「ボーディングスクール(Boarding School)」とは、学寮(寮)に入りながら生活と学びをともにする寄宿制の学校のこと。欧米では富裕層の子どもを育てる伝統的な教育機関として根強い人気を誇るが、日本でも近年、グローバル教育や人格形成、自立心の育成を目的として、国内型ボーディングスクールへの注目が高まっている。
特に地方の自然豊かな土地に立地することが多く、「学力」だけでなく「生き方」「共生」「リーダーシップ」といった非認知的スキルを育てる場として、時代に合った新しい教育モデルとなっている。
日本には、どのようなボーディングスクールがあるか教えてください。
以下で、国内の有力なボーディングスクール5校を厳選し、その特徴・理念・学習内容・対象年齢などを比較して紹介します。
- UWC ISAK Japan(長野県軽井沢)
- 全寮制英語イマージョンスクール KIS(Kohsuke International School/広島県)
- 八ヶ岳サドベリースクール(山梨県)
- インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK、長野県)
- 国際高等専門学校(i-kosen/石川県)
UWC ISAK Japan(長野県軽井沢)

~世界80か国から集う、“多様性と挑戦”の寄宿校~
概要:世界18校ある「UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ)」のひとつであり、日本唯一のUWC加盟校。全寮制の国際高校として、世界中から選抜された生徒が集まり、多文化共生と社会貢献型リーダー育成を目的とする。
特徴:
• IBディプロマプログラム(DP)を提供
• 世界各国から奨学金生を受け入れ(約70〜80%が海外生)
• 寮生活を通じて多様な価値観と共に暮らす
• 社会起業やプロジェクト型学習が充実
対象年齢:高校生(G10〜G12、国内中3〜高2相当で入学)
場所:長野県北佐久郡軽井沢町
授業言語:英語
年間費用の目安:500〜700万円(奨学金あり)
おすすめの家庭:
• 将来、海外大学進学を目指している
• 国際協力や社会起業に興味がある
• 多様性に富んだ環境で育ってほしい
全寮制英語イマージョンスクール KIS(Kohsuke International School/広島県)

~日本国内で“英語漬け”の環境を実現する革新的小中校~
概要:国内では珍しい「英語完全イマージョン型」+全寮制の小中一貫校。通常の教科教育を英語で実施し、かつ寮生活を通じて英語を“暮らしの言語”として習得していく教育方針。海外帰国子女や国際志向の高い家庭に人気。
特徴:
• 小学生から英語漬けの環境で生活
• 日本の学習指導要領に準拠しつつ英語で学ぶ
• 少人数制・個別対応
• 寮生活で自立・自己管理能力を養成
対象年齢:小4〜中3(小学3年生から入寮可能)
場所:広島県神石高原町
授業言語:英語(日本語科目もあり)
年間費用の目安:250〜400万円程度
おすすめの家庭:
• 英語を“話せる”だけでなく“使いこなせる”力を育てたい
• 幼少期から国際教育を始めたい
• 生活・学習の両面でしっかりと育ててほしい
八ヶ岳サドベリースクール(山梨県)

~自由と自己決定を重視する“日本型オルタナティブ寄宿校”~
概要:米国のサドベリー・バレー・スクールをモデルにした日本のデモクラティックスクール。通常のカリキュラムや時間割はなく、子ども自身が「何を学ぶか」「どう生きるか」を決める。国内外からの寄宿生を受け入れており、全国でも希少な“全寮制オルタナティブスクール”である。
特徴:
• 時間割なし、テストなし、強制学習なし
• 異年齢・多様な背景の子どもが共に生活
• 生徒とスタッフが対等に学校運営を話し合う
• 寮生活で生活力・協働力を自然に育む
対象年齢:8歳〜18歳
場所:山梨県北杜市
授業言語:主に日本語(英語対応もあり)
年間費用の目安:150〜250万円
おすすめの家庭:
• 子どもが学校に合わなかった経験がある
• 自由に学び、暮らす力を伸ばしたい
• 「管理されない」教育を探している
インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK、長野県)

~UWC ISAKとは別母体でスタートした、探究型国際寄宿校~
概要:現在はUWC ISAK Japanとして統合されたが、もともとは日本発の“起業家教育×探究学習”を融合した高校で、世界中から生徒を受け入れる全寮制の英語教育校だった。探究学習・リーダーシップ教育・社会課題へのアプローチを重視。
特徴:
• 世界中の優秀な生徒が集う
• リーダーシップと社会貢献を重視したカリキュラム
• 実践型プロジェクト学習が豊富
• 英語で学ぶ+寮で暮らす国際環境
※前述のUWC ISAKと同校の実質紹介です。
国際高等専門学校(i-kosen/石川県)

~STEAM教育×全寮制。工学×デザインで世界を変える力を育成~
概要:金沢工業大学グループが設立した、日本初の英語×ボーディング×高等専門学校(5年制)モデル。STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)をベースに、実践的・創造的な人材を育てることを目的とする。
特徴:
• 全授業を英語で実施(英語力不問で入学可)
• 5年一貫のプロジェクト学習中心のカリキュラム
• 完全寮生活で国内外からの多様な学生と共に暮らす
• 海外大学や起業も視野に入れた進路支援
対象年齢:中学卒業〜(15歳〜)
場所:石川県白山市
授業言語:英語
年間費用の目安:約120〜160万円(+寮費)
おすすめの家庭:
• 理系・工学志向の子どもに探究型教育を与えたい
• 英語で学びながら技術者・起業家を目指したい
• 学力だけでなく実践力・発想力を育てたい
欧米では富裕層の子どもを育てる伝統的な教育機関としてボーディングスクールは人気がありますが、日本でも出来てきているのですね。
日本にも、すでに世界基準に並ぶ教育を実現しているボーディングスクールが存在しており、国内で国際水準の教育を受けたい家庭にとっては、極めて有力な選択肢でとなっています。
まとめ
- ボーディングスクールは、「教育の場」であると同時に「人生の舞台」でもある
- 寮生活を通じての自立、他者との共同生活、生活の中から学ぶ経験は、机上の学習とは異なる深い学びをもたらす
- グローバル時代を生きる子どもたちにとって、国際的な環境や異文化理解、リーダーシップ、対話力は“必須の力”となっている
- 子どもにとって「どこで、誰と、どんな暮らしをしながら学ぶか」は、人生の軸を決める大きな分岐点になる
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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