日本人の海外留学は、時代とともにその目的や留学形態が多様化し、留学先の選択肢も広がっている。文部科学省や日本学生支援機構(JASSO)の統計によれば、2020年には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で留学者数が激減したものの、2021年以降は回復の兆しを見せ、2022年には約58,000人が海外留学を経験したと報告されている。さらに、2023年には2019年比で83%の水準まで回復しており、特にアジア圏への留学者が増加していることが特徴的である。
コロナ禍以降、日本人の海外留学数は回復してきているのですね。現状について教えてください。
それでは、日本人の海外留学の現状について、以下の5つの観点から考察します。
1. 日本人の海外留学者数の推移と現状
2. 留学先の国・地域別動向
3. 留学の目的と形態の変化
4. 留学に影響を与える要因
5. 今後の課題と展望
- 日本人の海外留学者数の推移と現状
- 留学先の国・地域別動向
- 留学の目的と形態の変化
- 留学に影響を与える要因
- 今後の課題と展望
日本人の海外留学者数の推移と現状

長期的な推移
日本人の海外留学者数は、2000年代から増加傾向にあったが、2010年代以降はほぼ横ばいで推移していた。2018年の留学者数は約115,000人に達し、ピーク時に近い水準だったが、2020年にはコロナ禍の影響でわずか1,487人にまで激減した。しかし、2021年には10,999人(前年比639.7%増)、2022年には58,162人(前年比428.8%増)と急速に回復しつつある。
コロナ禍の影響と回復
2020年のコロナ禍では、各国の入国制限やオンライン授業の普及により、海外留学は一時的に大きく制限された。しかし、ワクチン接種の普及や各国の規制緩和により、2022年から2023年にかけて急速に回復。特に、短期留学や交換留学が再開され、大学間協定を利用した留学が増加している。
留学先の国・地域別動向

人気の留学先
近年、日本人の主要な留学先は以下の通りとなっている。

アメリカ・カナダ・オーストラリア
依然としてアメリカ、カナダ、オーストラリアは留学先として人気が高い。特にカナダやオーストラリアは、留学生に対する受け入れ政策が柔軟で、移民政策と結びついた長期的なキャリアの展望があることが魅力となっている。
アジア圏の台頭
韓国、台湾、マレーシアなどのアジア圏への留学者が増加傾向にある。特に韓国は、K-POPや韓国ドラマの影響もあり、語学留学が盛ん。台湾やマレーシアは、英語での授業が受けられる大学が多く、費用面でのメリットが大きい。
留学の目的と形態の変化

短期留学 vs. 長期留学
従来、日本人の留学は1年間以上の長期留学が主流であったが、近年は短期留学(3か月未満)が増加している。これは、学業や就職活動との両立を図るための選択肢として短期留学がより現実的になっているためである。
語学留学の増加
特に、アジア圏への語学留学が増えており、韓国や台湾では日本人向けのプログラムが充実している。英語圏以外の留学も視野に入れる学生が増えている。
オンライン留学の台頭
コロナ禍により一時的に普及したオンライン留学は、2023年には減少傾向にあるものの、一部では継続されている。これにより、海外に渡航せずとも海外の大学の授業を受ける新たな留学スタイルが生まれている。
留学に影響を与える要因

費用の問題
円安や物価高の影響で、留学費用は大きな負担となっている。特に、アメリカやイギリスへの留学は学費や生活費の高騰により、経済的負担が増加している。
文化的要因
K-POPやドラマの影響で韓国留学が人気に。台湾やマレーシアは、比較的低コストで英語教育を受けられる点が魅力となっている。
キャリアとの関係
企業がグローバル人材を求める傾向が強まり、キャリア形成を目的とした留学が増えている。
今後の課題と展望

留学者数のさらなる増加を目指す施策
政府は「トビタテ!留学JAPAN」などの奨学金制度を拡充し、2033年までに留学者数を50万人に増やす目標を掲げている。
費用面の支援強化
奨学金制度の充実や、学費の負担を軽減する制度の強化が求められる。
多様な留学形態の確立
短期留学やオンライン留学を活用し、多様な選択肢を提供することが重要となる。
アメリカやイギリスへの留学が減ったり、短期留学が増加しているようですね。
円安や物価高の影響で留学費用が大きな負担となったり、就職活動との両立を図ったりする学生が増えています。
まとめ
- 日本人の海外留学は、コロナ禍による大きな打撃を受けたものの、2022年以降急速に回復している
- アジア圏への留学者数の増加が顕著であり、費用面やキャリアとの関連からも注目を集めている
- 留学費用の負担軽減や、留学プログラムの多様化が求められる
- 政府や教育機関、企業が協力し、グローバル人材育成を推進することが、今後の日本社会において重要な課題となる
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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