こんにちは。K2 College大崎です。
世界的に株式相場の下落が加速する中で、「恐怖指数」とも呼ばれる「VIX指数」がパニックを示しています。
現在は46.97と、40を超えています。

新型コロナウイルスの感染拡大と世界経済に与える影響への懸念で、2020年3月に急伸した以来の高さですね。
- 動画解説
- VIX指数(恐怖指数)とは
- VIXは、投資家のポートフォリオ戦略にも重要な影響を与える
- 安値で拾う投資戦略:VIX指数を活用してチャンスに変える
動画解説
VIX指数(恐怖指数)とは

VIX指数、通称「恐怖指数」は、米国シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表している市場のボラティリティ(変動性)を示す指標です。この指数は、S&P500指数のオプション価格を元に算出され、今後30日間に予測される市場の変動率を示します。
VIXの数値が高ければ高いほど、市場の不安感が強く、投資家の間で将来の市場動向に対する恐れが高まっていることを示します。逆に、VIXの数値が低い場合は、市場が安定していると見なされます。
一般的に、VIXが20以下であれば市場は安定していると判断され、30以上になると市場に不安が広がっている兆候として注目されます。特に40を超える水準に達すると、投資家は市場の急変に備えて警戒心を強めるため、極度の混乱や恐怖が市場を支配していると見なされます。
このように、VIXは投資家心理や市場の不安感を反映する指標として、特に重要な役割を果たしています。

過去の事例を見ても、VIXは大きな市場イベントの際に急激に上昇することがあります。
例えば、2008年のリーマン・ショックの際、VIXは過去最高値である96.40を記録しました。これは金融危機が引き起こした世界的な株式市場の大暴落に伴うもので、投資家は将来の市場に対する恐怖から、オプション価格が急騰しました。また、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックにより、VIXは一時的に85.47まで上昇しました。
これも世界的な経済活動の停止や、株式市場の急落を反映した結果です。

VIXは市場のパニックや混乱を数字で確認できるのですね。
そうですよ。
市場のパニックや混乱を数字で可視化できるため、危機的な局面を把握するための有力な指標となっています。
VIXは、投資家のポートフォリオ戦略にも重要な影響を与える

VIXは、単なる市場の不安を測る指標にとどまらず、投資家のポートフォリオ戦略にも大きな影響を与える要素となります。
VIXが高い場合、市場の変動が大きいと予測され、投資家の間ではリスク回避の動きが強まります。この時期、株式を売却して現金化する、あるいは金や債券などの安全資産に資金を移動させる動きが見られます。
こうした動きは、市場の不安定性を避けるために、資産の安全性を重視する投資家心理の現れです。特にVIXが急上昇する局面では、リスクを取ることに対する警戒感が高まり、投資家はポートフォリオを防御的に見直すことが一般的です。

逆に、VIXが低い場合、投資家は市場の安定を見込み、リスクを取る意欲が高まります。このため、株式市場などリスク資産に資金が流れやすく、市場が上昇する傾向にあります。VIXが低いということは、市場参加者が将来の価格変動をあまり懸念していないことを示し、投資家は積極的にリスクを取る姿勢になります。
このように、VIXは市場の「リスクオン」や「リスクオフ」の状況を反映し、投資家の行動に大きな影響を与えるため、単なるボラティリティの指標を超えて、リスク管理の重要なツールとして機能します。
VIXが急速に上昇すると、注意を払い、投資ポートフォリオを調整する必要があるということですね。
一般投資家は、ポートフォリオを防御的に見直した方が良いと思います。
安値で拾う投資戦略:VIXを活用してチャンスに変える

投資家にとって、株式市場が急落する局面は、冷静な判断力を求められる瞬間です。多くの投資家は、市場の動揺を恐れて撤退してしまいますが、実はこうした安値での投資が将来的な利益をもたらすことがしばしばあります。
特に、VIXをうまく活用することで、安値での投資チャンスを捉え、リスクを管理しながら利益を上げることが可能です。
VIXと市場の不安定性
VIXは、市場の予想される変動性を示す指標で、数値が高いほど市場に不安が広がっていることを示します。具体的には、VIXが高いとき、投資家は株価が大きく下落することを予測してリスク回避行動を取ります。
そのため、株式市場は一時的に大きく下げることがあります。しかし、このような状況は逆に投資家にとって、将来的に市場が回復する際に安値で株を買い込むチャンスを提供することがあるのです。
高いVIX=チャンス?
過去のデータを見ても、VIXが急上昇した後、株式市場は一定の回復を見せる傾向があります。
例えば、VIXが45を超えた後のS&P500のパフォーマンスを振り返ると、1ヶ月後には平均で約10%、1年後には約14%の上昇が見られたことが分かっています。

このような反発は、VIXが高い時期に市場が過度に悲観的になっている場合、株式市場が安定期に入ることを示唆しています。特に長期投資家にとって、こうした「高いVIX—強い反発」のパターンは、危機的な状況を乗り越えるための投資機会となり得ます。
注意すべきポイント
しかし、この戦略にはいくつかの注意点も存在します。
まず第一に、VIXが高いからといって必ずしも市場が回復するとは限らないことです。VIXが急騰する背景には、深刻な経済危機や金融不安があることが多く、過去の事例を見ても回復には時間がかかる場合があります。
例えば、2008年のリーマン・ショック後、VIXは急上昇しましたが、株式市場の回復には数年以上を要しました。このため、安値で拾う戦略を実行する際は、短期的な回復に期待するのではなく、長期的な視点での投資が求められます。
さらに、VIXを過信して安易に投資を行うことはリスクがあります。VIXはあくまで市場の不安感を示す指標であり、実際の市場回復のタイミングを正確に予測することは非常に難しいため、過度にVIXに依存した投資はリスクを伴います。
VIX指数をうまく活用し、安値での投資チャンスにしたいです。
安値での買いを狙う際は、分散投資を行い、一度に大きなポジションを取らないことが重要です。
まとめ
- VIXが高い環境では、短期的な下落に対して買いのチャンスが生まれることがある
- VIXを活用しつつ、市場の回復を見越した投資をすることで、将来的な利益を享受できる可能性が高まる
- 分散投資や長期的な視点を取り入れることで、リスクを適切に管理しながら投資を行うことが重要
いつも言っていることですが、投資戦略は人それぞれです。
20~30代の方と50代の方とでは、運用できる年数が違いますから、投資戦略は異なります。また、保有資産や年収、属性などによっても、投資戦略を変えるべきです。
投資のご相談は、こちらからご連絡くださいませ。
著者プロフィール

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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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