こんにちは、K2 College河合です。
本日は野村證券のファンド『野村中国債券ファンド』を解説したいと思います。中国って言うだけで悪いイメージある方が多いとは思いますが、株としては魅力的な中国。債券はどうなんでしょうか?
中国株は随分下がってますよね。ソフトバンクもアリババ売ったそうだし、投資するのが不安です。
株と債券は全く別物なので、今日は頭を切り離して読んでみてください。
- 動画解説
- 拡大する中国債券市場
- 中国債券の利回り
- 安定したリターン出している『野村中国債券ファンド』
動画解説
拡大する中国債券市場
中国債券の市場規模はなんと世界第2位。日本の倍近く債券が発行されています。
しかも元々共産主義の鎖国を敷いていたので、外資が入っていませんでした。それを市場解放により、2002年(ちょうど私が中国留学を始めた年)から外国人投資家もどんどん増えてきています。
指数に採用されることによって、ファンドマネーが入ってくるようになり、どんどん資金調達できるようになってます。
そしてこれからもその傾向は続きます。
拡大していくというのがハッキリしているんですね。それは投資パフォーマンスにとってもプラスになるのでしょうか?
既存の債券も買われるので、債券単価上昇に寄与します。債券は満期には必ず100円は100円になって返ってきますが、今回のようなファンドのように、常に時価を評価されるようなケースは基準価額が上がっていくことになります。
中国債券の利回り
中国債券は大きく分けて3種類あります。人民元建で中国国内に販売しているものと、外国人向けに販売されているもの、そして米ドル建て債券です。
平均の格付けと利回りは・・・
平均格付け:A+
平均利回り:2.6%
とゼロ金利政策、もしくはマイナス金利を取っていた2002年3月時点では先進国と比べ利回りは良く、インド、ブラジルなど主要新興国よりは悪いというイメージです。
リスク=リターンを他の資産と比べてみると、先進国債券の中では最もハイリスク=ハイリターンになっていることがわかります。
他の新興国債券と比べると低リスク=低リターンだとわかりますね。
債券=借金ですから、債券が多いってことは、国の信用にとって良くないのでは?と思いますよね。そういう時にGDPに占める債券の割合という見方をします。つまりGDPが高ければ、借金をしていても問題ないということなんですけど、この基準で言うと日本はダントツでひどい状況。その次に最大の債券市場である米国が悪い。その後、英国、ドイツなど良いと思われている国が来て、中国はその後です。つまり中国は借金以上の価値ある生産をしているということです。
気になるデフォルト(倒産)、つまり債券で言うほぼ唯一のリスクですが、ずっと1%ない状態だったのにも関わらず、米ドル建ては2021年に急に増えました。気になるところですね。
次にこのファンドは円建てになっており、人民元建、米ドル建てで運用するこのファンドからは年2.2%ほどの為替ヘッジプレミアムがもらえます。
ブラジルやインドのような新興国債券をイメージしてましたが、どうもそれよりも安定した投資になりそうですね。
そうですね、ミドルリスク=ミドルリターンというところでしょう。
安定したリターン出している『野村中国債券ファンド』
債券リターン+為替ヘッジプレミアム=5.3%
というリターンだと思ってください。組入銘柄はたったの29銘柄となってますが、実は未だ資産残高が3億円ないので、この程度の分散にしかなっていないのだと思います。
投資先は70%が米ドル建て債券となっているので、先ほどのデフォルト率が気になりますね。しかも29銘柄しか分散していないので、当たってしまったら嫌だな、と感じます。
しかしながら今のところは安定したリターンを出しています。運用開始から3年で+31%。年換算したら10%のリターンです。上の数字プラス、債券単価の上昇があったということですね。
なんかとても魅力的に思えてきました。残高が少ないのはマイナスではないのでしょうか?
分散投資ができないという意味ではマイナスですね。またファンドを運営するのにもお金がかかっており、そのコストが見合うのが30億円程度だと言われていますから、このままだと精算(償還)ということもありえます。ただその時まではこのような運用が続けられることでしょう。
まとめ
- 中国債券は魅力的
- 年10%の安定したリターン
- 余剰資金があったら投資しておこう
中国債券ファンドというのは実は珍しく、海外積立の中でもまだ選ぶことができません。そのため分散投資をしておきたい方にはとても良い投資先だと思います。
※『海外積立入門書(マニュアル)』はこちら(無料)【NEW】
著者プロフィール
-
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
最近の投稿
この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/6849/trackback