2023年12月1日に、SBI証券が「米ドル/円」為替手数料無料化を発表しました。そのため、競合他社の動きにも注目が集まっていましたが、早くも同日に楽天証券と松井証券もSBI証券に追随してきました。本記事では、楽天証券および松井証券の「米ドル/円」為替手数料無料化について解説します。
確かにこの2社も何らかの対応を取るとは予想できていましたが、まさか当日中とは。
さすがに動きが早かったですね。特にSBI証券と松井証券は、米国株式と海外ETFの売買手数料も無料化しているため、両社の手数料無料化競争は現在も横並びの状況です。
- 楽天証券「米ドル/円」の為替手数料無料化の概要
- 松井証券「米ドル/円」の為替手数料無料化の概要
- 他社が追随してくる可能性もある
楽天証券「米ドル/円」の為替手数料無料化の概要
1米ドルあたり片道3銭から0銭に
楽天証券では「米ドル為替手数料キャッシュバックプログラム」により、本来は為替手数料片道25銭のところ、実質片道3銭で1米ドルの取引ができていました。しかし、2023年12月4日(月)8:00注文分より、片道3銭の為替手数料すら不要となりました。国内株式取引手数料無料化のときとは異なり、コース変更も必要ありません。
外国為替(リアルタイム為替)取引が対象
楽天証券で「米ドル/円」の為替手数料が無料となるのは、SBI証券と同様に、外国為替(リアルタイム為替)取引に限られます。そのため、以下の取引は手数料無料化の対象外です。
- 米国株式取引円貨決済
- 定時為替取引(米ドル)
- 外貨建てMMF
- 米国株配当金の円貨での受取
- 債券円貨決済(利金・償還金含む)
「米ドル為替取引手数料キャッシュバックプログラム」が終了
今回の「米ドル/円」為替手数料無料化のタイミングで、先述のキャッシュバックプログラムが終了しました。リアルタイム為替は手数料自体がかからなくなり、当然キャッシュバックも発生しようがないため、特に問題ないでしょう。一方で、定時取引は為替手数料無料化の対象とはならず、キャッシュバックがない分手数料は実質的に増えてしまいます。
一部のユーザーにとってはマイナスなんですね。
そうですね。Xで調べてみたところ、現時点で不満の声は見られませんでしたが。
松井証券「米ドル/円」の為替手数料無料化の概要
1米ドルあたり片道25銭から0銭に
松井証券も、SBI証券と同様に「米ドル/円」取引の為替手数料を片道25銭から手数料無料に変更しました。松井証券では、もともと「円⇒ドル」取引について手数料無料プログラムを用意していましたが、こちらも恒久化されるかたちになりました。為替手数料無料となるのは、楽天証券と同様に12月4日両替分からです。
松井証券もリアルタイム為替取引が対象
松井証券も、今回の為替手数料無料化の対象に、円貨決済指定は含まないとしています。つまり、SBI証券や楽天証券と同様に、リアルタイム為替取引のみ為替手数料が無料となります。
その他の米国株取引サービス
松井証券は、今回の「米ドル/円」取引の為替手数料無料化以外にも、以下のような米国株取引サービスを提供しています。
- 新NISAでの米国株現物取引手数料
- 米国株信用取引のデイトレード金利無料
- 米国株式を他社から移管する際の入庫手数料が実質無料
また、SBI証券よりも先に米国株式と海外ETFの売買手数料無料化を実施しています。
松井証券も手数料無料化にかなり力をいれていますね。
SBI証券や楽天証券と比べると規模が小さいネット証券であるため、2社との差別化により集客したいという意図が強く見られます。
他社が追随してくる可能性もある
2023年12月1日に、5大ネット証券のうち3社が大きな動きを見せたため、他の2社(マネックス証券、auカブコム証券)の今後も気になります。手数料に関しては、現時点で大きなビハインドを負っているため、顧客獲得競争で勝つための何らかの施策を講じてくる可能性は十分にあり得ます。今回の件のように、ニュースは急に発表されるため、今後もアンテナを張っておきましょう。
新NISA開始まであと約1ヵ月ですが、ここに来て大きな動きがあると、本当に先が読めないですね。
ギリギリまで何があるかわからないですね。新NISA口座をどの証券会社で開設するか悩み続けてしまう人も多いでしょう。
まとめ
- SBI証券・楽天証券・松井証券の3社が同日に「米ドル/円」の為替手数料無料化を発表
- 3社とも対象は外国為替(リアルタイム為替)取引のみ
- 松井証券は他にも米国株取引で有利となるサービスを提供している
- 新規顧客獲得に向けてマネックス証券やauカブコム証券なども何らかの対応を講じる可能性がある
証券会社に関する情報収集は大変であるため、証券会社選びが思うように進まない人もいるでしょう。お困りの際は無料相談にてお話を伺いますので、ご希望の方はこちらからご連絡ください。
著者プロフィール
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フリーランスの金融ライターとして活動中。
記事執筆本数は累計1,000本以上で、様々な金融系メディアにて記事執筆および監修経験あり。
保有資格は「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」
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