日本郵政、ゆうちょ銀行株売出(10億8900万株 =1.3兆円) 2023.2

こんにちは、K2 College河合です。

見切り報道の後、否定していたにも関わらず、結局日本郵政がゆうちょ銀行株売り出しということで発表されましたね。本日はこの解説をしようと思います。ゆうちょ株を持っている方、証券会社からセールスされる方、参考にしてください。

私もゆうちょ株投資してしまってますが、損をしてます。今回の売出でまた損をしてしまうのでしょうか…

残念ながらそういうことになります。これまで市場に流通していなかった株式が出てきてしまいます。売出時には引き受け幹事の証券会社が頑張ってあれこれ言って顧客に買わせますが、その後はただの売り圧力となって株価は下がります。それを見越して2/27に発表されると同時に、既に持っている投資家が売り始めるので、もう間にありません。

  • 動画解説
  • 今回のゆうちょ銀行株売出
  • ゆうちょ銀行株価

動画解説

今回のゆうちょ銀行株売出

2021年10月に行われたのが政府保有株の第3次売出しそして今回のは日本郵政が保有している(持ち合い)ゆうちょ銀行株の売出しなので、少し意味が異なります。

今回、10億8900万株(1.3兆円)の日本郵政保有分を売出すことで、郵政のゆうちょ銀行株保有比率を89%から65%に下げ、東京証券取引所プライム市場の上場基準である流通株式比率35%をクリアできるようにします。

プライム市場に残るというのは、指数に組み入れられる、ファンドの投資基準として満たすことができるという意味でとても大きな意味を持ちます。

同じように考えてました。ただこれまで売買されてこなかった分が出てくるという意味では同じと考えてもいいですよね?

はい、合ってます。持ち合いで売買されることがなかった株が出てくるので、株価は下がってしまいますね。

ゆうちょ銀行株価

ゆうちょ銀行株が政府から放出された時から見ると、ずいぶん下がっています。これまで3回売出しがあり、その都度下げているんでしょうね。

ただ第3次売出しの時は900円台だったので、その時の投資家は儲かっています。もう売却してしまってはどうでしょうか?

2/22に今回の売出し情報が漏れてしまって、そこで既に株価は下がってしまってます。そして昨日2/27の正式発表で株価は元に戻っていることから、それほど市場にはネガティブに捉えられていないような印象を受けます。

大儲けすることはなさそうですが、微妙に儲けられるかもしれないということですね。

株投資ですから、単純な上がった下がっただけではなく、その企業の今後の成長性を考えましょう。ゆうちょ銀行が今後どのような戦略で経営を行っていくのか?金利が上がることはかなり想定しづらいので、投信窓飯などコミッションビジネスを広げていくことが想定されます。一方仕組債の販売禁止のように、投資リテラシーの高くない行員とその顧客の間のトラブルも少なくないようです。200兆円近い預金残高がある巨大な銀行がゆうちょ銀行。稼ごうと思えば正直いくらでも稼げるのですが、教育と規制の調整次第ですね。

まとめ

  • ゆうちょ銀行株は地味な株価推移
  • 今回の売出しの影響は限定的
  • 追加の政府保有株売出しに気をつけよう

そもそもこうした日本株での運用が資産運用に向いているのか?から考え直してください。

分散投資せず個別銘柄でいいのか?
日本株よりも米国株では?
下げ相場にも強いヘッジファンドオルタナティブでなくていいのか?

分散とロングショートドルコスト平均法でリスクを減らして、安定したリターンを得る。これを目指しましょう。

著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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