ソフトバンク社債1200億円(金利:年0.32~1.30%)

こんにちは、K2 College河合です。

本日はソフトバンクの新規国債発行の解説をしたいと思います。今回、1200億円で、今年最大級の円建て社債の発行となります。

円建てということは金利が低いと思いますが、社債発行しても買い手がいるのでしょうか?

日本の銀行の円預金は更に金利がつきませんし、今は日銀が量的緩和を続けていることもあり、かなり金余りですから、1200億円くらい簡単に調達できることでしょう。

  • 今回発行債券の条件
  • 投資家の内訳
  • ソフトバンクのこれまでの債券

今回発行債券の条件

4つの期間があり、それぞれの金利がこちらの通りです。

発行額が多いのが3年と5年で、7年、10年は少ないという状態です。期間が短い方が投資金額が大きく、期間が長いのは投資金額が少なくなっているようです。

なお海外固定金利商品の現在の金利がこちら。ドル建てとはいえ、同じ期間でずいぶんな差が出てますよね。

3年:3.25%
5年:3.75%
7年:4.0%
10年:4.5%

発行体の格付け比較がこちら。同じ格付機関ではないとはいえ、格付けにも随分差がありますね。

ソフトバンク:BB(S&P)
I社(海外固定金利商品):A-(AM Best)

なお本来格付けが低いということは、それだけ高い金利を出さないと資金調達できないため、ソフトバンクの方が金利が高くあるべきです。

金利、1%前後しかつかないんですね。。

調達側(ソフトバンク)からすると金利は低くお金を調達できた方がいいので、まずは円建てで債券発行、その後更にお金が必要であればドルなど外貨で調達という流れになります。

投資家の内訳

全て機関投資家のようですね。と言っても皆さんのお金(保険、投資信託、年金など)が間接的にこの社債に振り分けられてるというイメージです。

個人向けにも募集されてるとしても、選択できるならもう少し格付け高く、金利がつくものにしたいですよね。

個人向けなのかと思ってました。

近年、やはり円建て、低金利だと個人投資家はあまり魅力と感じないようで、円建てを好むのはリスクを取りたがらない機関投資家の保守的なお金のようです。

ソフトバンクのこれまでの債券

こちらソフトバンク社のIRページですが、これまで円建てだけでもなんと約6兆円もの債券を発行しています。更に上場している株式の価値もありますから、それだけのキャッシュを使って、本業、ビジョンファンドなどの投資をしているんですね。

事業にお金がかかるとはいえ、老舗企業と比べると、楽天とソフトバンクは成長をお金で買っている印象があります。

成長するということはボラティリティは高くても株が上がる可能性もあるということですね。なお債券は発行時と満期時には必ず同価値になる金融商品なので、この低い金利をもらうだけの投資となります。

まとめ

  • ソフトバンク社債は機関投資家向け
  • 個人投資家には魅力が薄い
  • ドル建てのもっと高い金利の債券へ投資しよう

今の高いインフレ率と円安を考えると、円建てでこんな低い金利で置いておくこと自体がリスクですよね(目減りリスク)。まずは外貨(ドル)に。次に高い金利に(少なくとも年4%)。できることなら株資産(S&P500など)を持っておいて、インフレヘッジをしておきましょう。

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著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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