ポートフォリオへの「ビットコイン」組入れ効果

こんにちは。K2 College大崎です。

近年、現物ETFの承認や機関投資家だけでなく、一般企業や政府によるビットコインの保有が広がる中、暗号資産は本格的な投資対象として注目されています。

かつては価格変動の激しさが敬遠されていましたが、現在ではボラティリティも落ち着きつつあり、分散投資の一部として活用する動きが進んでいます。

今回は、ビットコインの特徴やリスク管理の観点から、組み入れの効果を解説します。

  • ビットコインの特徴
  • 暗号資産のボラティリティが低下傾向にあり、ポートフォリオに組み入れやすくなっている
  • 他の資産との相関が低いため、リスク軽減やリターン改善につながることもある

ビットコインの特徴

ビットコインは、中央管理者のいない分散型デジタル通貨として2009年に誕生しました。発行上限が2,100万枚と決められており、インフレに強い資産とされることが特徴です。

金融緩和が続く中で「デジタルゴールド」としての注目も高まり、長期的に価値を保存できる資産という見方もあります。一方で、価格の変動幅(ボラティリティ)は非常に大きく、ハイリスク資産としての側面も併せ持ちます。

また、株式や債券といった伝統的資産とは異なる値動きをするため、他の資産との相関が低いという点も注目されています。これは分散投資の観点からは重要で、少量のビットコインを組み入れることで、ポートフォリオ全体のリスクやリターンの特性を改善できる可能性があることを意味します。

その一方で、ビットコインのようなボラティリティの高い資産は、組入れ比率が増えるにつれてポートフォリオ全体の「リスク寄与」が急激に高まる傾向があります。リスク寄与とは、全体のリスクに対して各資産がどれほど影響を及ぼしているかを示す指標であり、価格変動の激しい資産は比率が少なくても全体に大きな影響を与えることがあります。

たとえば、仮にポートフォリオの中でビットコインの構成比率がわずか2%であっても、そのリスク寄与は20%前後に達する可能性があります。構成比率を10%まで増やすと、ビットコイン1つでポートフォリオ全体のリスクの約半分を担う状況となり得ます。このように、数量以上にリスクへの影響が大きいため、ビットコインを導入する際は比率だけでなく、リスク寄与の視点から慎重に検討する必要があります。

少しだけでもビットコインをポートフォリオに入れる価値はありますか?

少量でも価値があります。

暗号資産のボラティリティが低下傾向にあり、ポートフォリオに組み入れやすくなっている

かつては極端な価格変動が続き、「投機的な資産」とみなされていたビットコインや暗号資産(仮想通貨)ですが、近年ではボラティリティの低下傾向が見られます。

特に現物ETFの承認や大手金融機関の参入が進む中で、市場の厚みが増し、取引の安定性が高まってきています。

これにより、暗号資産は従来の「ハイリスク・ハイリターン型」から、「ポートフォリオの一部として使える選択肢」へと徐々に認識が変わりつつあります。

もちろん、株式や債券と比べれば依然として高いボラティリティを持ちますが、過去と比較するとその振れ幅は明確に減少傾向です。これは、リスク管理の観点からも組み入れやすくなったと言えるでしょう。

ただし、ボラティリティが落ち着いたからといって組入れ比率を高めすぎると、依然として価格急変時にポートフォリオ全体への影響が大きくなるリスクは残ります。

たとえば、全体の10%をビットコインに投資した場合でも、リスク寄与は50%以上に達するケースもあるため、少量からの導入が推奨されます。暗号資産を「メイン資産」ではなく、「補完的なリスク分散資産」として位置づけることが重要です。

最近は、暗号資産の値動きも安定してきましたか?

以前より価格変動は緩やかです。

他の資産との相関が低いため、リスク軽減やリターン改善につながることもある

ビットコインをはじめとする暗号資産の魅力の一つは、株式や債券などの伝統的資産と比較して相関が低いという点です。

相関が低いということは、ある資産が下落しても、もう一方の資産が同時に下がるとは限らないことを意味します。これにより、ポートフォリオに暗号資産を少量組み入れることで、全体の値動きを滑らかにし、リスクを抑える可能性があります。

たとえば、相場全体が下落している中でもビットコインが堅調であれば、損失を一部カバーすることができ、逆に株や債券が好調な時期にビットコインが低調でも、全体のリターンは安定しやすくなります。これは「分散効果」と呼ばれ、現代ポートフォリオ理論でも非常に重要な概念です。

とはいえ、注意すべき点もあります。ビットコインの相関が低いというのは「平均的に見てそうである」というだけで、例えば金融危機や大規模なリスクオフの局面では、あらゆる資産が一斉に売られる傾向があるため、相関が一時的に高まる可能性があります。

また、組入れ比率が高くなると「相関が低い」メリットよりも「ボラティリティの高さによるリスク寄与」が目立つようになります。

したがって、ビットコインは「リスク分散の補助役」として活用し、過度な比率に頼らない設計が重要です。段階的な組入れと、ポートフォリオ全体のバランスの見直しが、効果的なリスク・リターンの改善につながります。

なお、こうした暗号資産の特性を活かしながら、少額からETFを通じてビットコインへ分散投資ができたり、状況に応じて柔軟に配分を見直す仕組みを提供しているプラットフォームも存在します。

このような管理ツールを使えば、資産配分や段階的な組入れが手軽に行えるため、リスクを抑えながら暗号資産を活用したい投資家にとって有効な選択肢となるでしょう。

そのプラットフォームについて教えて欲しいです。

こちらから「ビットコインETF投資プラットフォーム」資料希望とお問合せください。

まとめ

  • ビットコインは分散投資に有効
  • 少額の組入れでも効果がある
  • リスクを抑えつつ段階的に導入

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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