こんにちは。K2 College大崎です。
弊社のクライアントは日々のやり取りの中でリテラシーも上がっていきますから、投資における「リスク」についてはきちんと理解されている方が多いです。
ただ、新規で問合せをいただく方の中には、「リターン」ばかりに気を取られて「リスク」について、そして「リスク」と「リターン」の相関関係について理解できていない方も多いので、今回は「リスク」と「リターン」の相関関係について述べたいと思います。
- 動画解説
- 投資における「リスク」の意味とは
- 「リターン」だけでなく、「リスク」を理解した上で投資すべき
動画解説
投資における「リスク」の意味とは
一般的に「リスク」という言葉は、「危険」や「予想したとおりにうまくいかない可能性」といった使われ方をしますが、投資においての「リスク」とは、下記を指すことが一般的です。
「値動きのブレ幅」
「ボラティリティ」
「標準偏差」
下のグラフは、リスクが小さい金融商品Aと、リスクが大きい金融商品Bをそれぞれ掲載しておりますが、「リスク」=「値動きのブレ幅」でしたから、値動きのブレ幅が大きいほどリスクが高いことを示しています。
また、下図は国内で販売されている投資信託の「各資産のリスク(標準偏差)と期待リターン」を48年間まとめたものですが、国内株式を見ていただくと、年平均リターンは約5.3%、リスクは約25%ということがわかります。
これは、国内株式の1年間のリターンは期待リターン5.3%を中心にして、上下に25%ブレる確率が約3分の2(約68%)はあるということを意味しています。
「リスク」は「標準偏差」のことでもあると上述しましたが、「リスク」は通常、「1標準偏差」で表されます。
先ほど、国内株式の場合、1年間のリターンは、期待リターン5.3%を中心にして、上下25%の間でブレる確率が約3分の2(約68%)はあるということをお伝えしましたが、下図で確認いただくと、期待リターンは5.3%だけれども、68%の確率で、+30.3%のリターンになることもあれば、-19.7%のリターンになることもあるということを表しています。
よって「リターン5.3%、リスク25%」とは、「5.3%±25% (つまり-19.7%~+30.3 %)の範囲に約68%の確率で収まる」ということを意味します。
これがリスク/リターンの意味ですので、覚えておいてくださいね。
「リターン」だけでなく、「リスク」を理解した上で投資すべき
S&P500指数は長期的には右肩上がりで上昇してきておりますが、特に2020年は+18.4%、2021年は28.71%と大きく上昇しました。
これは、コロナショック後に世界の主要な中央銀行が大規模な金融緩和を実施し、その資金が株式に流れ込んだ影響が大きいのですが、この時期はS&P500に投資しておけば間違いないと発言するインフルエンサーなども目立ちましたね。
S&P500に投資することはわたくしも選択肢のひとつとして同意しますが、リスクについて説明している方はほとんど見たことがありません。
「リターン」だけでなく、「リスク」もきちんと理解した上で投資すべきです。
以下は、楽天証券経済研究所が作成した資料ですが、過去30年間のS&P500指数のリスク/リターンが掲載されていたのでお借りました。
2022年に18.11%下落した数値が含まれておりませんが、参考になると思います。
S&P500(ドル)がある位置を見ていただくと、平均リターンは9.5%程度、平均リスクは14.5%程度あります。
これは、リターンは9.5%程度を中心にして上下に14.5%程度ブレる確率が約68%あるということでしたね。
ですので、年間リターンは70%の確率で−5%から+24%内に収まる可能性があるということですし、もっと言うと95%の確率で−19.5%から+38.5%内に収まるということです。
2022年のS&P500指数のリターンは−18.11%でしたが、「リスク」について理解した上で投資していれば、昨年のマイナスも想定内ということであり、投資を止めてしまうこともないでしょう。
ちなみにS&P500指数に投資信託で(円)で投資している方も少なくないかと思いますが、(ドル)で投資しているのと比べ、リターンは同じでもリスクは4%近くも高いということもわかります。
わざわざ投資信託(円)で投資する意味はありませんよね。
まとめ
- 投資における「リスク」の意味を理解しよう
- 「リスク」を理解した上で投資すべき
「リターン」だけに目を奪われるのではなく、自分が許容できる「リスク」に応じた投資をされると失敗は格段に減ります。
面談の中で投資家それぞれの「リスク許容度」を確認し、適した運用プランをアドバイスいたしますから、希望される場合は、こちらから連絡ください。
著者プロフィール
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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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