こんにちは、K2 College 松本です。
今回はジブラルタ生命の終身保険を解説します。ジブラルタと言えば、米ドル建商品が有名ですが、外貨が嫌いな方は円建商品で契約されていると思います。改めて日本の保険会社の終身保険はどういうものなのか?また外貨に対する認識を再確認して頂けたらと思います。
なんとなく外貨はリスクで抵抗があったので、円建の終身保険に加入しました。
外貨を持たれた事ない方は不安に感じると思いますが、米ドルの方が利率が高いので保険料が4割くらい安く契約できます。変動が合ったとしてもこれだけ安ければ米ドルの方が有利なのは歴然です。
- 動画解説
- ジブラルタ生命はCMしてないだけで良い会社
- ごく普通の円建終身保険
- 解約返戻率は30年でたった94%、実質利回りはなんと-0.42%
- 契約はしない。既に契約している人は個別に相談してください。
動画解説
ジブラルタ生命はCMしてないだけで良い会社
会社概要
ジブラルタ生命は日本に本社を置く外資系生命保険会社で、アメリカ大手の金融機関プルデンシャル・ファイナンシャルのグループ会社です。同じグループ会社で、プルデンシャル生命とPGF生命(銀行や代理店チャネル専業会社)があります。
2000年に経営破綻した協栄生命保険を買収し、その事業を継承するために設立され、特に公立学校の教職員、自衛官などの契約者が多い。破綻生保の中では最も成功した会社です。
営業開始:2001年4月3日
事業所:701営業所(2021年4月1日時点)
総資産:11兆5,437億円(2021年6月末時点)
保有契約高:36兆7,809億円(2021年6月末時点)
格付情報
S&P:A+ (2021年8月23日時点)
R&I:AA- (2021年8月23日時点)
ソルベンシーマージン比率
901.3% (2021年6月末時点)
あまり聞き慣れない会社ですが大丈夫でしょうか?
CMなどをしないのが、プルデンシャルグループの方針なので知らない方も多いと思います。
しかし、格付け、ソルベンシーマージン比率からも十分な信頼に値する会社と言えます。
ごく普通の円建終身保険
契約概要
商品名:終身保険〔無配当〕
契約年齢:0歳〜75歳
払込期間:10年〜30年、55歳〜85歳、終身払
払込頻度:月払、半年払、年払
最低死亡保険金額:200万円
※死亡保障500万円以上の場合は割引があります
商品解説
ごく普通の円建終身保険です。終身保険なので一生涯の死亡保障と貯蓄機能がありますが貯蓄性はとても低いので、貯蓄を目的で契約する必要はありません。また貯蓄機能があることで、死亡保障額に対する保険料が高いことがデメリットです。
パンフレットには以下の4つの特徴が記載されています。
①万一の死亡保障はコスパの良い掛け捨ての「収入保障保険」で備えましょう。
②高度障害状態になると死亡保険金が受け取れるのでこちらも「収入保障保険」で備えられます。
③特約を付加することで免除される保障を付けられますが、対象となる基準が厳しいので不要です。
④契約者貸付は貯蓄機能のある保険(養老保険、終身保険など)には全て付いているものです。
一生涯の死亡保障が安心できるので加入したいと思うのですが、いかがでしょうか?
一生涯の死亡保障を用意する場合は、死亡保障に対して総支払保険料がいくらになるのか確認してください。次のチャプターで具体的なシミュレーションの数字を見ていきましょう。
保険用語については下記のリンクで詳しく解説しています。知らない方は併せて読んで頂く理解が深まります。
『予定利率』『積立利率』『利回り』とは?
解約返戻率は30年でたった94%、実質利回りはなんと-0.42%
パンフレットに載っているご契約例は以下の通りです。
契約年齢:30歳 男性
死亡保障:1,000万円
保険期間:終身
払込期間:60歳満了
払込頻度:月払
保険料:26,000円
総支払保険料:9,360,000円
<解約返戻金と返戻率の推移>
20年後(50歳):564万円(90%)
30年後(60歳):877万円(94%)
40年後(70歳):917万円(98%)
50年後(80歳):953万円(102%)
払込が終わても支払った保険料以上の解約返戻金にはなりません。45年後の75歳時点でようやく支払保険料と解約返戻金が一緒になります。
ほぼ元本割れのため、実質利回りで計算する意味もないのですが、一応下記の通りです。
<実質利回り>
20年後(50歳):-0.97%
30年後(60歳):-0.42%
40年後(70歳):-0.08%
50年後(80歳):0.05%
保険会社に30年間保険料を支払い、20年間寝かせた50年後の利回りは0.05%と度肝を抜かれる低さです。もちろん契約時から死亡保障がありますし、メガバンクの普通預金の金利0.001%よりは良いですが、楽天銀行の普通預金は0.1%(ちょっと工夫をすれば)なので、それ以下。あまりにも低すぎてインフレ負けになります。
そして、総支払保険料にも注目してください。1,000万円の死亡保障を購入するために936万円を支払うことになります。最終的に保険会社としては64万円の上乗せしかありません。
ほぼ自分で払ったお金が戻ってくるだけなんですね。。。
はい。一生涯の死亡保障を用意するという点でもコスパ悪いですし、貯蓄や資産形成という目線で考えると魅力は全くありません。少なくとも米ドル建の終身保険にしましょう。
ただ日本の米ドル建終身保険も利率が低すぎて、契約する意味がないので、貯蓄と死亡保障の両立ができる海外の終身保険を選択肢にいれてください。詳しくは下記の入門書をダウンロードして一読ください。
※【入門書】家族のために死亡保障を準備するための入門書
契約はしない。既に契約している人は個別に相談してください。
終身保険の特徴は、死亡保障と貯蓄の両立が出来ることですが、
・貯蓄性が低すぎる
・死亡保障に対する保険料が高い
という理由でオススメできません。
既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?
契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。
※直接相談(無料)
まとめ
- 加入するのはやめよう
- 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
- 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(終身保険はしないで)
また教育資金準備や貯蓄だけが目的の方は、下記の入門書を一読ください。
※【入門書】公的年金に依存しない自分年金を準備するための入門書
※【入門書】子供のためにベストな学資保険に入るための入門書
著者プロフィール
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大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。
外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランコンサルタントとして6年3ヶ月勤務。
また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。
そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。
クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。
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