相続と生前贈与の税率の違い

こんにちは、K2 College編集部です。

相続と生前贈与は、財産を次世代に移転する方法として重要な選択肢です。これらの方法には、それぞれ異なる税率が適用されるため、適切な計画を立てることが重要です。以下、相続と生前贈与の税率の違いについて詳細に説明します。

子供に残すには税金対策は知っておかないとですね。

はい、相続と生前贈与、どちらがいいのか確認していきましょう

  • 相続税の基本的な仕組みと税率
  • 生前贈与の基本的な仕組みと税率
  • 相続税と生前贈与税の比較
  • 特例と優遇措置
  • 相続と生前贈与の戦略的選択

相続税の基本的な仕組みと税率

相続税は、被相続人(故人)の財産を相続人が受け取る際に課される税金です。相続税の計算には、基礎控除額が適用され、その後に課税遺産総額に対して累進課税が適用されます。

基礎控除額

相続税の基礎控除額は以下の通りです:

基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4800万円となります。この基礎控除額を超える部分に対して、相続税が課されます。

累進課税率

相続税は累進課税制度が適用され、課税遺産総額に応じて税率が異なります。以下は、日本における相続税の税率表です:

課税遺産総額税率控除額
1000万円以下10%なし
3000万円以下15%50万円
5000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1700万円
3億円以下45%2700万円
6億円以下50%4200万円
6億円超55%7200万円

例えば、課税遺産総額が1億5000万円の場合、税率は40%、控除額は1700万円となります。

日本の相続税は海外に比べかなり高いと聞いていますが、本当ですか?

相続税がない国もありますし、米国では10億円を超えないと発生しません。日本の相続税が高いと言われる所以ですね。

生前贈与の基本的な仕組みと税率

生前贈与は、被相続人が生前に財産を贈与することで、贈与税が課される税金です。贈与税の計算には、年間基礎控除額が適用され、その後に累進課税が適用されます。

年間基礎控除額

贈与税の年間基礎控除額は110万円です。この金額までは非課税となり、それを超える部分に対して贈与税が課されます。

累進課税率

贈与税も累進課税制度が適用され、課税額に応じて税率が異なります。以下は、日本における贈与税の税率表です:

課税価格税率控除額
200万円以下10%なし
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1000万円以下40%125万円
1500万円以下45%175万円
3000万円以下50%250万円
3000万円超55%400万円

例えば、課税価格が800万円の場合、税率は40%、控除額は125万円となります。

110万円の基礎控除の範囲で毎年渡すのがいいということですね。

注意点はありますが、基本的にはそうなります。

相続税と生前贈与税の比較

税率の違い

相続税と生前贈与税の税率は累進課税であり、税率が異なります。一般的に、生前贈与税の方が相続税よりも高い税率が適用されます。

相続税の最高税率は55%ですが、生前贈与税も同様に最高税率は55%です。ただし、控除額や適用範囲が異なるため、具体的な税額は異なります。

控除額の違い

相続税には基礎控除額があり、法定相続人の数によって控除額が増加します。これに対して、生前贈与税の控除額は年間110万円で固定されています。このため、相続税の方が控除額が大きく、結果として課税対象額が少なくなる傾向があります。

確かに控除額も結構違いますね。

相続税の基礎控除は最低額が6,000万円だったものが3,600万円に下げられています。徐々に課税対象が増えているということですね。

特例と優遇措置

相続税と生前贈与税には、それぞれ特例や優遇措置が存在し、適用される場合は税負担が軽減されます。

相続税の特例

  • 配偶者の税額軽減:配偶者が相続する財産には、相続税の軽減措置があり、法定相続分または1億6000万円のどちらか多い金額までは相続税が課されません。
  • 小規模宅地等の特例:一定の要件を満たす場合、宅地の評価額が最大80%減額されます。
  • 農地の納税猶予:農業を継続する場合、相続税の納税が猶予される制度です。

生前贈与税の特例

  • 住宅取得資金の贈与:住宅取得資金の贈与については、一定の条件を満たす場合に非課税となる特例があります。
  • 教育資金の一括贈与:祖父母から孫への教育資金の一括贈与については、一定の条件を満たす場合に非課税となる特例があります。
  • 結婚・子育て資金の贈与:一定の条件を満たす場合、結婚・子育て資金の贈与に対して非課税の特例があります。

色々と特例があるんですね。

相続も住んでいる家や農地などには特例がありますね。

相続と生前贈与の戦略的選択

遺産分割の観点から

相続と生前贈与の選択は、遺産分割の観点からも重要です。相続では法定相続分が定められており、遺産分割協議が必要です。一方、生前贈与は被相続人の意思で自由に財産を移転することができます。

税負担の軽減

生前贈与を計画的に行うことで、毎年110万円の基礎控除額を活用し、相続時の課税対象額を減少させることが可能です。また、特例や優遇措置を活用することで、税負担をさらに軽減することができます。

家族の意向とライフステージ

家族の意向やライフステージを考慮することも重要です。例えば、子供が教育資金や住宅資金を必要としている場合は、生前贈与が有効です。一方、高齢の配偶者がいる場合は、相続税の配偶者控除を活用する方が有利な場合があります。

税務リスクの回避

生前贈与を行う際には、贈与契約書の作成や贈与税の申告を適切に行う必要があります。適切な手続きを行わないと、贈与が無効とされるリスクや、後で贈与税の追加徴収を受けるリスクがあります。

事前に色々と取り決めておく必要がありますね。

はい、本人と家族にとってどうするのが一番いいのか、整理しておく必要があります。

まとめ

  • まずはそれぞれの税率、特例などから必要な対策を考えておく
  • 家族の意向やライフステージを考慮する

相続と生前贈与の税率の違いを理解することは、適切な財産移転の計画を立てるために重要です。相続税は基礎控除額が大きく、特例や優遇措置が多い一方で、生前贈与税は毎年の基礎控除額が小さく、累進課税が厳しいという特徴があります。適切なタイミングでの生前贈与と相続の組み合わせにより、税負担を軽減し、遺族が経済的に安心して生活できるようにすることが可能です。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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