オリックス生命 米ドル建終身保険Candle〔キャンドル〕

オリックス生命 米ドル建終身保険 Candle キャンドル

こんにちは、K2 Collage 松本です。

今回はオリックス生命の米ドル建終身保険Candleを解説します。米ドル建の終身保険ですが、他社にはない特殊な保障内容にすることで、払込終了後の返戻率が高く設定されています。主に貯蓄(教育資金、老後資金など)をメインに契約されている方が多いと思います。改めて日本の保険会社の米ドル建終身保険はどういうものなのか確認して頂けたらと思います。

返戻率が他社と比べて高かったのでキャンドルに加入しました。

確かに返戻率は、日本の米ドル建終身保険の中では郡を抜いてトップです。その代わり保障内容が心許ない部分があるので、そこを理解した上でどのように教育資金や老後資金の備えをするべきか確認してください。

  • 動画解説
  • オリックス生命は代理店販売がメイン
  • 返戻率が日本ではトップの米ドル建終身保険
  • 解約返戻率は30年で128%、実質利回りは1.57%

動画解説

オリックス生命は代理店販売がメイン

会社概要

オリックス生命はオリックス100%出資の日本の生命保険会社です。1991年4月にオリックスとユナイテッドオブオマハ生命保険会社(米国)の合弁会社として「オリックス・オマハ生命保険株式会社」が設立されました。1992年11月にオリックスグループ100%出資となり、1993年2月「オリックス生命保険株式会社」に社名変更して現在に至っています。販売チャネルのメインは保険代理店、金融機関代理店、インターネット(通信販売)で、2016年から対面直接販売を行っています。

会社設立:1991年4月12日
資本金:590億円
総資産:2兆2,718億円(2020年度)
保有契約高:14兆941億円(2020年度)
保有契約件数:479万件

格付情報

R&I:AA-(2021年6月30日現在)

ソルベンシーマージン比率

1,517.0%(2020年度)

オリックスという会社は身近によく聞くので親しみはありますね。

イメージだけで判断するのはダメですが、実際に格付の評価は高いので健全な会社と言えます。会社の総資産だけでいえば「中の下」くらいです。

返戻率が日本ではトップの米ドル建終身保険

契約概要

商品名:米ドル建終身保険Candle〔キャンドル〕
正式名称:<無配当 指定通貨建特別終身保険(低解約返戻金型)>
契約年齢:15歳〜80歳
払込期間:10〜20年払済、50〜80歳払済で選択(年齢によって異なる) ※1
払込頻度:月払、半年払、年払


※1 契約年齢と払込期間

保障内容

  • 死亡、災害死亡、高度障害になったときに、保険金を受取ることができます。

商品解説

低解約返戻金型の米ドル建終身保険です。終身保険なので一生涯の死亡保障貯蓄機能がありますが保険料払込期間中の普通死亡では、それまでに支払った保険料分を死亡保険金として受け取るだけになります。また貯蓄性も低いので、貯蓄を目的で契約する必要はありません。ただ日本の米ドル建終身保険の中では郡を抜いてトップの返戻率です。払込期間を15年と短く設定することで学資準備を目的に契約されている人もいるでしょう。

日本でトップの返戻率なら加入してもいいと思うのですが、いかがでしょうか?

返戻率は他社と比べて高くても実際の利回りだと低いのです。また貯蓄の方法は保険だけではありません。そして一生涯の死亡保障を用意する場合は、死亡保障に対して総支払保険料がいくらになるのかを確認してください。次のチャプターで具体的なシミュレーションの数字を見ていきましょう。

保険用語については下記のリンクで詳しく解説しています。知らない方は併せて読んで頂く理解が深まります。

『予定利率』『積立利率』『利回り』とは?

解約返戻率は30年で128%、実質利回りは1.57%

パンフレットに載っているご契約例は以下の通りです。

契約年齢:30歳 男性
死亡保障:USD 100,000
保険期間:終身
払込期間:60歳払済
払込頻度:月払
保険料:USD 147.5

総支払保険料:USD 53,100

<解約返戻金と返戻率の推移>
30年後(60歳):USD 68,220(128.4%
40年後(70歳):USD 77,510(145.9%
50年後(80歳):USD 86,694(163.2%


このようになります。返戻率だと高く見えますが、実質利回りで計算すると下記の通りです。

<実質利回り>
30年後(60歳):1.57%
40年後(70歳):1.46%
50年後(80歳):1.37%


保険会社に30年間保険料を支払い後の利回りは1.57%と貯蓄性の低さは明らかです。そして可笑しな事にその後寝かせておくと利回りが低くなっていくという現象が起きています。普通は逆なんですけど、それだけ元々の利回りが低いと言うことです。そして保険料払込期間中は災害死亡しか10万ドルの死亡保障がありませんから、死亡保障が必要な人は別で備えておく必要があります。

そして、総支払保険料にも注目してください。USD 100,000の死亡保障を購入するためにUSD 53,100を支払うことになるので、死亡保障に対して半分以上も保険料を支払わないといけません。

確かに利回りでみると微妙ですが、銀行の金利より高いから良いかと思いました。

確かに銀行の金利よりは良いのですが、そこと比べても仕方がありません。一生涯の死亡保障を用意するという点でもコスパ悪いですし、貯蓄や資産形成という目線で考えると魅力は全くありません。一応米ドル建なのでインフレには対応できますが、利率の低さが大きな弱点です。

同じ米ドル建終身保険であれば、貯蓄と死亡保障の両立ができる海外の終身保険を選択肢にいれてください。海外であれば総支払保険料の3〜7倍もの死亡保障がありながらも実質利回り4〜6%ほどで運用もできます。
詳しくは下記の入門書をダウンロードして一読ください。

※『海外保険入門書(マニュアル)』はこちら(無料)【NEW】

【まとめ】加入しないでください。

終身保険の特徴は、死亡保障と貯蓄の両立が出来ることですが、キャンドルの場合は
・貯蓄性が低すぎる
・保険料払込期間中の保障内容が弱い

・死亡保障に対する保険料が高い
という理由でオススメできません。

既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?

契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。

※直接相談(無料)

まとめ

  • 加入するのはやめよう
  • 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
  • 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(終身保険はしないで)

著者プロフィール

松本崇裕
松本崇裕
大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。

外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランナーとして6年3ヶ月勤務。

また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。

そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。

クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。

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