こんにちは、K2 College河合です。
本日は『ニッセイアメリカ高配当株ファンド』を解説します。日本生命がファンド運用?と思われると思いますが、保険商品でも変額年金保険など投資信託に間接に投資するような時代ですから、自社製品を作った方がそこでも儲けられる、というものですね。
投資の専門じゃないので、運用が良くなるとは思えないのですが・・・。
私もそう思いますが、とりあえず数字を検証しみてみましょう。
- 動画解説
- 上がってるけど、ベンチマークに比べると?
- 投資先はたったの69銘柄
動画解説
上がってるけど、ベンチマークに比べると?
まずは2013年からの運用成績を見てみましょう。
分配金込みで10,000円が22,000円になってますから(2.2倍)、儲かってます。ただし毎月分配型は過度な分配しすぎで、例に漏れず蛸足分配ですね。基準価額は6,000円台まで落ちています。
上のチャートもこの騰落率もベンチマークの記載がありません。ファンドでベンチマーク(インデックス)との比較をしなくてもいいということは、そういう金融庁のルールもないということでしょうか。それでもどこにも書いていないというのは初めて見ました。極めて不誠実ですよね。
なので私が勝手にS&P500と比較しようと思います。
2013年7月は1698ドルくらいだったS&P500は現在(2022.10.21)、3665ドルです。割ってみると215.8%(約2.2倍)なので、ほとんど同じということになります。似たようなチャートですが、今年2022年に入ってから、S&P500が下がり続けているにも関わらず、このファンドは上がっていたため、パフォーマンスが追いついたようです。
意外にも悪くないパフォーマンスでしたね。
本当にインデックスに負けているアクティブファンドばかり(8割)なので、イーブンというのはまだいい方ですよね。
投資先はたったの69銘柄
次に投資先を見てみましょう。
全部米国内の資産ですが、株、REIT、MLPへ投資しているようです。
業種別ではハイテクが上位。その後、バリュー投資の代表である金融、ヘルスケアが来ています。「高配当」という基準で選ぶとこうなるのでしょうか。
上位10銘柄を見てみると、エネルギーが多いのが目につきますね。ファンドマネージャーがエネルギー関連のアナリストなんでしょうか。
なお銘柄数はたったの69銘柄。このファンド、現在の資産残高が700億円くらいですから、1銘柄平均1億円投資していることになります。分散すればいいというものではありませんが、ファンドなのに結構偏った運用をしているようです。
同じ米国株ファンドでも独特なファンドのようですね。
そうなんです。高配当=エネルギー株ということで偏ってくるようです。ウクライナ侵攻でエネルギー関連株が儲かってよかったですね。
まとめ
- インデックス(ベンチマーク)と成績はイーブン
- エネルギー関連に多く投資
- 今後の見通しは立てづらいファンド
わざわざこのファンドへ投資するかと言ったら私ならしません。ニッセイのプラットフォーム、保険などを使っていたら、選択肢の中に入ってしまうというところでしょうか。
著者プロフィール
-
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
最近の投稿
この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/8096/trackback