こんにちは、K2 College河合です。
楽天グループが楽天銀行を上場させ、追加資金調達することを発表しました。もちろん今、問題となっているモバイル事業のためですね。本日は楽天銀行IPOの条件を見た上で、投資すべきなのかどうか、検証しようと思います。
ネガティブなイメージが強いですが、楽天証券と楽天銀行は儲かってるんですよね。
そうなんです。ただ売出し価格の条件が高すぎ(楽天Gが儲かる)か低めか(投資家が儲かる)というのを見極めたいですね。
- 動画解説
- 想定価格は1630-1960円
- 上場後のシナリオ
- 楽天Gは格下げで現在BB(劣後債はB)
- IPOの勝率は79.4%(2022年)
動画解説
想定価格は1630-1960円
国内外で株式を売り出すグローバルオファリングをし、4/13に価格を決定。現在の想定だと1630-1960円になるとのこと。仮に中値の1795円だった場合、IPO規模は1148億円となる。
その内訳が、楽天Gの売出しは5395万株、総額960億円。これが本体のモバイル事業に使われます。これにより楽天Gの楽天銀行保有比率は63.33%へ低下。総議決権の2/3以上の株式を有していれば、株主総会の特別決議事項(会社法309条2項)についても単独で可決できるのですが、それ以下にしてしまっていいのでしょうか。
更に楽天銀行が555万株(100億円)を発行するそうで、グローバルオファリングの需要を見ながら、更に44.6万株(8億円)を売却する予定です。
楽天Gが2月14日に発表した前期(2022年12月期)決算は、営業損失が3639億円と前の期の1947億円から87%拡大、過去最大の赤字となった。自社基地局の設置など先行投資負担が継続したモバイル事業で5000億円近い損失を計上とのことですから、本当は1000億程度じゃ全然足りなそうですね。
思ったほど調達額多くないんですね。
まだまだ楽天Gの財政は厳しい状態が続きそうですね。他にも売り出し、債券発行が続きそうです。
上場後のシナリオ
初値がいくらつくか?上場後にどのように売買されるか?が一番難しいところですよね。とりあえず考える上での参考となるのが金融株指数。日経平均株価の金融株指数がなかったので、S&P500の金融株指数がこちらです。
3年のチャートですが、シリコンバレーバンク(SVB)、シグネチャーバンク、クレディスイスの破綻など重なり、最もタイミングが悪いですね。政府保証がついて、買収も決まっているので、ここで火消しができれば、安くなった銀行株も買われると思いますが、その見極めが難しいところです。
なお楽天銀行の2022年6月期決算では、経常収益が291億円、純利益が66億円。口座数は1268万件、預金残高は8兆1344億円とのことです。
楽天銀行株も市場の動きに左右されそうですね。
とはいえ、楽天銀行は日本人しか使っていないので、これら海外の銀行の破綻問題は関係ありません。とりあえず最初だけ買って、すぐ売るというのもありかなと思います。
楽天Gは格下げで現在BB(劣後債はB)
モバイル事業の不振で大量の現金を失った楽天Gの格付けは現在・・・
R&I:BBB+
S&P : BB
先日の劣後債だと・・・
S&P : B
となっており、投機的格付けです。なお格付け投資情報センター(R&I)、日本格付け研究所(JCR)などは日本企業には甘い格付けをするので、海外の格付けを信用しておきましょう。
有名なので安心してましたが、こんなに格付け低いんですね。。
格付け機関も監査法人も怪しいものですが(これまでも格付けや監査で大丈夫と言われていた企業が数日後に破綻している)、多めに見てもこれだけ低い格付けということですね。
IPOの勝率は79.4%(2022年)
国内IPOの勝率を見てみると、昨年(2022年)相場環境が悪かったにも関わらず、68件のIPOのうち54件で初値が公募価格を上回った。 約79.4%の勝率です。
色々な業種がありますし、上場先も上場規模も全然違うので、単純には言えませんが、IPOに限っては儲かる可能性が高いという統計にはなりますね。
やっぱり投資してみようかなw
IPOは大和証券(共同主幹事)、SMBC日興証券(共同主幹事)、楽天証券(副幹事)、野村證券、マネックス証券、松井証券で応募できるようです。
まとめ
- 楽天Gは破綻リスクあるけれど、楽天証券はまだ大丈夫
- IPOだけなら投資して、上場後すぐに売却するのもアリ
なお母体の楽天Gが破綻する前に、楽天銀行株を更に売り出しすることになると思うので、それまで楽天銀行株を保有していたらアウトです。上場後、できるだけ早く売却しましょう。
著者プロフィール
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<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
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