こんにちは、K2 College奥山です。
企業に対し気候変動リスクの開示を義務付ける動きが加速
人類が地球の気候変動に与える影響を真剣に考え、環境に配慮した行動を常に心掛けている人もいれば、人間の営みが気候に影響を与えているという考え方自体を懐疑的に見る人もいるでしょう。ただ世界が冒頭の記事のような流れの中にあることは間違いなく、日本でも金融庁が「(上場企業や非上場企業の一部が提出する)有価証券報告書に企業の気候変動リスクの開示を義務付ける」ことを検討するための会議を立ち上げた、というニュースが出回ったのは記憶に新しいところです。最近は「気候変動」や「脱炭素化」といったワードをメディアで目に/耳にしない日はないぐらいですよね、前向きなニュースやそうでないものも合わせて…
オフショアでしかできない事業リスク対策「キャプティブ」
ところで海外・オフショア投資というと、生保やファンド会社等が提供するツールを使った「運用」や「貯蓄」のイメージが強いと思いますが、法人が事業リスク対策のために海外・オフショアを利用するといったものもあり、これについては(気候変動に起因する)自然災害大国である日本において、大企業が率先して取り組みを始めているのはもとより、最近ではオーナー企業さんの間でも活用する動きが広がってきています。
実際にどのようなことが行われているのかというと、日本国内の事業主がハワイとかラブアン(マレーシア)といったオフショア地域に自前の保険会社を設立し、事業主が国内の損保会社から保険を買う時に「我が社で設立した再保険会社で再保険を掛けてください」とお願いするというもので、この「自社グループの中に設置する、自社グループのリスクを専門的に引き受けるための保険会社」をキャプティブと言います。
このスキームの最大のメリット(の一つ)は、「元受保険会社(日本の損保)では引受が難しいリスク(例、地震)」や「掛金が高額なリスク」の一部を自社で引き受けることによって、保険内容の充実やコストの削減ができるということですが、他にも、キャプティブが再再保険市場で同じ補償を安い保険料で調達することができれば、保険事業収益を得ることができることや、キャプティブ内の資金(例、資本金や責任準備金)を上手く運用できれば、運用収益も期待できること等が挙げられます。
日本で普及していないからこそビジネスチャンスが⁉︎
保険の本場であり、リスクに対して常にシビアな欧米では、事業が継続できなくなるあらゆる事態を想定し、それに対して積極的に保険を掛けていくことが当然のように行われていて、米国ではS&P500企業の6割以上がキャプティブを導入しているなんて話も聞いたことがあるのですが、日本では一部の大企業といった例外はあるものの、全く普及していないと言っても大袈裟ではないのではないでしょうか。少なくとも私の周りでこちらから話を持ち出す前に知っていたという人はほぼ皆無です。
確かに「どんな企業さんにも利用いただけますよ」と言えるものではありませんし、事業規模について言えば年商2〜30億円位あるような会社さんでないと費用対効果が悪く、取り組む意味がないかも知れません。しかも「外国に自社の保険子会社を作る」と聞いただけで思考停止に陥ってしまう人も少なくはないでしょう。更には登場人物が弁護士、会計士、保険数理士、銀行、保険会社…、なんてことになったら私だって途方に暮れてしまいます。
ところが、弊社の取引先さんで、コンサルティングからスキームの考案、組成のサポート等を一括で引き受けてくれるところがあるんですよね、しかも日本語で。
自然災害大国である日本こそ
日本が世界でも有数の自然災害大国であることは言わずもがな。ドイツNGOジャーマンウォッチが発表した「世界気候リスク指標2021」には気候変動のリスクに晒されている国がランキング形式で紹介されていて、日本は第4位。先進国の中では圧倒的1位です。
事業リスク対策については多くの日本企業にとって喫緊の課題であり、行政や世間もその流れにあるにも関わらず、取り組んでいる企業が少ないのは、必要性が実感できないということの他に、「何をしたらいいのか分からない」「誰に相談したらいいのか分からない」ということもあるのではないかと思いますが、海外・オフショアを活用することができるのです。因みに上述のお取引先さんでは、不足の事態が発生して事業が停止してしまった場合に発生する損失額の算出もサポートしているとのこと。そりゃ日本の損保にこんなこと相談できませんよね、実は海外の保険会社を利用しようとしているのに…
パートナーさんからのお問い合わせも増えてきています
パートナーさん達の得意分野も皆さんそれぞれですが、キャプティブについては日本では未だ普及していない分野なため、これを力を入れているパートナーさん曰く「ブルーオーシャン」。他社・他者との差別化を計りたい人にはピッタリじゃないでしょうか。パートナー登録にご興味ある方、いつでもご遠慮なくお問い合わせください。
著者プロフィール
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<経歴>
獨協大学外国語学部卒業
オーストラリア・シドニーで日系旅行会社(近畿日本ツーリスト)、英系オンラインFXプロバイダー(CMC Markets)に勤めた後、結婚を機に妻の出身地である香港に移住。同地で独立系IFA(Jumbo Alliance Funds)に10年、新生銀行資本のNippon Wealth Limitedに3年勤務し、為替、債券、投資信託、及び保険といった金融商品の販売や取引先の開拓に従事。20年に及ぶ海外生活に終止符を打ち、2021年春に日本に帰国し、同年5月にK2 Holdingsに参画。
<趣味>
旅行、読書、テニス
<出身地>
埼玉県川口市
<自己紹介>
ホテル・レストラン経営を学ため、ホスピタリティーのメッカであるオーストラリア・シドニーに留学し、一旦は現地で旅行会社に就職したのですが、友人の影響を受けて株式投資を始めたことを機に金融に対する興味が増し、思い切って金融の世界に飛び込んだのが2007年。そこから一貫して海外の金融商品を日本国内外のお客様に紹介してまいりました。
これまでのキャリアで学んできたことの中で最も大きいと思うことのは、金融という無味乾燥に見える業界においても、誠実さや真心、信頼や義理人情に勝るものはなく、それは国籍を問わず同じであるということ。低金利政策が長引き、あらゆる業界において規制緩和も遅々として進まないという日本の現状に失望し、海外投資に興味を持つ人が沢山いる一方で、横文字だらけでハードルが高いと感じ、第一歩を踏み出すことができないでいる人がたくさんいることも事実です。そんな方々に安心して海外投資を始め、続けてもらえるようスタッフ一丸となって誠心誠意サポートしていきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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