ソフトバンク株式会社 第1回 社債型種類株式(コード:94345)

こんにちは、K2 College河合です。

本日は国内初となる社債型種類株の上場について解説します。発行体はなんでも先駆けソフトバンクです。

社債で株式?チンプンカンプンです。

要は株式なんですけど、中身が固定金利のつく社債ということです。社債は市場外の相対取引なので、流動性が低いですが、株式は市場に上場しているため、流動性が高いのが特徴となります。

  • 第1回社債型種類株式の条件
  • 最初に決まっているのは5年だけ
  • リスクは?

第1回社債型種類株式の条件

発行価格:4000円
配当年率:2.5~3%(仮条件)
申込単位:100株以上100株単位
申込期限:〜10/31(火)
上場日:11/2(木)
格付け:A-(R&I)、A(JCR)

4000円が100株単位なので、40万円から投資ができます。配当が年3%程度ついてくることが条件となっている社債型種類株で、上場後は他の株と同様に値動きがあります。

市場なので株価は投資家の売りと買いにより決まりますが、理屈として、社債と同様、市中の金利が上昇すれば株価が下がることが考えられます。またソフトバンク社の業績、格付けが上下することで、株価も社債よりも敏感に上下することが想定されます。

それだったら最初から債券として発行すればいいのではないでしょうか?

株として上場させた方が資金調達が容易だという判断をしたのでしょう。孫さんの手腕です。なお今回の調達額は1200億円で、AI開発へ使われるそうです。

最初に決まっているのは5年だけ

ただし上記条件は最初の5年だけの決まり事です。5年経過後は配当の利率が変更され、株式を買い戻す権利がソフトバンクにあるような仕組みになっています。

社債だと満期があるけれど、株式だからないんですね。しかも条件が変わってしまうとなると、やっぱり社債の方がいいですね。

やはり日本人には満期がある方が安心ができるようですね。

リスクは?

主なリスクは以下の通り。

・株価下落リスク(ボラティリティ)
・破綻リスク(格付けで評価)
・5年目以降、配当利率の下がるリスク

正直、株価のブレが大きくなることが想定されるので、2.5~3%の配当では足らないのではないかと思います。

証券会社から勧誘が来てますが、見送った方がいいでしょうか?

はい、個人的には見送った方がいいと思います。金利が目的であれば、米ドル建の定期、固定金利商品でこれ以上の金利がつきます。

まとめ

  • ソフトバンク 第1回 社債型種類株式の魅力は低い
  • 米ドルで運用すればもっと高い金利が取れる
  • 円で投資していること自体がリスク(円安)

やはりこれからの時代、円安リスクを想定して、基本的に全て外貨で運用するようにしましょう。ドル建ての固定金利商品の利回りはこちらになります(2023.10)。

3年プラン:3.75%/年
5年プラン:4.0%/年
7年プラン:4.25%/年
10年プラン:4.75%/年

著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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