは展開しているので一般の人は知りませんが幅広い分野でのブランドを傘下に収め、コングロマリット企業として規模を大きくしています。2023年にはベルナール・アルノー氏がビリオネア・ランキングで首位になっています。
LVMHの成長戦略
LVMHの買収戦略は、「多角化とシナジーの創出」に基づいています。アルノーの指導の下、同社は異なる高級品市場においてシナジー効果を最大限に活用することを目指しています。これには、ブランド間での共有リソースの活用、新市場への参入、技術やノウハウの共有などが含まれます。
挑戦と成功
LVMHは買収に伴う多くの挑戦に直面しましたが、成功を収めてきました。たとえば、異文化の融合、ブランドイメージの維持、従業員の統合などの課題に取り組んできました。しかし、その多くは成功裏に解決され、LVMHは高級品市場において一貫してリーダーの地位を保っています。
近年の動向
近年、LVMHはデジタル変革とサステナビリティに重点を置いています。デジタルマーケティングの強化、eコマースの拡大、環境に配慮した製品開発などを通じて、新しい世代の消費者にも訴求しています。
10年で3倍にも売上を伸ばしているんですね。
もはやダントツの売上規模で他社を圧倒しています。コロナ禍で2020年に一時下げていますが、翌年にはそれまでよりも伸ばしています。
まとめ
- ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)、ヘネシー(Hennessy)の合併により誕生
- 1988年、ベルナール・アルノーがLVMHの株式の43.5%を取得、積極的な買収戦略を展開
- 現在ではブランド企業の中でも独走状態で売上規模を伸ばしている
LVMHの買収戦略は、高級品市場での支配力を強化し、多角化を推進することで、その成長を支えています。ベルナール・アルノーのリーダーシップの下で、LVMHは常に高級ブランドの新たな買収と成長機会を模索し続け、現在の地位を築き上げてきました。その結果、LVMHは世界で最も影響力のある高級品企業の一つとして認知されています。このように、LVMHの買収履歴は、その成功の背後にある戦略的ビジョンと実行力を物語っています。今後もさらなる成長と革新が期待されるでしょう。
著者プロフィール
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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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