【新発】トヨタ モーター クレジット コーポレーション 2028年3月満期社債(米ドル、豪ドル、NZドル建て)

本日は野村證券でも募集している新発債券トヨタ モーター クレジット コーポレーション 2028年3月満期社債(米ドル、豪ドル、NZドル建て)の解説をします。日本以外、各国利上げをして、債券投資も面白くなってきましたね。

海外の金利が上がるということは、円安になるということなので、金利だけじゃなく為替差益も狙えますよね。

そういうことです。何がなんでも外貨にしておきたいところですね。

  • 動画解説
  • 各通貨ごとの条件
  • 為替レートの推移
  • 市場金利と債券単価の関係

動画解説

各通貨ごとの条件

米ドル、豪ドル、NZドルの順で見ていきましょう。

後進国ほど金利が高いものですが、経済の強さから昨年(2022年)の利上げ後、現在はどれも同じ程度の金利となっています。米国はインフレ率から見る限り更なる利上げが期待できるので、まだまだこれよりも高い金利となっていきますね。

今回は新発(新規発行)の社債なので、募集期間があります。申し込む際には遅れないようにしましょう。

債券は募集時100円のものが、満期時に100円で返ってくる金融商品なので、満期まで持つ限り元本で損をすることはありません(途中売却の際は債券単価が上下します)。ただしデフォルト(倒産)リスクがありますね。発行体がトヨタなので、皆さん安心かと思いますが、トヨタの格付けも決して最上位(AAA)ではなく、現在A+程度となってます。

私もトヨタで高い金利が付くので興味を持ちましたが、格付けそんなに高くなかったんですね。。

世界販売台数は自動車業界で1位にも関わらず、これだけ低いんですね。今後は出遅れた電気自動車に舵を切り、テスラを筆頭としたEVメーカーに追いつかないといけない立場になりますから、資金が必要となるのでしょう。欧米政府によるEVへのゲームチェンジはトヨタ崩しだったと言えますね。

為替レートの推移

次に為替を同じ順で見ていきましょう。米ドル(USD)、豪ドル(AUD)、NZドル(NZD)です。

豪ドルとNZドルは同じような動きをしていますね。これは過去5年でのチャートですが、長期で見てもこれまで豪ドルで120円、NZドルで100円を超えるというのはありませんでしたから、円安になってもそれ以上になることはなかなか想像できません。

しかし米ドルはお互いの経済力の差もあり、元々1ドル=360円だったこともあり、1ドル=136円という現在の水準は決して円安水準だとは言えません。今後の利上げも含め、まだまだ円安ドル高が進みそうですね。

それではもしするとしたら米ドルが良さそうですね。

そうですね、するしないという選択であれば、日本円にしておくよりは絶対に米ドルにしておいた方がいいですし、この3通貨の選択であれば米ドルがいいと思います。

市場金利と債券単価の関係

最後におさらいしておきたいのが市場金利と債券単価の関係です。

全ての投資家にとって金利は高い方がいいですよね。もし市場金利(中央銀行が決める政策金利)が現在よりも上がるとすれば、既に低い金利で発行された債券の魅力は薄くなりますから、債券単価が下がることになります。逆に市場の金利が下がると、金利が高かった時に発行した債券の魅力は上がるので、債券単価は上がります。

昨年も今年も利上げ相場なので、今回発行するトヨタ社債の金利が日本円と比べると高かったとしても、今後市場金利が上がるため、途中売却をしようとすると債券単価は下がっていることになります。5年という運用期間なので、その間また市場金利が下がることもありえますが、まだまだ市場金利が上昇していく過程では、途中売却は損だと考えておいてください。

更なる利上げを待ってから、その時に募集されている債券に投資するか、今回ある程度高い金利で手を打っておくかという選択ですね。

そうなります。ただし債券単価だけでなく、日本円から見ると為替レートも大事です。米国の市場金利が上がる(日本は利上げされないという前提)ということは、円で持っておくよりもドルで持っておく魅力がありますから、円安ドル高になります。債券単価は下がったとしても、それ以上に為替で得をする幅の方が大きいとも言えますね。

まとめ

  • まだ円で持っていたら、米ドル建て債券にしよう
  • 満期までの5年内にトヨタが倒産するとは考えづらい
  • 年5%以上の金利が欲しければ、オフショアファンドへ

まだまだ円資産を持っている方、多いと思います。そういう方は急ぎ外貨に(特に米ドル)しておきましょう。

なお債券金利だと5%でいいところですが、世界にはもっと良いリターンを出すファンドがあります。もっと高いリターンを希望されるようであれば、こちらの入門書を読んでください。

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著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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