メットライフ生命でまた不正〜元社員が4700万円搾取!〜

こんにちは、K2 Collegeの野村です。
いつまで経ってもなくならない生命保険業界の不祥事。
ここ数年の生保業界の不祥事といえば、第一生命、かんぽ生命、ジブラルタ生命など挙げればキリがないですが、今回はつい先日発覚したメットライフ生命の不正について解説していきます。

  • メットライフ生命でまた不正〜元社員が4700万円搾取!〜解説動画
  • メットライフ生命とは?
  • 今回発覚した不正の経緯は?事件から見える加害者像は?
  • メットライフ生命のこれまでの不祥事
  • (まとめ)不正契約などに遭わない為には

メットライフ生命でまた不正〜元社員が4700万円搾取!〜解説動画

メットライフ生命とは?

会社概要

日本国内におけるアメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー(以下、アリコ)の営業は、長らくアリコが日本支社(通称・アリコジャパン)を設けて直接行っていました。2011年4月にアリコがメットライフ傘下になったことを受けて通称を「メットライフアリコ」に変更。

2012年4月、新たに日本法人となるメットライフアリコ生命保険を設立し、従来のアリコ日本支社が締結した保険契約をすべて日本法人に移しています。2014年7月に商号をメットライフ生命保険に、ブランド名を「メットライフ生命」に変更。

外資系生命保険会社の第1号であり、日本で48年の歴史を有する。販売経路としては、約4,300名のコンサルタント社員、約6,000店の保険代理店、テレビや新聞広告等を媒介とする通信販売、115の銀行や信用金庫等を通じた金融機関による販売の4つにチャネルが分かれている。

営業開始:1973年2月1日
事業所:103営業所(2021年3月31日時点)
総資産:34兆2,317億円(2021年3月31日時点)
保有契約高:13兆1,896億円(2021年3月31日時点)

格付情報

S&P:AA- (2021年3月26日時点)

ソルベンシーマージン比率

959.7% (2021年6月末時点)

今回発覚した不正の経緯は?事件から見える加害者像は?

今回のメットライフの不正契約については今月22日に発覚しました。
記事に関してはこちらをご覧ください。

外資系生命保険大手のメットライフ生命は22日、大阪府内で勤務していた50代の元男性営業社員が在職中に、顧客3人から計4700万円をだましとっていたと発表した

「高利回りの商品がある」と架空の保険商品を紹介するなどして、現金を手渡しで受け取っていたという。  
元社員は2007年に入社。不正は16年10月~21年6月に行われ、顧客3人の被害額はそれぞれ900万円、1400万円、2400万円。元社員は同社の調査に不正を認め、同社は警察にも相談している。顧客には同社が全額弁済した。今後、元社員に支払いを求めるという。  

21年12月、被害に遭った顧客から「保険料を支払ったが保険証券が届かない」などと相談があって発覚した。元社員はその直前に退職していたという。同社は「今回の事態を重く受け止め、営業社員の管理・指導について一層の徹底を図り、更なる再発防止に努めてまいります」とコメントしている。  

当然、あってはならない事件ですがここからは私個人の推測です。
この元社員は、2007年入社で昨年まで在籍していたということは10年以上営業として活動されていた事になります。
10年以上現場プレーヤーで活動されていたということは、それなりに優秀な営業マンだったと思います。このお客さんが手渡しでこの営業マンにお金を渡していたということは、それなりの信頼関係がないとできません。おそらくですが、年収は1000万円以上のMDRTクラスの方だったと思いますが、

  • 2019年の税制改正による法人契約の売止め
  • コロナ禍で売上が大幅にダウン

このダブルパンチで生活水準を下げられずに、資金繰りが困難になって不正に手を染めたのではないかと思います。

私も保険代理店に所属していた頃は営業マンと顧客との金銭トラブルも多々ありましたし、役員が会社のお金を使い込むなんてこともありました。普通に考えれば警察沙汰になって逮捕されてもおかしくないレベルですが、身内に甘いのはどこの業界も似たようなものかもしれませんね。

繰り返しますが、こういったことはあってはならないんですが、保険業界においては優秀な営業マン(元優秀といった方がいいですが)ほどこうした不正に手を染めるケースは多いので気をつけましょう!営業経験が長いほど口が上手くなるので、巧みに騙すテクニックさえも身につけてしまいます。
勿論、このように不正をする方はほんのごく一部だと思いますが・・・。

高給取りだった過去の栄光で、その時の生活費や交際費を下げられずに見栄と虚勢で生きてしまう末路ですね。

メットライフ生命のこれまでの不祥事

メットライフ生命の今回の不正ですが、実は昨年12月にも同様の事件は起きていました。
記事はこちらをご覧ください。

外資系生命保険大手のメットライフ生命で、60代の営業社員の男性が、約20年にわたり顧客ら8人から合計で7千万円をだまし取っていた。
保険の契約者向けの貸付制度を悪用していたという。同社は朝日新聞の取材に対し「事案があったことは事実」と認めているが、公表はしていない。

関係者によると、男性は北陸甲信越地方で30年勤務してきた営業の社員。解約時に契約者に戻る金額の範囲内でお金を貸し付ける契約者貸付制度を悪用。契約者の名義で無断で融資を引き出した。遊興費などに充てていたとみられるという。

2月に社内からの通報で発覚し、男性が不正を認めたため、6月に懲戒解雇にした。警察にも連絡したという。

これはまた違う不正で、お客さんの契約者貸付を活用し無断でお金を借りたり、保険契約を解約してその解約返戻金を詐取していたそうです。
同様の不正としては、20年末に第一生命保険で発覚した19億円の巨額詐欺事件があり、生保業界特有の事件であるともいえる。

また、この不正を受けてメットライフ生命は、この営業職員が担当していた既契約者百十数人全員に聞き取り調査をして、8人以外に金銭詐取の被害者はいないことを確認しているという。
ただ、調査の過程でこの営業職員が130件にも及ぶ「作成契約」を繰り返していたことがわかった。

同様の不正としては、2020年末に第一生命保険で発覚したあの19億円の巨額詐欺事件があり、生保業界特有の事件であるといえる。

作成契約とは、実在しない架空の人を名乗って保険契約を作成すること(架空契約)や、実在する人に無断で保険契約を作成すること(無断契約)。こうした行為は保険業法で「保険募集に関し著しく不適当な行為」とされている。
この営業職員は約25年前から作成契約を繰り返し行っており、契約締結後の一定期間後に保険を解約・失効させ、再び新たな契約を締結することで、新規契約の実績を積み上げていたという。
金銭詐取もほぼ同時期から行われており、「詐取した金銭を保険料支払いの原資に充てていた可能性が高い」とメットライフ生命は説明している。

また、2019年6月にはこんな事件が・・・。
メットライフ生命、同社元乗合代理店店主等の金融商品取引法違反容疑での逮捕に関して状況等を公表

これらはおそらく氷山の一角でこれまでも今後も同様の事件が表に出てきそうですね。

(まとめ)不正契約などに遭わない為には

いつになってもこうした不正行為が無くならないのはなぜでしょうか?
いくつかまとめると以下の点について担当者から話が出た時には注意が必要です。

  • 「あなただけ特別に高金利の商品がある」と言われる
  • 「こちらの口座に振り込んでください」と担当者個人の口座もしくは手渡し
  • 保険会社ではなく、担当者個人と連絡のやり取りをさせる
  • 契約者貸付のお金を保険会社が間違えて振り込んだので、担当者個人口座に返金して欲しい

これまでの不正契約はこのようなケースがほとんどです。また、保険証券や領収書などは簡単に作成できますので、それがお手元にあるから安心とはいえません。

怪しいと思ったら、担当者だけとやり取りは避けて、必ず保険会社に直接するかコールセンターの部署もありますので、お金を払う前に必ず確認しましょう。

不正契約がこの世からなくなる事を切に願うばかりです。

まとめ

  • メットライフ生命は日本で最初に誕生した外資系生命保険会社
  • 今年4月22日に不正契約が発覚!元社員が4700万円搾取
  • 過去にも不正契約や金商法違反で逮捕されているケースもある
  • 怪しいと思ったら必ず担当者ではなく、保険会社に連絡して事情を確認しよう!
  • 知っている会社、担当者との付き合いが長いというだけで全てを判断しない

今回はメットライフ生命でまた不正〜元社員が4700万円搾取!〜についてコラムを書きましたがいかがでしたでしょうか?これだけネット社会になっていますので、「手渡し」で金銭の授受をすることなんてあり得ません。担当者との何十年来のお付き合いといっても、その方の懐事情は当然分かりません。お金で人はすぐに変わります。担当者とお客さんだけのやり取りを求めてきたら必ず疑ってかかりましょう。有名な保険会社だから安心、海外の保険会社だから怪しい・・・とは一概に言えません。
不祥事続きの保険業界で嫌気がさしたなどという方は是非弊社のビジネスパートナーとしての活動をおすすめします。
これまでのキャリアを活かしてプラスアルファの提案をしていきましょう!

また、弊社ビジネスパートナーも随時募集中しております!
*パートナー募集はこちら

著者プロフィール

野村元輝
野村元輝
<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。

その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。

弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。

現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。

この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/5225/trackback