こんにちは。K2 College大崎です。
昨日よりアメリカの高原リゾート「ジャクソンホール」で、主要国の中央銀行幹部や経済学者などが集まり金融政策の課題を話し合うシンポジウムが開催されておりますが、本日の23時頃(日本時間)には、パウエルFRB(米連邦準備制度)議長の講演が予定されております。
- S&P500は金融危機の際、資産は半分近くになり、直近高値まで回復するのに約6〜7年要した
- 株価が下落しているタイミングで資産を売却すると資産寿命は短くなる
政府要人のコメント次第で株価は大きく動く
パウエル議長がどれだけタカ派(金融引き締め政策に積極的)的な発言をするかに注目が集まっておりますが、発言の内容次第では、米国株式も大きく動く可能性がありますね。
ちなみに、本日の21:30にはFRBがCPIよりも重要視しているPCE物価指数が発表されますので、こちらにも要注目です。
金融危機の際、資産は半分近くになり、直近高値まで回復するのに約6〜7年要した
さて、みんな大好きS&P500インデックスについてです。
投資対象にするのは良いですが、注意しなければいけない点もあります。
それは、金融危機が生じた際は、直近の高値まで回復するのに約6〜7年は要しているという点です。
長期的には回復していますのでそのまま待てば良いのですが、もし、退職間際に金融危機のような株価が大きく下落することが生じた際は、耐えられますでしょうか。
自分は大丈夫だと考えていても、資産が溶けていくのを目の当たりにして、少しでも資産減少を食い止めようと全額売却してしまう方は少なくないです。
ITバブル崩壊にしてもリーマンショックにしても、それぞれ資産は半分近くまで減ってしまっています。資産が5,000万円になっていても、2,500万円前後まで減ってしまっているのです。
株価が下落しているタイミングで資産を売却すると、資産寿命は短くなる
仮に60歳で退職し、65歳から公的年金を受給しようとしているケースの場合、5年間は収入がありませんから、退職金で食い繋いでいくか、運用しているS&P500インデックスの一部を売却するかになるかと思います。
60歳以降も働くとしても、現役並の勤労収入を維持できる方は少ないでしょうから、生活水準が変わらなければ、それだけでは足りない可能性はあります。
将来の資金にするためにS&P500インデックスで運用してきたわけですから、そこから引き出して使うのは問題ないですよね。
しかしながら、株価が下落しているタイミングで資産を売却して、引き出しを続けるということは、それだけ資産寿命が早く尽きるということですので、できれば避けたいところです。
金融危機後に株価が回復したのは、「量的緩和政策(QE)」でお金の量が増えたから
ちなみに中央銀行が世の中のお金の量(マネーストック)を増やすための政策を「金融緩和政策」といいますが、「金利」を下げる方法ではなく「資金量」を増やす方法を「量的緩和政策(QE)」といいます。
ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックでは株価は大きく下落しましたが、これらのショックから回復できたのは、中央銀行が量的緩和政策(QE)で世の中のお金の量(マネーストック)を増やしたからです。
世の中のお金の量を増やし過ぎたため、現在はインフレ高進が続いており、中央銀行もインフレ抑制のために金融引き締めに舵を切っています。
このような背景があることは覚えておいてください。
まとめ
- S&P500は金融危機の際、資産は半分近くになり、直近高値まで回復するのに約6〜7年要した
- 株価が下落しているタイミングで資産を売却すると資産寿命は短くなる
S&P500インデックスで運用する場合、このようなリスクがありますから出口戦略はしっかり考えておくべきです。「こんなはずじゃなかった」では遅いですから。
その対策は、改めてコラムでも紹介しますが、気になる方はこちらからご連絡ください。
著者プロフィール
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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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