失業率上昇とともにリセッション(景気後退)へ

こんにちは。K2 College大崎です。

米労働省が6月2日に発表した米国の5月雇用統計では、非農業部門雇用者数は33.9万人増と、市場予想の約19万人増を大幅に上回って労働市場の堅調ぶりが確認された一方で、前月に3.4%にまで低下した失業率は3.7%と大きく上昇し、強弱入り交じる内容となったとメディアでは報じられております。

そして、5月雇用統計が強弱まちまちの内容となったことで、6月のFOMC(連邦公開市場委員会)では利上げが見送られ、7月に再開するという見解が聞かれるようになっております。

  • 雇用統計は「家計調査」と「事業所調査」2つの調査から成り立っている
  • 新規就労者は外国人労働者
  • リセッション(景気後退)を見越して投資対象を変える

雇用統計は「家計調査」と「事業所調査」2つの調査から成り立っている

どうして雇用者数は33.9万人増と市場予想を大幅に上回るような堅調な労働市場のが確認されているのに、失業率は大幅に上昇しているのでしょうか。

ひとつは、米雇用統計は「事業所調査」と「家計調査」の2つの調査から成り立っており、それぞれの調査方法が異なるからです。

非農業部門雇用者数、平均時給、平均労働時間は「事業所調査」から出されますが、約12万2千の企業・政府機関、約66.6万の個人事業主対象としてサンプル調査をしております。

そして、失業率、労働参加率といった数字は「家計調査」から出されますが、約6万世帯を対象にサンプル調査をしております。

「家計調査」では失業したと回答している人が増えているのに、「事業所調査」で新規雇用が増えているのは、パートタイムなどの掛け持ちで仕事をしている労働者を雇用している数が増えているからです。

実際、「家計調査」では2022年の大半は新規雇用がほとんどなかったのに、「事業所調査」では同じ期間に200万人以上の新規雇用が増えたとされています。

新規就労者は外国人労働者

5月雇用統計で非農業部門雇用者数は33.9万人増と労働市場は堅調と報道されておりますが、これはその多くは外国人労働者が増えているからですね。

実際、米国人労働者数の推移を見てみると、現在は約1億3110万人で、コロナショック前の1億3170万人から50万人以上減少したままです。

一方、外国人労働者の数はコロナショック前を回復しただけでなく、急上昇しており、現在は3,100万人を超えております。

リセッション(景気後退)を見越して投資対象を変える

雇用統計において、時間当たりの賃金は前月比+0.3%と、前月の同+0.4%から鈍化しているようですね。

これも米国人よりも賃金が安い外国人労働者が増えているからでしょう。

アメリカの個人消費はアメリカのGDPの約70%を占めておりますので、失業率が上昇すれば消費にお金が回らなくなり、企業業績も低迷していくでしょう。

また、現在、米国ではホームレスや万引きが増えており、万引きの増加は企業業績の低迷を招くどころか、店舗閉鎖に追い込まれているケースが相次いでいるようです。

万引きといえば、以前は自分が欲しい食料品や日用品程度の物を盗む程度だったのですが、現在は、転売を目的とした高額品の万引きが増えているようで、それほどお金に困っている方が増えてきているのではないでしょうか。

以前、リセッション(景気後退)と投資戦術の記事で、失業率が上昇していく段階でもリセッション(景気後退)に陥っていることが確認できるとお伝えしましたが、

雇用統計でも失業率は3.7%と大きく上昇してきておりますし、銀行が企業や個人への融資基準を引き締めておりますので、今後も企業の倒産や失業が増えてしていく可能性もあります。


現在、AIブームでハイテク・グロース株などが上昇しておりますが、米企業の業績は2四半期連続で悪化しており、長期にわたる利益の落ち込みも見込まれております。

心配な方は、一部資産を市場の変動に影響を受けにくいオルタナティブヘッジファンドに分散投資をして、資産を減らすことなく、安定運用をしておくと良いでしょう。

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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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