こんにちは、K2 College河合です。
先日増資を発表し、新株発行価格が566円と決まった楽天G公募増資の解説をします。これだけ逆風の中、楽天株に投資したいなんて投資家はいないんじゃないかって思ってしまいますが、それでも株の買い手を見つけてくるのが幹事証券会社。セールスをされた時の参考にしてください。
社債発行にIPO、そして今回の増資と毎月のように資金調達しないといけないんですね。
この運転資金枯渇のスピードはすごいと思います。なかなか見れるものではありませんね。
- 公募増資の規模感
- 楽天G株価
- 相次ぐ格下げ(S&P:BB)
公募増資の規模感
今回の公募増資と第三者割当増資で最大3321億円を調達すると発表。しかし今回決まった価格から計算すると2942億円しか調達できないということになります。
三木谷浩史会長、親族、サイバーエージェント、東急などが引受先の第三者割当増資は418億円。公募増資と第三者割当増資で発行する株式数は最大5億4690万株で、発行済み株式総数に対する割合は最大34.33%に上ります。
楽天Gは携帯電話事業に参入した2018年以降、4年連続で最終赤字を計上。22年12月期は過去最大となる3728億円の赤字となり、18年12月期に10%を超えていた自己資本比率は4%まで悪化しています。
2023年1-3月期決算も825億円の最終赤字。4月の楽天銀行上場で700億円超の利益を計上するほか、保有していた西友株を220億円で売却することを合わせて発表したが、基地局建設に充てるために発行した社債や劣後債残高は9000億円規模。2024年だけで3000億円程度の社債償還を迎えるため、今回の増資分はこれに充てられると想像できます。
なんだか毎度足りない分をその場で調達しているので、今後もこれ続きそうですね。。
はい、大変だと思います。ケータイ事業しない方が良かったですね。。。
楽天G株価
今回の公募価格はその時の株価(584円)を-3.08%ディスカウントして、566円となったのですが、その後、楽天Gの株価は下落し、現在(2023.5.27)は575円となってます。公募で買った方が多少安いというところでしょうか。
ただこの5年チャート見る限り、楽天、これから良くなる見込みあるのでしょうか。。
すでに下げ切って底になっているようにも見えますね。
すうですね、将来の株価はなんとも言えませんが、ここ1年はそのようにも見えますね。
相次ぐ格下げ(S&P:BB)
2022年12月にS&Pが楽天Gの格付けをBB(投機的格付け)に格下げしましたが、今回、日本企業に緩い格付けをしている格付投資情報センター(R&I)もBBB+へ引き下げました。まだまだ格下げが続きそうです。
格下げが起こると、新たな債券を発行する際に、更に高い金利を設定しないといけないため、どんどん資金繰りが悪くなっていくこととなります。
一投資家として、とても投資しようと思えません。。
なおソフトバンクも同じBB(S&P)なので、そう考えるとまだ安心できるのではないでしょうか?
まとめ
- 楽天G株へ投資をするのはやめよう
- もっと良い銘柄は世界中にたくさんある
- 個別銘柄はやはりリスクが高い
- インデックスやヘッジファンドで分散しよう
こうした公募やIPOは幹事証券が営業力を使い、どんどんセールスしてくるためどうしても買わされる機会というのが増えてしまいます。そのためこうした客観的情報をご自身でも持っておいて、投資するのかしないのかを決めていきましょう。
またこうした個別銘柄はリスクが高く、当てっこになるので、なかなかちゃんとした資産運用になりません。こういうのとは別に、ちゃんとした金融商品で大事な資産を増やしていくこともしていきましょうね。ご相談はいつでもこちらからどうぞ(無料)。
著者プロフィール
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<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
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