三菱UFJ 新興国債券ファンド 通貨選択シリーズ 〜三菱UFJ国際投信

こんにちは、K2 College河合です。

先日はDWS ロシア・ルーブル債券投信の解説をしましたが、本日はロシア債券も一部投資をしている三菱UFJ 新興国債券ファンド 通貨選択シリーズについて解説しようと思います。ロシア債券がどのくらい入っているのか?選んだ通貨によってどれほどパフォーマンスが異なっているのか?を確認しようと思います。

高金利だということでエマージングボンドが流行った時期がありましたよね。最近はどうなんでしょうか?

エマージングボンド、ハイイール債券など流行ってもいましたが、もっと人気があるのはUS-REITのようです。とはいえまだエマージングボンドも残高たくさんあるので、しっかり解説していきます。

  • 動画解説
  • 新興国債券ファンドの投資先
  • 通貨ごとのリターン推移

動画解説

新興国債券ファンドの投資先

まずはこのファンドが投資しているマザーファンド『ピムコ ケイマン エマージングボンド ファンド』の投資先を確認します。国ごとに見てみるとアフリカ、インドネシア、中南米、ロシア、トルコなど、かなりカントリーリスクの高いところへ投資しています。格付けも投機的(ジャンク)とされるBB格以下で半分となってます(50.7%)。今問題になっているロシア3.4%です。

組入上位10銘柄を見てみると、パナマ、ドミニカ、トルコ、ブラジル、オマーン、ロシア、メキシコと並び、クーポン(金利)5~9%満期(償還)短くて数年、長くて90年など様々です。格付けはいずれもBBB以下とかなり低いですね。つまりデフォルトリスクが高いのですが、今回のロシア、これまでのアルゼンチン、トルコ、パナマなどのように、デフォルトはちょいちょいあります。

満期までの平均期間(デュレーション)7.2年。その間の最終利回り年6.3%なので、デフォルトリスク高い割にそんなに金利つかないな、という印象です。

10%くらい金利つくのかと思ってましたが、意外に低いんですね。アフリカ、南米とか怖い国ばかりです。。

その印象は合ってると思います。日本もかなり危ないとはいえ、流石にこれらの国ほどでデフォルトリスクは高くありませんよね。

通貨ごとのリターン推移

こちら直近1ヶ月の通貨ごとのパフォーマンスですが、通貨ごとに見てみると・・・

・金利
・為替プレミアム/コスト
・為替の上下
・債券単価の上下

がそれぞれ大きく異なることがわかります。金利が高い国の通貨は為替プレミアムもありますが、為替が上下しています。

債券単価は投資先マザーファンドが同じなので、どれも同じように動きはずなんですが、通貨ごとに大きく異なっているのが私にも理解できません。売買損益と書いてあるので、通貨ごとに売買するタイミング、基準が異なるのでしょうか。

人気のある米ドルコースとブラジルレアルコースだけチャートで比較してみようと思います。

<米ドルコース>

<ブラジルレアルコース>

上記、4点が大きく影響しているのがわかりますよね。いくら金利や為替プレミアムが高くても、結果的には米ドルの方が儲かっています。

私も以前、金利の高さに釣られてブラジルレアル建で投資していました。結果的に儲かりはしましたが、こうして比較してみると米ドル建の方が良かったんですね。

実際、ブラジル建で投資できるファンドは珍しいですから、最初はこの商品もブラジル建の方が売れてました。ただやはり長くは持てないんでしょうね(笑)。ボラティリティも高いし不安ということもあり、皆さん数年で売却してしまったようです(純資産総額参照)。

まとめ

  • 新興国債券(エマージングボンド)はリスク高いけれど、儲かっている
  • 年6.3%(最終利回り)
  • 通貨は米ドルで充分

ロシアの比率も低いですし、ウクライナ問題はそれほど影響なさそうですね。こういう時こそ分散の効果がありますよね。年6.3%以上の金利をご希望であれば、こちら海外投資入門書を参考にしてください。

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著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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