「バカな子金持ちのバケーションレンタル」――“通い慣れた楽園”が資産を蝕む仕組み

「これからもずっとハワイに行くから」「ホテル代もったいないから」といってバケーションレンタルを買う──その一見合理的に見える発想ほど、実は非合理の典型はない。
ハワイ不動産は“夢の象徴”として語られるが、経済合理性の視点から見れば、最もリスクの高い浪費型投資である。
そこには為替・税・維持・稼働・出口、あらゆるリスク要素が潜み、「好きな場所=儲かる場所」と錯覚した瞬間に、資産は静かに目減りしていく。

  • 「これからも行く」幻想が招く錯覚
  • 想定外コストの連鎖 ― 税・保険・管理費
  • バケーションレンタルの稼働率神話
  • 出口リスク ― 「売れない楽園」化の現実
  • 「好き」を投資にすり替える危険

「これからも行く」幻想が招く錯覚

できると錯覚するほど頑張っていると、錯覚が現実になる! | 1位思考 | ダイヤモンド・オンライン

ハワイを愛する日本人は多い。しかし「毎年行く」ことと「不動産を買う」ことの間には、経済的に深い断絶がある。
たとえ年3〜4回訪れるとしても、1回の滞在が1〜2週間なら年間でわずか1カ月程度の利用。
つまり残りの11カ月は「空室」という名の固定コスト発生期間だ。
航空券、宿泊費、滞在費を考慮しても、ホテル利用の方が圧倒的に安く柔軟。
「これからも行く」はあくまで感情の宣言であり、収益設計とは無関係である。

想定外コストの連鎖 ― 税・保険・管理費

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ハワイの不動産は維持費の塊だ。
固定資産税は評価額の1%前後、管理費(HOA)は月1,000〜2,000ドル超、加えて高額な保険料と修繕積立金。
さらに、州外居住者には所得税と非居住者課税(HARPTA, FIRPTA)が課され、売却時には利益の15%以上を源泉徴収されることもある。
日本円ベースでは円安局面での購入は為替損を抱えやすく、利回りは実質ゼロに近い。
いわば“ドル建てで資産を燃やす”ような構造になっている。

バケーションレンタルの稼働率神話

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「貸せば儲かる」という言葉ほど甘い罠はない。
ワイキキなどではAirbnb規制が強化され、短期賃貸は原則禁止。
合法運営できるのは一部のホテルコンドのみで、競争は激化。
清掃、鍵の受け渡し、広告掲載、管理手数料などを差し引くと、実質利回りは年1〜2%。
さらに景気後退期やパンデミック時には稼働率が急落し、固定費だけが残る。
“貸せる”と“儲かる”はまったく別の話である。

出口リスク ― 「売れない楽園」化の現実

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多くのバイヤーは購入時のワクワクで終わり、出口戦略を考えていない。
しかしハワイ不動産は流動性が極端に低く、売却まで半年〜1年以上かかることも珍しくない。
その間に為替が動けば、ドル建てで得た利益が円ベースでは消える。
しかも築年数が経てば、修繕義務や保険料は増加し、“使わないのに出費だけ続く”資産になる。
最終的に「売りたい人だらけ」の市場で、買い手のいない別荘群が静かに眠っているのが現実だ。

「好き」を投資にすり替える危険

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多くの富裕層が陥る最大の誤りは、「好きだから損でもいい」と言いながら、投資と言い張る二重構造だ。
好きで買うなら問題ない。しかし“投資目的”と名乗った瞬間、利回り・キャッシュフロー・出口までの設計が必須になる。
それを放棄して「価値は上がるはず」と言い張るのは、金融的には無知の証。
好きは消費、投資は判断。
この線を曖昧にしたまま“バケーションレンタル”を買う行為は、
リゾートの甘い香りに包まれた高級な自己欺瞞にすぎない。

消費と投資はしっかり分けて考えないといけないですね。

とても大事な考え方です。守りと攻め、そして楽しみをバランスよく充実させていきましょう。
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まとめ:楽園は“持つ”より“行く”方が合理的

ハワイは訪れる場所であって、持つ場所ではない。
固定資産化した瞬間、そこは“負債の島”に変わる。
「これからも行くから買う」というのは、未来の自分に借金を背負わせる宣言に等しい。
真の富裕層は、“好き”と“損得”を切り離して考える。
ハワイを愛しているなら、自由に行ける選択肢を保つことが最大の贅沢だ。
行く自由を保つ者は豊かであり、持つことで縛られる者は、どれほど資産があっても貧しい。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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