2025年における港区は、東京23区中でも最も資産価値の高い不動産市場です。低金利・円安・海外資金流入のトリプル追い風により、都心プレミアムが際立っています。オフィス・商業・住宅が混在するまさに東京の世界顔(ワールドフェイシズ)であり、中古・新築を問わず「億ション(1億円超)」が当たり前の市場となっています。その一方で、築年数が経過するに伴う設備陳腐化や新基準住宅法への対応といった課題も見え隠れしており、「高値の中にも選別」が迫られる局面にあります。
今も港区の不動産は買い時ですか?
条件次第で有望、選別が重要です。
以下で見ていきましょう。
- ① 平均価格と㎡単価~圧倒的な高さと年率上昇~
- ② 取引動向と在庫状況~供給不足と売れ行き好調の綱引き~
- ③ 再開発エリアの台頭とブランド物件の強さ
- ④ 賃貸市場との連関~高稼働×家賃上昇が利回りを支える~
- ⑤ リスクと調整要素~法規・金利・築古のトリレンマ~
① 平均価格と㎡単価~圧倒的な高さと年率上昇~

• 港区の中古マンション、平均価格9,300万円前後。新築では3.6億円・㎡単価218万円という驚異的な水準 。
• 中古でも1億円超、特に駅近・再開発地・タワーマンションでは顕著です 。
• 東京23区全体の㎡単価99万円に対し、港区は200万円級 ― 約2倍の価格差 。
② 取引動向と在庫状況~供給不足と売れ行き好調の綱引き~

• 首都圏で新築戸数は減少傾向(供給逼迫)、その影響が中古にも波及し、港区における中古の供給も絞られた状況 。
• 港区は高額帯とはいえ、投資家・実需層ともに一定の需要が継続。賃貸・売買共に活発で空室リスクは低いとされます 。
• 一方で築10年以上の物件では設備・法改正対応の影響で価格が鈍化しやすく、築浅・高級物件とそれ以外の差が拡大中 。
③ 再開発エリアの台頭とブランド物件の強さ

• 虎ノ門ヒルズ(2023年完成)、麻布台ヒルズなど大規模再開発が続く中、港区内に「世界に通用する複合施設付きブランド住宅」が次々と登場 。
• 再開発地区周辺(例:虎ノ門・麻布・赤坂)では、中古でも㎡単価220万円超、成長率10%前後という驚異的な値動き 。
④ 賃貸市場との連関~高稼働×家賃上昇が利回りを支える~

• 港区含め23区では賃料も上昇(2024年Q4で+6.4%、23区平均でも+1.8~6.4%) 。
• 港区では高額帯ながら賃貸需要が堅く、表面利回りも若干低下しながら6~7%程度で安定 。
• 港区の賃貸市場は利回りと資産性のバランス志向型投資家にとって評価される環境です。
⑤ リスクと調整要素~法規・金利・築古のトリレンマ~

• 金利上昇リスク:2025年以降、日銀の政策変動や住宅ローン金利上昇の兆しが実需買いに冷や水となる可能性 。
• 築古物件の法対応コスト:建築基準法・省エネ法改正を受けて、築10年以上は設備・省エネ対応の補修負担が価格に跳ね返る 。
• 供給側圧力:再開発やタワマン整備が進む一方、建設コスト高騰で新供給が限られ、局所的には価格が適正調整される局面も予想されます 。
どんな物件を選べば安全でしょうか?
築浅・再開発・ブランド物件が鍵となります。
まとめ
- 港区の不動産は“超高級市場”。中古でも億円当たり前、㎡単価200万円超が通常
- 取引は高級物件に偏りながらも活発。供給減×海外富裕層需要というトレンドが継続中
- 再開発エリア(虎ノ門、麻布、赤坂など)は特に強く、10%前後の成長率・高稼働の賃貸需給が魅力
- ただし、金利上昇・築古物件の法対応負担増・供給制限などの観点から、全物件が引き続き買いというわけではない
- 今後は、「築浅・再開発・ブランド物件」に絞った選別投資、あるいは「実需向け中古で法改正をクリアした物件」を狙うことで、資産価値と利回りの良好なバランスを取る戦略が望まれる
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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