【ETF比較】ブラックロックは本当に安いのか? 〜VOO・IVV・SPY・VTI・BNDを信託報酬で比較〜

ETF(上場投資信託)は低コストで分散投資ができる人気商品ですが、その中でも**信託報酬(Expense Ratio)**はリターンに直接影響するため、非常に重要な比較ポイントです。

世界的な主要ETF提供会社であるブラックロック(iShares)、バンガード、ステート・ストリート(SPDR)、フィデリティの代表的なETFを比較すると、基本的にはどこも低コストですが、商品ごとに微妙な違いがあります。

特にS&P 500に連動するETFは人気が高く、VOO、IVV、SPYなどがよく比較されます。今回はそれらの信託報酬を中心に、ETF選びのヒントを提供します。

ブラックロック、バンガード、ステート・ストリート、フィデリティの商品は何が違のでしょうか?

以下で、整理しながら解説します。

① ブラックロック(iShares):バランス型で安定の定番

• S&P500連動型:IVV → 信託報酬 0.03%
• 米国債券市場:AGG → 0.04%

IVVはバンガードのVOOと並ぶ代表的ETFで、取引量も豊富。AGGも安定した債券ETFとして、年金や機関投資家にも利用されています。

🔸特徴:

・商品数が非常に多い
・世界的ブランド力と流動性
・債券・REIT・新興国ETFも充実

② バンガード:個人投資家に特に人気、最安水準を追求

• S&P500連動型:VOO → 0.03%
• 米国全体株式:VTI → 0.03%
• 米国債券市場:BND → 0.03%

VOOやVTIは、低コストインデックス投資の象徴的な存在。バンガードの哲学は「投資家の利益最優先」であり、世界中の個人投資家に愛されています。

🔸特徴:

・インデックス投資の元祖的存在
・商品構成がシンプルで分かりやすい
・信託報酬は全体的に最安水準

③ ステート・ストリート(SPDR):歴史あるETFだがコストは割高

• S&P500連動型:SPY → 0.09%

SPYは世界初のETFとして1993年に登場。現在でも取引量・資産残高は世界最大級。ただし、VOOやIVVに比べて信託報酬はやや高め。

🔸特徴:

・圧倒的な流動性(プロ投資家向け)
・短期トレードには向いている
・保有コストは高いため長期投資には不向き

④ フィデリティ:ETFではなくミューチュアルファンドに強み

• 全米株式:FZROX → 信託報酬 0.00%

FZROXは、信託報酬がゼロのミューチュアルファンドとして注目を集めましたが、ETFではありません。ETFよりも販売会社や税制に制約があるため、万人向けではありません。

🔸特徴:

・アクティブ運用やゼロコスト商品に強い
・ETFよりも米国内販売中心
・日本の証券会社では取り扱いが少ない

⑤ ETF信託報酬の簡易比較表(S&P500・米国株・債券)

※FZROX(フィデリティ)はETFではないため別扱い。

S&P500に投資するETFで、VOOとIVVの信託報酬が同じなら、どちらを選んでも良いですか?

信託報酬だけ見れば同じですが、流動性などでも違いがあります。

ETFは「一見同じ指数でも中身が異なる」ので、保有コスト・配当の扱い・分配頻度なども含めて検討することが重要です。

まとめ

  • ETFの信託報酬は、長期保有すればするほど投資パフォーマンスに直結します。そのため、特に以下のような基準でETFを選ぶとよいでしょう
  • コスト重視なら:バンガード(VOO、VTI、BND)
  • 総合力・商品数なら:ブラックロック(IVV、AGGなど)
  • 流動性重視・短期売買なら:ステート・ストリート(SPY)
  • ゼロコスト狙いなら:フィデリティ(ただしETFではない)

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