日本生命が介護最大手のニチイを約2,100億円で買収、その狙いは?

こんにちは、K2 Collage 松本です。

今回は、日本生命が介護事業最大手のニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングス(HD)を買収することについてお話します。

  • 日本生命は生命保険業界の最大手
  • ニチイ学館は介護業界の最大手
  • 生命保険会社による介護事業の買収は異例

日本生命は生命保険業界の最大手

会社概要

1889年に創業した、日本で3番目に古い生命保険会社である。1899年に保有契約高が業界首位となり、現在までこれを保持している。会社形態は相互会社であり、株式会社ではない。2010年4月に、それまで相互会社であった第一生命が株式会社化したものの、日本生命は株式会社に転換する考えはないと説明している。2015年3月現在、日本生命の投資先は公社債(37.0%)、株式(14.8%)、外国証券(26.4%)、貸付金(13.7%)、不動産(2.8%)などとなっている。

創立:1889年7月4日
従業員数:76,792名(うち内勤職員21,117名)
総資産:88兆3,819億円(2022年3月末)

格付情報

R&I:AA
S&P:A+
Moody’s:A1

ソルベンシーマージン比率

1,120.3%(2022年3月末時点)

ニチイ学館は介護業界の最大手

ニチイ学館は1968年12月に創業され、月末月初の保険請求業務に追われ、医師が本来の仕事である診療行為に専念できない診療所の状況を目の当たりにした寺田明彦(当社創業者)が始めた医療保険請求業務の受託事業によりはじまりました。

診療所における医療保険請求業務の受託から始まったニチイ学館。その後、日本初となる通学形式の医療事務講座を開講し、人材育成(教育)事業を開始します。当社社名は、「本の療を」に由来しています。

『医療関連事業』、『ヘルスケア事業』、『教育事業』を柱に事業を展開している。医療関連事業とヘルスケア事業の人材を教育事業で育成する『教育から就業まで』と銘打つビジネスモデルにより事業を全国に拡大している。

生命保険会社による介護事業の買収は異例

「日本生命」は、介護最大手の「ニチイ学館」を傘下に持つ「ニチイホールディングス」の株式を間接的に保有する外資系ファンドなどから、ほぼ全ての株式を取得するということです。金額はおよそ2100億円で、金融庁の認可を前提に早期の買収完了を目指すようです。生保によるM&A(合併・買収)は海外の同業や資産運用会社が中心で、異業種の買収は異例です。

1999年からライフケア領域で業務提携

ニチイHDは傘下に介護や保育サービスを手がけるニチイ学館や、介護付き老人ホームを展開するニチイケアパレスを抱えています。日本生命とニチイは1999年から子育てや介護などのライフケア領域で業務提携関係にありました。ニチイ学館の有資格者が日生の保険契約者の認知症や介護に関する相談を受けるサービスなどを提供しています。

営業職員経由の保険販売、不振続く

日生は子育てや介護、ヘルスケアなど保険の周辺領域での新規事業創出に力を入れてきました。人口減少や少子高齢化など市場環境が変化する中、生保事業だけでは収益が先細りするとの危機感が背景にあります。主な販路である営業職員経由の保険販売は新型コロナウイルス禍が明けても不振が続いています。2023年4〜9月期の個人保険における新規契約獲得件数や保障額は前年同期比10%以上落ち込みました。

介護・保育対応の保険商品提案など想定

グループ全体での収益力底上げが課題となる日生が目をつけたのが介護サービスでした。平均寿命の伸びや高齢化で市場拡大が見込まれており、ニチイが持つ顧客基盤を生かして生保事業との相乗効果を狙います。具体策は今後検討しますが、介護や保育に対応した保険商品の提案や、保険に付く介護関連サービスの強化などが軸になるとみられます。

生命保険事業をめぐっては、国内の人口減少などを背景に市場の先細りが指摘されていて、「日本生命」は高齢化の進行で今後市場の拡大が期待できる介護事業に参入し、収益源を多角化するのが狙いのようです。

保険会社って安泰なイメージですけど、日本生命でも売上に苦しんでいるんですね。

ビジネスモデルとしては間違いなく安定しているのですが、公的年金と同じで新規の契約者がいないと、その後の売上は徐々に減ってしまいます。海外の保険会社では、業界を越えたグループ会社の事業により保険会社の運用を下支えする仕組みを既に作っているところもあります。
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やっぱり保険も海外の方がいいのでしょうか?

日本の保険商品でも掛け捨てタイプの死亡保障などはコスパの良い商品があります。しかし貯蓄系の保険商品に関しては海外の方が有利な商品が多いので、一度比較をしてみると良いと思います。他にもセカンドオピニオンとして保険の見直しやその他ご相談ありましたら、下記の直接相談からお問い合わせください。
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まとめ

  • 日本生命も新規の売上に苦しんでいる
  • 日本の保険会社の殿様商売も終わり
  • 世界基準で保険会社を選ぼう

著者プロフィール

松本崇裕
松本崇裕
大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。

外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランナーとして6年3ヶ月勤務。

また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。

そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。

クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。

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