投資の本質は「感情の切り離し」にある。しかし現実には、多くの人が“好き”や“憧れ”を「投資目的」という言葉で包装し、自己満足を正当化する。特にハワイ不動産においては、「投資」と「消費」、「夢」と「数字」の境界が曖昧になり、結果として“利回りを理解していない投資家”が量産されている。
本稿では、この構造を心理・行動・経済の三側面から読み解く。
- 「投資目的」という免罪符
- 利回りを理解していない人の共通点
- 「好き」と「投資」の線引きを誤る人々
- ハワイ不動産の幻想構造
- 投資家と消費者の決定的な違い
「投資目的」という免罪符

「投資目的で買った」という言葉は、一見理性的に聞こえるが、実際は“好きだから買いたい”という感情を正当化するための口実にすぎない。
為替リスクや固定資産税、管理費、保険料、稼働率、キャピタルゲインの現実を冷静に試算せずに購入する人々は、数字よりも気分で動いている。損をしても「思い出がある」「長期保有だから」と自己納得し、結果的に投資を**“感情の延長線上の消費行動”**に変えてしまう。
利回りを理解していない人の共通点

利回りを理解するとは、数字で語ることができるという意味だ。
ハワイの住宅価格上昇率は年2〜3%程度で、ネット利回りは管理費・税金・保険を引けば1%未満が現実。
対して、グローバルREITやプライベートデットファンドなら7〜10%台も狙える。
それでも「ハワイはドル資産だから安心」と言う人は、数字ではなく物語を信じている。
彼らにとっての“投資”は、計算ではなく夢の代名詞になっている。
「好き」と「投資」の線引きを誤る人々

好きで買うこと自体は悪ではない。
しかし、“好き”を投資と呼ぶ瞬間に歪みが生まれる。
投資家は感情を排除し、未来のキャッシュフローを現在価値で評価する。
一方、「好きだから将来上がるはず」と考える人は、事実上「希望」を数値化している。
それは投資ではなく、感情の金融商品化だ。
“好きで買う”のは消費、“数字で買う”のが投資。
この原則を見誤ると、資産は増えず、思い出だけが残る。
ハワイ不動産の幻想構造

「自分も使えて貸せば儲かる」という考えは、最も危険な幻想だ。
現実には、
• 自分が使えば使うほど収益は下がる
• 貸すほど自分の使用機会は減る
• 維持コストは常に発生する
この利用価値と投資価値のトレードオフを理解せずに買えば、
どちらも中途半端な「自己満足型不動産」が残るだけだ。
それは資産ではなく、高額な観光記念品である。
投資家と消費者の決定的な違い

投資家は「数字の裏にある現実」を見つめる。
消費者は「現実の裏にある夢」を信じる。
投資家は出口(売却・収益化)を設計し、
消費者は入口(雰囲気・期待)で決める。
“投資目的”という言葉を口にした瞬間、
多くの人は自分が消費者であることを忘れる。
好きな場所であることと、資産価値があることは別問題だ。
本当の投資家なら、好きで判断を歪めない。
好きなものへの投資は資産を築けてからでいいですね。
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まとめ:投資は冷静な戦略、好きは情熱の表現
投資は戦略、好きは感情。どちらも人生に必要だが、混ぜた瞬間に破綻する。
好きで買うなら堂々と「好きだから」と言えばいい。
だが「投資目的だから」と言った瞬間、あなたは数字から逃げている。
投資と称して感情を包み隠す行為こそ、最も危険な自己欺瞞である。
好きと投資を混同した人は、投資家ではなく、
“夢を正当化した浪費者”に過ぎない。
本当の自由は、好きと投資を切り離して両立できる人間だけが手にする。
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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