こんにちは、K2 College 松本です。
今回はJA共済の終身保険「終身共済」を解説します。コスパや保障内容を含めて、日本の保険会社の終身保険はどういうものなのか確認してください。
JAの職員に勧められて、加入しようか考えています。掛け捨てはもったいないので終身保険が良いかと思っています。
たしかに「何となくもったいない」気持ちは分かります。ただ掛け捨てにもメリットはありますし、終身保険のデメリットもあるので、それらを理解した上で判断した方がいいです。この記事で一緒に確認していきましょう。
- 動画解説
- JA共済は超巨大組織!
- 普通の円建終身保険
- 割高な保険料
- 契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。
動画解説
JA共済は超巨大組織!
会社概要
JA共済は、農業協同組合(JA)とJA共済連が共同で終身共済、医療共済、年金共済、建物更生共済、自動車共済などの「ひと・いえ・くるま」の総合保障を行っている。その中でJA共済連は、JAと連携・協調しながら共済業務を総合的にバックアップするとともに、さまざまな企画や開発、資金運用などを行っている。なお、JAは組合員の相互扶助を目的として設立された非営利団体であるが、農協法に抵触しない一定の範囲で組合員以外の利用(員外利用)も認められている。
設立:1851年
保有契約高:2兆3,191億円(2022年3月末)
総資産:58兆1,926億円(2022年3月末)
格付情報
JCR:AA+
R&I:AA
ソルベンシーマージン比率
1,357.3%(2022年3月末時点)
こんな大きな会社なんですね。
非営利の団体なので数字のイメージがないと思いますが、総資産で見ると日本生命、かんぽ生命に次いでJA共済が入ってくるので規模としてはトップクラスです。また格付けやソルベンシーマージン比率からも十分に信頼できる団体といえます。
普通の円建終身保険
契約概要
商品名:終身共済
契約年齢:0歳〜75歳
保険期間:終身
払込期間:50歳〜80歳(5歳刻み)、99歳
払込頻度:月払、年払
保障内容
死亡や所定の高度障害になったときに、保険金を受取ることができます。
商品解説
ごくごく普通の円建終身保険です。保険料の支払が終わっても一生涯の死亡保障と貯蓄機能がありますが貯蓄性はとても低いので、貯蓄を目的で契約する必要はありません。また一生涯の死亡保障に対する保険料も高いです。
貯蓄もできるので加入したのですが、高いってどういうことでしょうか?
終身保険を契約する場合は、死亡保障に対して総支払保険料がいくらになるのかを確認してください。次のチャプターで具体的なシミュレーションの数字で確認していきましょう。
保険用語については下記のリンクで詳しく解説しています。
※『予定利率』『積立利率』『利回り』とは?
割高な保険料
下記の契約例を見ていきましょう。解約返戻金などは記載がないので、分かる範囲で解説します。
契約年齢:30歳 男性
保険期間:終身
保険金額:1,000万円
払込期間:60歳
払込頻度:月払
保険料:25,090円
総支払保険料:9,032,400円
民間保険会社と比較してみましょう。オリックス生命「終身保険RISE」だと同じ保障内容で保険料が21,640円になります。毎月3,450円の差ですが、30年となると124万円の違いになります。全く同じ保障内容ですし、解約返戻率もオリックスの方が高いので、JA共済を選ぶ理由が全くありません。また総支払保険料にも注目してください。1,000万円の死亡保障を購入するために903万円を支払うことになり、保険会社の上乗せは97万円しかありません。死亡保障に対する保険料も割高ですね。
死亡保障があるからこういうものかと思っていました。
円建終身保険は一生涯の死亡保障を用意するという点でもコスパ悪いですし、貯蓄や資産形成という目線で考えると魅力は全くありません。そもそも円建だとインフレに対応できないので、少なくとも米ドル建の終身保険にしましょう。
ただ日本の米ドル建終身保険も利率が低すぎて、契約する意味がないので、貯蓄と死亡保障の両立ができる海外の終身保険を選択肢にいれてください。海外であれば総支払保険料の何倍もの死亡保障がありながらも実質利回りで4〜6%ほどで運用もできます。
詳しくは下記の入門書をダウンロードして一読ください。
※『海外保険入門書(マニュアル)』はこちら(無料)【NEW】
契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。
終身保険の特徴は、死亡保障と貯蓄の両立が出来ることですが、日本の終身保険は
・貯蓄性が低すぎる
・死亡保障に対する保険料が高い
という理由でオススメできません。
既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?
契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。
※直接相談(無料)
まとめ
- 加入するのはやめよう
- 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
- 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(終身保険はしないで)
著者プロフィール
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大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。
外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランコンサルタントとして6年3ヶ月勤務。
また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。
そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。
クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。
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