日本のマイホーム価格は購入した後、なぜどんどん下がっていくのか?

こんにちは、K2 College編集部です。

日本のマイホーム価格が購入後にどんどん下がっていく理由について、様々な観点から整理していきます。

都市部以外ではマイホームの中古価格は上がっていくイメージはないですね。

詳細について見ていきましょう。

  • 経済的要因
  • 人口動態の変化
  • 住宅市場の特性
  • 政策と制度
  • 社会的要因

経済的要因

デフレ

日本は長期間にわたりデフレに悩まされてきました。デフレとは、物価が継続的に下落する現象で、消費者が支出を抑えることで企業の収益が減少し、給与が上がらないか下がるという悪循環に陥ります。住宅価格もこの影響を受け、需要が低迷することで価格が下がる傾向にあります。

経済成長の停滞

1980年代後半のバブル経済崩壊以降、日本の経済成長は停滞しています。経済成長が鈍化すると、所得の伸びも限られ、住宅に対する購買力が低下します。これにより、住宅価格も長期的に下落する傾向があります。

経済成長は中々感じられないですね。

日経平均株価は大きく上昇していますが、経済全体が大きく成長しているというのは感じづらいですね。

人口動態の変化

少子高齢化

日本は急速に高齢化が進んでおり、出生率の低下も著しいです。若年層の減少により住宅購入層が減少し、需要が減ることで住宅価格が下がる要因となります。さらに、都市部への人口集中が進む一方で地方の住宅需要が減少し、地方の住宅価格が一層下落しています。

都市集中と地方過疎化

若者や労働人口は仕事や教育機会を求めて都市部に集中する傾向があります。これにより、地方の住宅需要が減少し、地方の住宅価格は下落します。一方で、都市部でも新たな供給が過剰になると価格が下がることがあります。

地方の過疎化は大きな問題ですね。

はい、石川県でも震災後、さらに過疎化が進んでしまっているなど、地方の住宅事情は厳しいようです。

住宅市場の特性

新築住宅信仰

日本では新築住宅の需要が高く、中古住宅の市場が未成熟です。多くの消費者が新築を好むため、中古住宅の価値が急速に下がる傾向があります。新築住宅の供給が続く限り、中古住宅の価格は相対的に下落しやすいです。

住宅の品質と耐用年数

日本の住宅は耐用年数が短いと言われており、特に木造住宅は30年程度で建て替えが必要になることが多いです。このため、築年数が経過すると住宅の価値が急速に下がります。住宅のメンテナンスコストも高く、これも価格下落の一因です。

結婚したら家を建てて一人前、みたいな感覚はありますね。

そうですね。地方では特に昔から新築で家を建てる、という方が一般的ですね。

政策と制度

税制の影響

固定資産税などの税制が住宅保有コストを増加させます。特に、築年数が経過した住宅に対する固定資産税の評価額が下がる一方で、新築住宅には減税措置があるため、新築の方が相対的に有利となります。このため、中古住宅の価格が下がりやすくなります。

金融政策

日本銀行の金融政策も住宅価格に影響を与えます。低金利政策が続く中で住宅ローンの金利が低下し、住宅購入が一時的に促進されることもありますが、経済全体の停滞により長期的には価格下落の圧力が続くことがあります。

住宅ローン減税など、住宅購入に対するメリットは多いようですね。

そうですね。景気刺激策としても住宅が売れることで大きなお金が動きますので、住宅購入に対する政策が多く組まれます。

社会的要因

消費者意識の変化

日本では、マイホームを資産として捉える考え方が薄れつつあります。若い世代は移動性や柔軟性を重視し、賃貸住宅を選ぶ傾向が強まっています。これにより、住宅購入の需要が減少し、価格下落の一因となります。

資産価値の評価

マイホームの価値を単なる居住空間として捉える場合、その資産価値は築年数とともに減少する傾向があります。特に、日本では土地の価値が重視されるため、建物自体の価値は時間とともに下がりやすいです。

賃貸派の人も増えていますね。

はい、車も住居も所有しない、という人も増えています。

まとめ

  • 今後、空き家が加速度的に増えていく
  • 特に地方では家の価値は下がっていく

日本のマイホーム価格が購入後にどんどん下がっていくのは、経済的要因、人口動態の変化、住宅市場の特性、政策と制度、そして社会的要因など、複数の要因が絡み合っているためです。これらの要因は相互に影響し合い、住宅価格の下落を促進しています。
住宅市場の特性や消費者の意識、経済や人口の動向を考慮すると、マイホームの価格が購入後に下がりやすい状況は今後も続く可能性があります。特に、人口減少と高齢化が進む中で、住宅の需要構造が大きく変化することが予想されるため、価格下落のリスクに対する適切な対策が求められます。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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