こんにちは。K2 Collegeの半野です。
先日海外旅行での免税の仕組みをこちらで解説しました。今回視点を変えて「海外に住んでいる日本人が日本で免税を受けるには?」を検証していきます。せっかく海外に住んでいるのであれば、日本で買い物をして免税してもらいたいですよね。
あまり意識したことがなかったですが、日本で買い物をして免税を受けられるのであれば受けたいですね。
海外在住者の特権と言えるでしょうか。ぜひ利用したいところです。
- 日本で免税購入対象になるには
- 今年の4月からルールが改正された
- 免税対象者の分別はどうするのか
- 海外居住者は免税制度を利用しよう
日本で免税購入対象になるには
普通に考えれば『日本人が日本で購入して免税』であるはずはありません。消費税を支払うのはご承知のとおりです。ですので、そのための条件があります。
非居住者であって、国内以外の地域に引き続き2年以上住所又は居所を有する者であることについて、その者に係る領事館(領事館の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含みます。)の在留証明又は戸籍の附票の写し(最後に入国した日から起算して6月前の日以後に作成
されたものに限ります。)により確認された者。
※国税庁の資料から抜粋
お役所が書いた文章なので分かりづらいのですが、要約すると次のとおりです。
・日本国外に2年以上住んでいる
・住んでいる国、もしくはその地域の在留証明書か戸籍の写しがある人
『海外に2年以上住んでいます』という証明が出来れば、免税購入ができるということですね。
日本に住んでいる場合はやっぱりダメなんですね。
日本に住んでいて、消費税ゼロにはできません。こればかりは仕方のないところです。
今年の4月からルールが改正された
あまり馴染みがないせいか、大きなニュースにもなりませんでしたが、今年の4月にルールが改正されています。これまで日本国籍の人は『海外に2年以上居住する予定がある』で免税を受けられたのですが『すでに海外に2年以上居住している』点が大きな変更となっています。
なぜか?日本人に限らず外国人留学生に当てはまるケースが多いのですが、この免税制度を利用して、不審な免税での購入が繰り返されていることが背景にあります。
例えば2021年の4月に某百貨店で中国人男性が1億4千万円分!の免税購入をしたケース、また免税店での大量購入によって転売が横行しているケースが報告されています。そのため国税庁としても運用の厳格化が必要と判断したのです。
そういえば日本で購入したiPhoneが中国で大量に転売されているなんてニュースもありました。外国人絡みの転売って多いですね。
外国人だけでなく、日本でも転売が議論されているので、それを防ぐことが目的の1つです。
免税対象者の分別はどうするのか
同じ日本人であれば、店側が免税対象者なのかどうかを判断する必要があります。結構面倒そうですね。これはどうやっているのでしょうか。
日本国籍を有する者に対して免税販売を行う場合、その者が最後に入国した日から起算して6月前の日以後に作成された、その者に係る領事館の「在留証明」又は「戸籍の附票の写し」(以下合わせて「証明書類」といいます。)の提示を受けて、国内以外の地域に引き続き2年以上住所又は居所を有することの確認を行う必要があります。なお、証明書類の作成日時点において、「国内以外の地域に引き続き2年以上住所又は居所を有すること」が確認できる必要があります。
※国税庁の資料から抜粋
相変わらず分かりづらいです。要約すると以下になります。
・入国日より6カ月以上前に作成された海外在住証明書類の提示
・証明書類で2年以上国外に住んでいることが確認できる
お店側は上記書類を確認する必要があります。パスポートの入国スタンプもチェックされることになります。そのため海外在住でも、日本に入国してから6カ月以上経過すると認められません。例えば「実家に半年間居候していました』なんてケースはNGになってしまいます。
きちんと見分けないとならないから、書類の確認が必要なんですね。
購入する側からすると結構面倒ですが、仕方ないところでしょうか。
海外居住者は免税制度を利用しよう
海外に住んでいる方であれば是非活用したい免税での買い物。以前より書類の準備やらで面倒になりましたが、何よりも免税のメリットを活かしましょう。免税の対象となる商品や金額は以下の通り。
・事業用や販売用ではなく、個人で利用、消費するもの
・海外に持ち出すこと
・指定された方法で包装されている
・同じ店舗での1日の購入合計額が5,000円以上50万円未満
転売用や業務用はもちろんダメですね。個人利用で最大限に活用してはいかがでしょうか。
まとめ
- 日本国籍でも海外居住者は日本国内で免税での購入ができる
- 海外在住2年以上、日本入国6ヶ月以内が条件
- 免税を利用するのであれば必要書類を準備しておこう
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著者プロフィール
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大学卒業後、予備校講師などを経験し、海外渡航。
その後外資系企業に勤務し、2005年より再度海外留学を実行。
帰国後、それまでのキャリアよりも、金融や投資に関わる仕事をしたいと考え、海外就職をしました。
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